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薬物依存症の清原和博容疑者に、治療ではなく「一発実刑判決」での更生を求める郷原信郎氏は間違っている。


 

 検事をやめて弁護士になった人のことを、やや揶揄を含めてヤメ検弁護士と言ったりするのですが、郷原信郎氏はヤメ検の中でも立派なヤメ検。

 たとえば、甘利元経済再生相の事件についても、早くからあっせん利得罪の成立の可能性を指摘され、URなどへの強制捜査を主張されています。

甘利明大臣の疑惑を告発した人を山東昭子派閥会長が「ゲスの極み」「喧嘩両成敗」。そして事業者行方不明。

 維新の党とおおさか維新の会の争いの時には、橋下維新の主張のおかしさを追及され、意見書も出されたので、うちのブログでご紹介させてもらったこともあります。

維新の党が大阪組を刑事告訴&民事裁判を提訴。橋下市長「僕は離党して党員でもないので、全く無関係だ」

  そんなわけで敬意の念をもって郷原弁護士の活躍を見守っているのですが、今回BLOGOSに転載された

「一発実刑」で清原を蘇らせることはできないか 

という記事は全くいただけません。
 
郷原 信郎  (著)
筑摩書房
 
理学部出身、鉱山会社を辞めて独学で司法試験に合格した「変わり種」が、さしたる動機も思い入れもなく、無理やり引きずり込まれた検察の世界。そこで目にしたのは、刑事司法の「正義」を独占してきた検察が社会・経済の構造変革から大きく立ち後れている姿だった。
 
 
 
 
 この記事で、郷原弁護士は、清原と同じく覚せい剤取締法違反で検挙された元タイガースの大エース、江夏豊氏が初犯なのに一発実刑判決を受け、受刑後、見事に社会復帰を遂げて現在野球解説者として成功していることを例に出し、
 
「清原を裁く裁判官に、球史に残る名投手江夏豊に一発実刑を言い渡した裁判官と同様の英断を望むことはできないだろうか。」
 
と主張しています。
 
 その論拠は、覚せい剤取締法違反事件では再犯率が高いのに対して
 
『一定期間、物理的に覚せい剤から隔絶されたこと、刑務所の規律の下での規則正しい生活で健康状態が劇的に改善したことが、江夏を見事に蘇らせることにつながったと考えられる。』
 
『「初犯⇒執行猶予」「再犯⇒実刑・初犯の執行猶予取消」というお決まりのパターンが、かえって、覚せい剤事犯者の社会復帰を妨げているとも言える。』
 
『社会に戻ることで逆に再犯の可能性が高まると考えられるような場合にも、形式的・機械的に執行猶予の恩典を与えるのが果たして本人のためになるのだろうか。』
 
ということを理由に挙げておられます。
 
 
 
阪神タイガース時代の江夏豊は私のヒーローだった。
 
 
 
 
選手兼監督だった村山投手とガッチリ握手。村山は長嶋を、江夏は王をライバルと思い定めて戦った。
 
 
 
 
1シーズン奪三振記録のタイ記録を王選手から取り、そこから8人を三振以外で仕留めて、新記録をまた王選手から取る。
 
タイガース時代の江夏豊は記録に残る以上の怪物だった。

 
 
 
 しかし、覚せい剤事犯を検挙する側でなく、弁護する側として専ら扱ってきた人間としては、刑務所の中で「規則正しい生活」をしてもほとんど効果はないと考えます。
 
 現に、刑務所に入った人でも、覚せい剤を使用した人たちの再犯率は高いのです。
 
 なぜかといえば、覚せい剤には依存性が高く、覚せい剤使用者の多くが薬物依存症という病気にかかっているからです。
 
 病人には病気の治療が必要なのであって、一発実刑で刑務所に入れても効果はほとんどありません。
 
 江夏氏の場合も公にはされていませんが、刑務所から出所後、リハビリ施設での適切な治療を受けたのかもしれないのです。江夏氏が受刑後立ち直ったからと言って、清原容疑者も刑務所生活だけで同様に立ち直れるとは限りません。
 
 また、清原容疑者が所持していた覚せい剤の量はわずか0・1グラム。これに対して江夏氏が所持していたのはおよそ一人の人間で使い切れないくらいの量を持っていたので一発実刑になったのですから、清原容疑者も一発実刑にするというのは量刑の均衡を欠きます。
 
江夏 豊 (著), 松永 多佳倫 (著)
KADOKAWA/メディアファクトリー
 
最新刊。
「俺は罪を犯した人間やから――。」
1993年3月3日、覚せい剤所持で逮捕された江夏豊。
その真相と苦難に満ちた再起の日々が、いま初めて明かされる。
 
 
 
 
 薬物依存症の場合も、アルコール依存症やギャンブル依存症などと同じように、病院での初期治療や正確な知識を得るだけではなく、リハビリ施設や自助グループでの回復プログラムこそが再発防止のカギです。
 
 薬物依存症のリハビリ施設としてはDARC(ダルク ドラッグ(DRUG=薬物)のD、アディクション(ADDICTION=嗜癖、病的依存)のA、リハビリテーション(Rihabilitation=回復)のR、センター(CENTER=施設、建物)のCでDARC)が有名です。
 
 また、薬物依存症の自助グループとしては、NA(ナルコティクス・アノニマス。無名の薬物依存症者たち)があります。
 
 これらは全国に施設や支部を持っている組織で、だれでもアクセス可能です。

 清原容疑者に対して、刑罰だけを持って臨むのではなく、専門病院やこういう専門機関を紹介できるような友人関係があるといいのですが。

 良心的な専門病院ならば、こういうリハビリ施設や自助グループにつなげてくれます。

 清原氏の関係者が、彼の執行猶予判決による釈放後、こういう病院や施設に行けるように配慮してくれることを切に希望します!



 
 
 
つか江夏選手のように今の苦しい日々を振り返れる日が来るといいね。
 
 

西川 京子 (著)
解放出版社

心身に大きな影響をもたらすだけでなく、借金・犯罪・事故などさまざまな問題を引き起こし家族を巻き込む薬物依存症は、回復可能な病気である。
家族の対応とともに回復への道筋を、長年の経験をもとに、わかりやすく解説。

 
ダルク研究会 (著), 南 保輔 (編集), 平井 秀幸 (編集)
知玄舎
 

「細いレールの上を歩いているひとの道が大通りとなるように、細いレールから落ちてしまったひとはレールに戻れるように。」多様で複雑な「回復」に道を歩み続ける、薬物依存者14名のライフヒストリー集。

 

双葉社

「酒井法子さん、薬物依存は犯罪ではなく病気なんだよ。刑罰ではもちろん、反省でも愛情でも治せない。だからダルクへいらっしゃい。治るとは言えないよ。覚せい剤を断ち切るのはあなたが考えているよりはるかに困難だ。でも、みんなといっしょにがんばろうよ!」


北九州ダルク編集委員会 (編集)
向陽舎

薬物依存症の回復を手助けする中間施設である「ダルク」の活動や、覚醒剤・シンナー等、薬物に依存した人たちの北九州ダルクでの実践記録、医療・教育・地域支援など各分野からの取り組み等を紹介する。


岩井 喜代仁 (いわい きよひろ) (著)
どう出版

薬物依存回復施設ダルクとの出合いから、薬物依存症に苦しむ日々から一転して救う側となり、
自らダルクを率いることになった岩井喜代仁氏。
迷いながら苦しみながらも、ともに回復を目指す仲間がいるからやってこれた。

 
 
 

依存症は完治しないが回復する。

ご紹介した西川京子先生のご著作にもあるように、日本で一番深刻な薬物依存は、精神安定剤や睡眠薬など処方薬への依存。

NAやダルクは処方薬依存にも「効き」ます。

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郷原信郎
  • 2016年02月12日 08:11

「一発実刑」で清原を蘇らせることはできないか 

2月2日の覚せい剤所持での逮捕以来、テレビのニュース番組やワイドショーは、清原和博元プロ野球選手(西武・巨人・オリックス)の話題で埋め尽くされている(まだ、「容疑者」の段階だが、「清原容疑者」という呼称には、かえって犯罪者的イメージがあるので、以下では、現役時代からの「清原」という呼称を使う。)。

テレビでは、警察の事前リークがあったから撮影できたとしか思えない逮捕後の同行シーンの映像が繰り返し映し出されている。有名人が警察に逮捕されて転落する様を「見世物」にして視聴率を稼ごうとするやり方に、ある種のさもしさを感じるのは私だけではないであろう。

今回の「清原報道」の多くは、大物元プロ野球選手が覚せい剤で逮捕された初のケースのように大々的に扱われているが、実は、過去に、プロ野球において、清原以上の実績を残した大選手が、覚せい剤で逮捕された実例がある。

1993年に覚せい剤の所持で逮捕され、懲役2年4月の実刑判決を受けた江夏豊氏(現野球解説者、本来「江夏氏」と呼ぶべきだが、同様に、現役選手時代の「江夏」という呼称を使う。)だ。

最多勝2回 最優秀防御率1回、最多奪三振6回、最優秀救援投手5回、MVP2回という輝かしい戦績に加え、1979年の日本シリーズ最終第7戦、1点リードの9回裏に一死満塁のピンチで、三塁ランナーがスタートしたのを見て、指先だけのコントロールでスクイズを外して併殺に打ち取り、広島を日本一に導いたシーンは、多くの野球ファンの脳裏に残っている。間違いなく球史に残る名投手だ。通算本塁打525本(歴代5位)を放ったものの、無冠に終わった清原とは比較すべくもない。

その江夏が逮捕されたのが現役引退後8年目、容疑は「覚せい剤所持」、いずれも今回の清原と全く同じだ。江夏は覚せい剤の所持量が多かったことなどから、いきなり実刑判決を受けて服役した。しかし、服役後、覚せい剤と絶縁し、見事に社会復帰を果たした江夏は、野球解説者や指導者として今も活躍している。

覚せい剤事犯の再犯率は極めて高い。江夏のケースは数少ない成功例と言ってよいであろう。なぜ、覚せい剤から立ち直ることができたのか。本人の強い意志があり、支援する人達の努力があったことはもちろんであろうが、初犯で実刑という思い切った量刑が行われ、江夏もそれを受け入れて服役したことで、一定期間、物理的に覚せい剤から隔絶されたこと、刑務所の規律の下での規則正しい生活で健康状態が劇的に改善したことが、江夏を見事に蘇らせることにつながったと考えられる。

覚せい剤事犯の場合、初犯に対しては、ほとんど執行猶予の判決が出される。そして、多くの者が、執行猶予中に再び覚せい剤に手を染めて有罪判決を受け、執行猶予が取り消され、新たな事件の懲役に、前の事件の懲役が加算され、かなり長期の受刑となる。いきなりの長期の服役で更生の意欲が失われてしまうことも珍しくない。

「初犯⇒執行猶予」「再犯⇒実刑・初犯の執行猶予取消」というお決まりのパターンが、かえって、覚せい剤事犯者の社会復帰を妨げているとも言える。

清原の場合も、数年前から覚せい剤の影響と考えられる奇行が目立っていたと言われており、覚せい剤への精神的依存性は相当高いと思われるが、初犯なので執行猶予となる可能性が高い。執行猶予であれば、服役はせず、社会内で生活できることになるが、もちろん、社会の表舞台で働けるわけはない。もともとの知名度の高さに加え、今回、これだけテレビで顔を露出させられた清原が、普通の社会人として暮らすことは困難であろうし、結局、どこかに閉じこもって失意のうちに時を過ごすことになる可能性が高い。そのうちに再び覚せい剤に手を染める、というパターンで再犯に及んでしまうことが強く懸念される。

江夏の成功例を見る限り、清原の場合も、初犯であっても、1年程度の実刑とし、一定期間矯正処遇を受けさせることが、逆に、社会復帰の可能性を高めることになるのではないか。

執行猶予を付するか実刑にするかは裁判官の裁量だ。覚せい剤事犯は、それ自体は一般的には被害者がいない犯罪であり、裁判官として初犯に実刑を言い渡すことに抵抗があるのは理解できる。しかし、本来、執行猶予は、社会内での処遇が本人の更生に資すると確信がもてる場合に言い渡されるべきだ。社会に戻ることで逆に再犯の可能性が高まると考えられるような場合にも、形式的・機械的に執行猶予の恩典を与えるのが果たして本人のためになるのだろうか。

清原を裁く裁判官に、球史に残る名投手江夏豊に一発実刑を言い渡した裁判官と同様の英断を望むことはできないだろうか。

 

 

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