
一般の人は、記憶力は受験にこそ重要だと考えているんですよね。
大学受験まではほとんどそうで、正しく覚えていることを正確に答案用紙に書くことが出来れば、合格するわけです。
ところが、司法試験では、記憶力抜群の人がなぜか合格に時間がかかったりする。この試験では考える力が試されており、司法試験の天王山論文試験では絶対解がないからなんですね。
正しい答えのない世界で、問題解決をする裁判官、検察官、弁護士になろうとする人を選ぶ試験だからです。
私は司法試験どころか、大学受験も中学受験もすべて記憶力軽視で押し通して来たのですが、今、弁護士になってから凄く困っています。
弁護士になって本物の事件を解決しようと思ったら、ちゃんとメモを取れること、そして全部を覚えていることがとても大切なのですが、私、記憶力軽視でずっと来たので、すでに受任済みの事件の依頼者に「はじめまして!」と言ってしまうありさま。
実は今日、同時平行4人目の離婚事件の相談者がいらしたのですが、依頼者達の相手方のダメ男を峻別できるかどうか、自信がないんです。それぞれにひどい夫たちのエピソードや離婚原因が混ざり合って巨大な人間失格像を描き出しそうで、依頼者とお電話したり直接会って打ち合わせをする前は、もう一度、記録を一から読み返しています。
夫たち、全員とお会いして、それぞれの写真を撮って記録に貼り付けさえすれば大丈夫なのですが。撮らしてくれないよな。
写真は、去年公開された「ヴィヨンの妻」で、出来なさ過ぎる男と出来すぎの女を演じた、浅野忠信と松たか子。去年が太宰治の生誕100周年とのことで、今年は角川映画がまたも題名もそのままずばり「人間失格」を公開するようです。好きなんだねえ、みんな、太宰が。