
福島第1原発事故の爪痕が残る中、廃炉作業が行われている3号機の原子炉建屋(左奥)=2016年2月12日、毎日新聞 森田剛史氏撮影
数日前に知って、その時に書けばよかったのですが、これはどうしてもおかしいので記録に残しておきたいと思います。
いよいよ、安倍政権肝いりの伊勢志摩サミットが2016年5月26、27日に開かれるのですが、東電がこれに合わせて、福島第一原発の廃炉作業をストップするというのです。
具体的には、地上タンクの設置工事や1号機の建屋カバー解体作業をやめるそうです。

廃炉作業は数十年はかかる見通しだが、予定がさらに何度もずれ込んでいる。
このニュースを報道しているのは、私が調べた限りでは3社なのですが、この休止の理由の説明がてんでバラバラです。
読売新聞は
「テロ警戒のため、敷地内に立ち入る人員を絞るのが狙いとみられ」
仙台の地方紙である河北新報は
「構内でトラブルが発生した際、異常を検知しやすくするのが狙い。」
東電に取材して、その話を載せているのは東京新聞だけで、同紙によると、東電は廃炉作業を休止する理由として
「要人が集まるサミットの期間中、なるべくリスクを減らしたいと当社の判断で決めた」
というのですが、これ、おかしくないですか?

放射性物質を含む粉じんの拡散を抑えるため、爆発事故の爪痕が残る3号機の原子炉建屋にまかれる飛散防止剤=福島第1原発で2016年2月23日、毎日新聞 森田剛史氏撮影
だって、廃炉作業をしていると普段はテロなどのリスクが多いってことを認めたことになるでしょう?各国首脳が来ている間だけ、リスクを下げるということは、普段は、日本に暮らす我々は過大なリスクを負わされているということになるわけです。
テロはサミットの期間中だけを狙うとは限らないんですから。
それに、東電はテロの危険性を口実にしていますが、廃炉作業はそれ自体が非常に危険であり、テロだけが問題ではありません。
それにしても各国首脳がやってくる二日間だけリスクを減らし、普段、日本に暮らす我々にはリスクを甘受してくださいって、どういう了見なのでしょうか。
常に我々を危険にさらす福島原発事故はほんとに忌まわしいのですが、こんな状況の福島原発を抱えながら、
「完全にコントロールしている」
と世界をだましてオリンピックを誘致した安倍首相が、いまだに原発推進姿勢で、とにかく原発を再稼働しようとしていることを考えると、怒りを禁じ得ません。

廃棄物置き場で作業する労働者ら=福島第1原発で2016年2月23日、毎日新聞 森田剛史氏撮影。

東京電力は2016年2月12日、福島第一原発の廃炉作業に伴うがれきや作業員の防護服などの汚染廃棄物の総量が平成40年に、約74万9000立方メートルに達するとの試算を明らかにした。第一原発構内では昨年7月までに約29万立方メートルの廃棄物が発生しており、新たに約46万立方メートルが生じる計算だ。同日、都内で開かれた原子力規制委員会の特定原子力施設放射性廃棄物規制検討会で東電が説明した(福島民報)。
少子高齢化でそのうちに作業員の数の確保もままならなくなるでしょう。
それ以外に、事故を起こさずとも、いずれは全国にある50基の原発の廃炉の時期がやってきます。1基あたり数千億円かかるといわれています。
また、これまで貯め続け、原発を稼働すれば必ず出てくる放射性廃棄物が処理できないという問題も抱えたままです。
こんな状態で原発ゼロ以外に選択肢などありえません。
原発ゼロにしても、福島第一原発の廃炉作業は絶望的なのに。。。
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サミット中、福島第一原発の作業休止 東電「リスク減らす」
2016年5月11日 東京新聞朝刊
東京電力は、二十六日、二十七日に開かれる主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の開催中、福島第一原発での、原子炉冷却や汚染水処理、パトロールなど止められない作業以外の、汚染水タンク建設などの作業を休止することを決めた。東電は「要人が集まるサミットの期間中、なるべくリスクを減らしたいと当社の判断で決めた」と説明している。
東電によると、作業休止は三月末、東電の福島第一廃炉会社の会議で決定。現場を担う作業員の一人は「テロ対策と聞いた。何かトラブルが起きたら問題になるのを避けるためではないか。東京五輪やパラリンピックの期間中も、作業自粛になるのでは」との見方を示した。
作業休止期間中は休業補償は出ないケースが多いとみられる。別の作業員は「休業補償は出ない。作業の休止前と再開前は点検になることが多く、これでは作業が全然進まない」と話した。東電の広報担当者は「余計なニュースが起きないようにということで、国からの要請はない」と説明している。
<原発事故>サミット期間中は廃炉作業中断
東京電力は10日、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が開かれる26、27の両日、福島第1原発の廃炉作業を中断する方針を明らかにした。構内でトラブルが発生した際、異常を検知しやすくするのが狙い。
中止するのは地上タンクの設置工事や1号機の建屋カバー解体作業など。海水のモニタリングやパトロール、汚染水の浄化処理などは通常通り続ける。
東電によると、国際会議の開催などに伴い、廃炉作業を中断するのは初めてという。
2016年05月11日水曜日 河北新報
サミット中、福島第一の廃炉作業休止…テロ警戒
テロ警戒のため、敷地内に立ち入る人員を絞るのが狙いとみられ、作業は核燃料への注水作業など最小限にとどめる。
同原発では、平日は約6000人が、汚染水をためるタンクの設置や、原子炉建屋を覆うカバーの解体などにあたっている。サミット期間中は、こうした作業の大部分をとりやめ、日曜・祝日と同様の約1000人体制に縮小するという。
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