
逆進性とは、所得が高ければ高いほど、消費税の実質税率が低くなることです。
たとえば、上の図によれば、消費税5%に対して年収200万円から250万円の世帯は消費税率が4・24%なのに対して、年収1500万円以上の世帯では1・43%になってしまいます。
これは低所得層では貯蓄に回せる余裕がほとんどなく、年収のほとんどを消費に回すので、年収の大部分に消費税がかかるからです。これに対して高所得層はいくら贅沢ができると言っても、所得のうち消費に回す率はどうしても低くて済むので、消費税は少なくて済むのです(上の図の非課税年収の額は年収ほど増えていないことがお分かりでしょう)。
そもそも、税金は所得の再分配のためにあります。高所得層・富裕層から多めの税金を取ってこれを社会的弱者に給付し、所得格差を是正するのが本来の姿です。このように高所得層ほど所得税率などが高い制度を累進課税といいます。累進課税どころか、税金を払うと格差が拡大してしまう逆進性を持つ消費税は、究極の差別課税と言えるでしょう。

このような、消費税の逆進性が最も端的に表れるのが、上の図のように、収入に占める食料費の割合です。200万円以下の世帯収入の家族では収入のうち食料費に30%使いますから、それに消費税がかかってしまいますが、1500万円以上では5%しか食費に使わないので、消費税があまりかからないのです。

その結果、総務省の家計調査からみた消費税額は以上のとおりになります。
安倍政権が、消費税の景気後退に対する対策として、法人税は減税を進めようというのは大企業を優先する安倍政権の姿勢を物語っている。結局、下のグラフのように、法人税を減税するために消費税はつかわれてきたのです。

安倍政権が打ち出す消費税増税で景気腰折れとならないよう打ち出す経済対策も同じです。5兆円規模のうち、企業向けの設備投資や賃上げを促す減税、さらに年末までに決める復 興特別法人税の前倒し廃止を合わせると一・九兆円に上り、あす。公共事業などの景気浮揚策も二兆円ですがこれはゼネコン大企業に回るお金です。
国民から吸い上げた消費税を原資に、財界や建設業界といった自民党支持基盤に還流されたり、減税に充てられる構図なのです。しかし、法人全減税をしたからといって庶民の賃金が上がるわけではありません。
2014年4月に迫った消費税の増税で、一部の大企業は潤いますが、庶民の購買力は確実に落ち、景気が後退することは火を見るより明らかです。
なにより、税と社会福祉の一体改革と言いながら、消費税で吸い上げた税金をどう社会福祉にまわすのか、5兆円も使ってしまってどう財政赤字を解消するのか、ちっとも具体論がなく、まさに格差社会が拡大することになります。
今からでも、消費税増税という究極の悪政は絶対に阻止しないといけません。
刻々と迫る国難。
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増税の大義が見えない 消費税引き上げを決定
2013年10月2日 東京新聞社説
安倍晋三首相が来年四月から消費税の8%への引き上げを決めた。終始、国民不在のまま進んだ大増税は、本来の目的も変質し、暮らしにのしかかる。
一体、何のための大増税か-。疑問がわく決着である。重い負担を強いるのに、血税は社会保障や財政再建といった本来の目的に充てられる保証はな い。公共事業などのばらまきを可能とする付則が消費増税法に加えられたためだ。肝心の社会保障改革は不安が先に立つ内容となり、増税のための巨額の経済対 策に至っては財政再建に矛盾する。増税の意義がまったく見えないのである。
◆正統性ない決定過程
わたしたちは、現時点での消費税増税には反対を唱えてきた。何よりも、この増税の決定プロセスには正統性がないと考えたからである。始まりは、民主党の「マニフェスト(政権公約)違反」であった。
消費税増税をしないといって政権に就いたにもかかわらず、突如として増税に舵(かじ)を切った。一千兆円もの財政赤字の現状から、国民にいずれ消費税引き上げはやむを得ないとの覚悟があったとしても、手続き違反だし、国民への背信行為である。
民主党は「天下りや渡りを繰り返すシロアリ官僚の退治なしの増税はおかしい」とも訴えながら、結局、行革も自ら身を切る改革も反故(ほご)にしてきた。政治には信頼が必要なのである。
その民主と組んで昨年八月に消費増税法を成立させた自民、公明も年末の総選挙や七月の参院選で増税を堂々と争点に掲げることはなかった。消費税増税が政治的に国民の理解を得たとはいえない。
それもそのはずである。自公は消費増税法案の付則に「成長戦略や事前防災、減災などの分野に資金を重点的に配分する」と追加し、消費税の使い道を公共事業など何でもありに変更した。
◆変質した増税の理念
国土強靱(きょうじん)化や減災構想のためとみられている。社会保障目的ならまだしも、「何でもあり」を表だって問えるはずがない。
消費増税法の原点は「社会保障と税の一体改革」であり、毎年一兆円ずつ増え続ける社会保障費の財源確保が目的だったはずだ。国民の多くは今でもそ う望んでいるだろう。しかし一体改革であるはずなのに、増税だけが先行して決まった。そのうえ年金制度など社会保障の抜本改革は見送られた。
本来なら「社会保障改革のために財源がこれだけ必要となり、そのために消費税を何%引き上げる必要がある」と国民に理解を求めるのが筋である。財 政再建を理由に、先に増税ありきの財務省が描くシナリオに乗るから齟齬(そご)を来すのである。消費税増税の理念は変質し、国民に負担を求める大義も失っ てしまったといっていい。
消費税は1%で二・七兆円の税収があり、3%引き上げると国民負担は八兆円を超える。財務省にとっては景気に左右されず安定的に税収が確保できるので好都合だ。だが、すべての人に同等にのしかかるため、所得の低い人ほど負担が重くなる逆進性がある。
さらに法人税は赤字企業には課せられないが、消費税はすべての商取引にかかり、もうかっていなくても必ず発生する。立場の弱い中小零細事業者は消 費税を転嫁できずに自ら背負わざるを得ない場合がある。このままでは格差を広げ、弱者を追い込む「悪魔の税制」になってしまう。
消費税を増税する一方、法人税は減税を進めようというのは大企業を優先する安倍政権の姿勢を物語っている。消費税増税で景気腰折れとならないよう 打ち出す経済対策も同じである。五兆円規模のうち、企業向けの設備投資や賃上げを促す減税、さらに年末までに決める復興特別法人税の前倒し廃止を合わせる と一・九兆円に上る。公共事業などの景気浮揚策も二兆円である。
国民から吸い上げた消費税を原資に、財界や建設業界といった自民党支持基盤に還流されたり、減税に充てられる構図である。過去に経済対策と銘打っ て公共事業をばらまき、借金を積み上げた「古い自民」の歴史を忘れてもらっては困る。このままでは社会保障の充実も財政再建もかなわないまま、消費税率だ けが上がっていくことになりかねない。
◆安心できる社会保障を
安倍首相は「持続可能な社会保障制度を次の世代にしっかりと引き渡すため、熟慮の末に消費税引き上げを決断した。財源確保は待ったなしだ」と理由を述べた。
そうであるならば、やるべきことは、安心できる社会保障制度の将来像を具体的に描き、その実現のために無駄な財政支出を徹底的に削減し、公平な負担を確立する。それなしに国民の理解は得られるとはとても思えない。
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