
写真は、名画「ローマの休日」でおなじみの『真実の口』
今朝は、妻イエティに起こされました。
「あなた、事務所の嶋さんからお電話よ」
「うん、代わって」
「嶋ですけど、10時のお約束のOさんがもうお見えになっていますが」
「げ、今、何時ですか?」
「10時です」
寝坊した!!!
今日の少年事件の意見書を作成して、少年のノートと一緒に裁判所にFAXしたあと、火曜日の1年生の刑法・横領罪のレジュメ(色気を出して背任罪まで作ってしまった)をせっせとつくって寝たら、大遅刻です!
未来が起きるのも、幼稚園に行くのも、送ってきたイエティが帰ってきたのも全然気づかずに眠ってた~~まさか、10時の打ち合わせのために目覚まし時計が必要とは思わなかった~~~~!!!!
「10時30分に行きます!それまで待っておいてもらってください!」と叫んで、朝飯抜き、中途半端な髪型で事務所へ直行。
事務所の自動ドアが開いたとたん、「遅くなりました」と静かに低い声で事務所全体に挨拶。依頼者のOさんがお待ちの部屋にちょっと顔を出して、「いやあ、すみません、お待たせしました」
あとはつつがなく、初回の打ち合わせが始まります。
Oさんは日本司法支援センター(法テラス)で私が法律相談をして、受任することになった、任意の債務整理事件の依頼者です。
こういう事件の場合には、事務所との連絡を密にすること、とか、決して1社だけに勝手に支払わないこと、とか、これ以上絶対借り入れをしないこと、などなど、基本的注意事項があります。
私が、口頭でそれを説明し始めると、横から嶋さんが、「先生、これを」と、なんとうちの弁護士法人特製の任意整理事件注意事項用紙が出来ているではありませんか。いつの間につくったんや。
しかも、注意事項がA4版裏表にびっしりあるんです。
おまけに、全部を読んで了解した旨のサインをいただく欄が最後にあって、まるで、不動産取引の重要事項説明書みたいです。
任意整理や破産の事件では、依頼者が音信不通になったり、いろいろハプニングが続出するので、こんな用紙を作ったんだなあ、と納得。でも、なんだかねえ、窮屈だねえ。渡すだけじゃあダメなのかねえ。
まあ、とにかく、10個くらいある注意事項をせっかくですからその用紙に添って説明していったら、8番目に、
8 真実を話してください
という項目があって、天を仰ぎました。
・・・真実・・・
まず、隗から始めよ。
「Oさん、今日、私、30分遅刻したでしょ。あれ、寝坊したんです。」
「えっ!?」
「仕事で寝るのが遅くて・・・って、そういうことがいいたいんじゃなくて、Oさん、私が朝から別の仕事をしていて、それが長びいて遅れたんだと思ってたでしょ?でも、ほんとは寝坊なんです。真実って、言いにくいですよね。
でも、言いにくいことほど早く言って欲しいんです。たとえば、借りちゃいけないのに、新たに借りてしまいました、とかね。言いにくいでしょ。でも黙っていられるとこちらが気づくのが遅れて、手遅れになることもあるんです。だから、いいにくいことはお互いに早めにいうようにしましょうね」
「はい、よくわかりました」
Oさん、実によく理解されたようでした。
依頼者に言いにくい本当のことってたくさんあるよな~~
8 真実を話してください
当分、目に焼きついてはなれなさそうです。