
| あけび書房 |
不況を口実にした非正規労働者の増大、そして大震災…生活保護制度が、今、根本的に変質されようとしている。その問題点を整理し、制度のあり方を提言。そして豊富な資料編。
大分県の別府市が、今年10月の計5日間に、市職員35人が同市内の13のパチンコ店と市営別府競輪場を巡回。受給者25人を見つけて市役所に一人ずつ呼び出し、行かないように注意したのだそうです。
そして、調査した5日間で再び見つけた受給者については、支給額の大半を1カ月分取りやめたということです。
納税者が納得しないというのですが、この調査、少なくとも1998年から始まったそうで、35人もの職員が5日間も巡回したら1回あたりどれくらい税金の無駄使いになるかわからないのでしょうか。
| 稲葉剛 著 | |
| 岩波書店 |
すでに段階的引き下げが始まっている生活保護制度。生きるための最後の砦であるこの制度がこの秋、大きな岐路を迎えている。不正受給の報道やバッシングのなか、どのような事態が起ころうとしているのか。生々しい当事者の声を紹介するとともに現場の状況を報告、いま、何が問題なのか、その根源を問う。
おまけに、一か月分丸々生活保護費を支給しなかったそうなのですが、そんなことをしたら受給者は死んでしまいますよ。
だって、生活保護者には貯金など許されていないのですから、生活の余裕などありません。
あれだけ、「水際作戦」で生活保護を受給させないように努めている厚生労働省でさえ、
「やりすぎ」
と言っているのは無理もありません。
これは、憲法が基本的人権として保障している生存権侵害として、人権侵害であり、裁判になれば必ず別府市は負けるでしょう。
なぜ、今まで問題にならなかったのか。それは生活保護受給者が委縮しているからなのです。
日本国憲法25条(生存権)
| 雨宮処凛 (著), 和久井みちる (著), さいきまこ (イラスト) | |
| あけび書房 |
崖っぷちのあなた! 死んだらダメです! 生活保護は恥ではありません。
生活保護を利用して、安心して、前向きに生きてみませんか。
困っている方のための分かりやすさ抜群の手引きです。
裁判で勝つ負けると言えば、違法でないといけないのですが、
「生活保護法に遊興費の支出を禁じる直接の規定はない」
ことを厚労省も指摘しています。
規定がないのに、支給停止処分をすれば、法に基づかない処分ですからこれは違法です。
別府市側は生活保護法65条に、被保護者の義務の一つとして
「支出の節約を図り」
とあるのを根拠にしているようですが、なにをもって娯楽やストレス発散にするかは、本人の幸福追求権で保障される自己決定権により自由です。
日本国憲法13条
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
| みわよしこ 著 | |
| 日本評論社 |
急増する生活保護者。生活保護制度を解説するとともに、取材を通して、受給者や生活保護に係わる人々の「ありのまま」の姿を描く。
小野市が2013年に制定した条例を批判した
生活保護受給者等のパチンコギャンブル禁止監視条例 生存権の行使さえ肩身が狭い社会では誰も生きられない
でも書きましたが、生活保護法27条第1項は、
「保護の実施機関は、被保護者に対して、生活の維持、向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができる。」
と規定しながらも、同条第2項、第3項では、
「前項の指導又は指示は,被保護者の自由を尊重し,必要の最少限度に止めなければならない。」
「第一項の規定は,被保護者の意に反して,指導又は指示を強制し得るものと解釈してはならない。」
と規定しています。
| 今野晴貴 著 | |
| 筑摩書房 |
高まる生活保護バッシング。その現場では、いったい何が起きているのか。自殺、餓死、孤立死……。追いつめられ、命までも奪われる「恐怖の現場」の真相に迫る。
これらは、生活保護の実施機関である地方自治体が受給者に対し、必要以上の指導又は指示を行い、受給者のプライバシー権や自己決定権(憲法13条)が損なわれることがないように、指導又は指示の濫用を防止するための規定です。
「人間の尊厳に相応しい生活の根本は,人が自ら生き方ないし生活を自ら決するところにある」
のです(学資保険事件 福岡高裁判決)。
このように、生活保護等の受給者は、基本的人権として憲法25条の生存権とともに、憲法13条後段によりプライバシー権・自己決定権を保障されているのですから、受給者に給付された金員の使途を過度に制約することは、憲法25条及び13条に違反しています。

生活保護者に倫理的・道徳的にパチンコを自粛しろというべきかどうかでも、議論があるところです。
まして、巡回して監視するだの、生きられるぎりぎりのお金しか支給していない生活保護費を一か月も停止して、法的制裁を加えるだのというのは言語道断です。
よって、別府市の巡回調査、生活保護費停止処分は違憲・違法であり、ただちに中止されるべきです。
| 現代書館 |
累計10万部を超える定番書!
2014年7月に施行された初めての本格的生活保護法「改正」(申請の様式化、扶養義務の強化、等)に対応した全面改訂版。基準額変更と他法・他施策の変更、法改悪に対する対応を盛り込んだ生活保護利用の、2015年4月(一部7月)改定の新基準額に対応した最新版です!
| 柏木 ハルコ 著 | |
| 小学館 |
新卒公務員の義経えみるが配属されたのは福祉事務所。
えみるはここでケースワーカーという生活保護に関わる仕事に就くことになったのだが、そこで生活に困窮した人々の暮らしを目の当たりにして――
別府市にも、生活保護たたきに喝さいを上げるネット世論にも、事は基本的人権の問題だという意識が弱すぎます。
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「生活保護者が朝からパチンコはよくない」 別府市の「巡回」「支給停止」にネットで称賛相次ぐ
大分県別府市がパチンコ店など市内の遊技施設に「生活保護受給者」がいないか巡回調査し、見つけた受給者の支給額を減額していた。ネット上では「どんどんやれ」「当然ですな」と称賛の声が巻き起こっている。
今から2年前にも、生活保護費の不正受給やギャンブルへの使用を禁止した「小野市福祉給付制度適正化条例」が兵庫県小野市で施行されたことで、多くの賛辞が寄せられた。
「市民感覚からすると、受け入れられないでしょう」
別府市の調査は、2015年10月の計5日間、市職員35人が市内にある13のパチンコ店と市営別府競輪場を巡回。見つけた生活保護受給者25人を一人ずつ市役所に呼び出して注意し、次の巡回で再び見つけた場合は1か月分支給額を大幅に減らした。
市によると、こうした調査は少なくとも25年前から年1回のペースで実施されていた。巡回する時間帯は10時頃から16時頃まで。3回以上見つけた受給者については、2か月にわたって支給額を減らした。
これまで大きな問題は起きておらず、「パチンコ店からも苦情は来ていない」という。ただ、その調査内容自体は12月15日の市議会で初めて外部に明かされ、16日付け朝日新聞電子版に報じられた。
調査を始めた理由について市の担当者は、「別府市は他都市に比べて生活保護の受給率が高く、遊興施設も多いです。市民感覚からすると、受給者が昼間からパチンコ店に入り浸る様子は受け入れられるものではないでしょう」と話す。
実際、受給者が遊技施設に出入りする様子を見た市民から頻繁に苦情、抗議が寄せられていたようで、「(苦情が)来ない日はないくらいでした。今でも週に2~3回は受けています」と明かした。そのためか、朝日新聞の報道後に寄せられたメールのほとんどが市の取り組みを「励ます」ものだったという。
市担当者「人権には十分配慮していると考えています」
また、以前から生活保護制度そのものに否定的な意見が多いネットでも
「どんどんやれ」
「これを皮切りに全国展開だ」
「当然ですな」
と別府市の対応を評価し、応援する声が湧きあがっている。
ただ一方で、「受給者への人権侵害になるのでは」との指摘も上がっているのも事実。報道によると、厚生労働省は「調査は適切でない」との見解を示している。
前出の別府市担当者にこの点をぶつけると、「人権には十分配慮していると考えています。受給者がパチンコを一切してはいけない、と言っているのではなく、『朝や昼間からパチンコ店に入り浸るのは良くない』というだけです。職員の巡回しない夜間については、あえて勧めませんが、(受給者が)気晴らしで行くことを厳しく咎めません。もちろん受給者にも楽しみが必要だと認識しています。ただ、出来れば地域活動やボランティアなどギャンブルとは違う部分で発揮して頂きたいとは思っていますが」との答えが返ってきた。
実は、2013年にも今回と似たような議論が巻き起こっている。きっかけはこの年に兵庫県小野市で施行された「小野市福祉給付制度適正化条例」だ。同条例は、生活保護や児童扶養手当の受給者が過度の浪費で生活できなくなる事態を防ぐために作られ、生活保護費を不正受給したり、ギャンブルに使ったりするのを明示的に禁止する珍しい内容だった。
支給の厳格化を目指すものと受け止められたためか、ネットでは称賛の声が比較的多かった。
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