
トランプ米大統領は、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対し、
「火力と怒りに直面する」
「完全な破壊」
などと脅迫するなど、好戦的な発言を繰り返しています。
このため、米議会などからトランプ氏が北朝鮮への先制核攻撃を行いかねないと憂慮する声も上がっており、米上院外交委員会は2017年11月14日、核兵器使用に関する大統領権限に関して公聴会を開催しました。
この中で民主党のマーフィー議員は
「トランプ氏は非常に情緒不安定で非常に気まぐれだ」
「米国の国家安全保障上の利益から大きく外れた核攻撃を命じるかもしれない」
と懸念を表明していました。
これに対して、アメリカのハイテン戦略軍司令官は2017年11月18日、カナダ東部ハリファクスで開かれたシンポジウムで、トランプ大統領の核攻撃の命令が違法であれば、拒否できるとの認識を示しました。
ちなみにアメリカの「戦略軍」は米軍の核兵器の運用やミサイル防衛を担当しています。
このシンポジウムでハイテン司令官は、大統領から核攻撃の命令を受けた場合でも、
「(大統領の命令が)違法なら、『大統領、それは違法だ』と言うことになる」
「違法な命令に従ったら、その後は一生刑務所で過ごすことになる」
と指摘し、状況に応じて他の選択肢を考えると説明しました。

ハイテン司令官はどのような命令が「違法」に当たるかについて、武力紛争法(国際人道法、戦時国際法とも)に軍事的必要性、(文民と戦闘員、民用物と軍事目標の)区別、均衡性、不必要な苦痛についての原則が規定されていると説明しました。
私も言い渡しを直接傍聴席で聞いた1996年11月の国際司法裁判所の勧告的意見は、まさにその国際人道法などを根拠に
「核兵器による威嚇又はその使用は一般的に言って国際法違反である」
「ただし、一国の存亡が問題になる究極的な場合については判断しない」
としています。
アメリカが北朝鮮を攻撃するときには、アメリカという国の存亡がかかっているわけではありませんから、アメリカによる北朝鮮に対する核兵器での攻撃は、完全に国際法違反である、ということになります。
たとえ大統領の命令であっても、違法な命令には従わない。
当たり前のことのようですが、軍の司令官がそう断言できるのは、法の支配という英米法的な考え方が軍人にも浸透していることの表れだと思います。
ひるがえってみて、日本ではたとえ総理大臣の命令でも違法であれば従わない、という気持ちで官僚たちが働いているのか、実に心もとない気がします。
実際に、現場の人間が大統領の命令に逆らえるか、それだけを核戦争に対する歯止めとすることはできませんが、違法な命令に従えば刑務所に行くことになる、と司令官が明言したことは、軍の現場に対する警鐘にはなるでしょう。
まあ、そういう心配をしないでいいようにするためにも、核兵器自体を廃絶すべきですね。
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大統領からの核攻撃命令、違法なら従わず代替策を模索 米戦略軍司令官
2017年11月19日 13:59 発信地:オタワ/カナダ

韓国の烏山米空軍基地で行われた記者会見で、対空誘導弾パトリオット(PAC3)の前に立つジョン・ハイテン戦略軍司令官(左から3人目)ら(2017年8月22日撮影)。(c)AFP/LEE JIN-MAN
【11月19日 AFP】核兵器の運用を担当する米戦略軍(US Strategic Command)のジョン・ハイテン(John Hyten)司令官は18日、核攻撃を指示する「違法な命令」を大統領から受けた場合は従わずに、代替策を模索することになるだろうと語った。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の言動が予測不能で安定性を欠くことから、トランプ氏が不必要な核攻撃を一方的に命令するのではないかとの懸念が高まっている。この問題は先日、米上院でも議論された。
カナダのハリファクス(Halifax)で開かれた国際安全保障関連のフォーラムで、核攻撃の可能性が出てきた場合にトランプ大統領と何を話すかと質問されたハイテン氏は「私は大統領に助言し、大統領は私に命令する」とした上で次のように語った。
「命令が違法ならば、私は『大統領、それは違法です』と言う。大統領は『どういうものだったら合法なんだ』と尋ねるだろう。そしてわれわれは状況に応じて各種戦力を組み合わせて選択肢を見出していく」と答えた。
また、何が違法な命令に当たるかについてハイテン氏は、武力紛争法(国際人道法、戦時国際法とも)に軍事的必要性、(文民と戦闘員、民用物と軍事目標の)区別、均衡性、不必要な苦痛についての原則が規定されていると説明。「違法な命令を実行すれば、禁錮刑を受け、終身刑に処せられる可能性もある。核兵器や小火器、小部隊の戦術など、すべてがその適用対象だ」と述べた。(c)AFP
2017.11.19 11:51
【北朝鮮情勢】
米軍高官、核攻撃違法なら大統領命令であっても従わず
ハイテン米戦略軍司令官は18日、カナダ東部ハリファクスで開かれた国際安全保障フォーラムで、トランプ大統領が核攻撃を命令しても、違法と判断すれば従わず別の選択肢を提案する考えを明らかにした。米CBSテレビが報じた。
核実験や弾道ミサイル発射を続ける北朝鮮に対しトランプ氏が「炎と怒りに直面する」などと威嚇的な発言を続けていることを受け、米国内では大統領が核攻撃に踏み切る恐れがあるとの懸念も出ている。
ハイテン氏は核攻撃の命令を受けた場合「もし違法なら『大統領、それは違法です』と告げる。そして、合法的なものは何かと大統領が尋ねてきたら、いかなる状況に対しても選択肢を提案する。そんなに難しいことじゃない」と説明した。
さらに「もし違法な命令を実行したら、刑務所行きとなる。残りの人生を刑務所で過ごす可能性もある」と述べた。(共同)
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