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トランプ信者Qアノンが反ワクチン陰謀論から親露派陰謀論へ。そして東京大学の研究は反ワクチン陰謀論者が参政党支持になる傾向を指摘。一般に「熟慮性が低い」という陰謀論者にどう対処するか。


権力者たちが富と権力を使ってフェイクニュースをでっちあげては流しまくり、それが下流にどんどん流れてくるという現代社会。

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 以前にもご紹介したのですが、鹿児島大学人文学科の大薗博記准教授らの陰謀論信念に関する論文が“Applied Cognitive Psychology”に掲載され、『読売新聞オンライン』で記事として取り上げられました。

 この研究は、陰謀論を信じやすい人の心理的・社会的特性を検討したものです。

 大薗氏らの興味は「頭の良い人ほど陰謀論に陥りやすいのか」ということにあったのですが、案の定そうではなく(笑)。

 オンラインでのアンケート調査を元に937人のデータを分析したところ、「熟慮性=熟慮的思考(=物事を深く考える傾向)」が低い人ほど、陰謀論を信じやすい傾向があることがわかりました。

 その他に、社会への不安や不満が高いことも、陰謀論信念と正の相関がありました。

この馬渕睦夫氏などは外交官としてキューバ大使とかモルドバ大使など不遇で、社会への「不満」が高く、それで自分だけが「世界の真実に目覚めた」と思いたかったんだろう。

 

 

 一方、「社会への不満が高まると物事を深く考える人こそが陰謀論を信じやすくなる」といった組み合わせの効果(交互作用)は認められませんでした。

 これらの結果は、熟慮的思考(論理的思考や科学的思考を含む)を養うことが、むやみに陰謀論を信じるのを抑制しうる可能性を示唆しています。

 ロシアのプーチン大統領に逮捕状を出した国際刑事裁判所(ICC)とイスラエル政府のジェノサイドを裁いている国際司法裁判所(ICJ)を混同して、ネタニヤフ首相に逮捕状を出さないICJがイスラエル政府に不利な判断をするはずがないと言いまくっていた親露派陰謀論者たちを観察していると、熟慮できない人が陰謀論にハマるというこの研究結果、どんぴしゃりという感じがします。

日本で一番有名な陰謀論者の一人のこの内海医師なんて、医者の権威を利用して、儲けのためにないことないこと言いまくり。

これだけ「売らんかな」なのに信者は気づかない。

 

 

 さて、新型コロナウイルスのワクチン接種会場に侵入したとしてメンバー5人が逮捕された反ワクチン団体「 神真都やまと Q会」がロシアによるウクライナ侵略についても、旧ツイッター上などで

「プーチンは救世主だ」

などとする投稿を繰り返していたことなどから明らかなように、トランプ信者→反ワクチン陰謀論→プーチン信者・親露派陰謀論者がかぶっている(というか元の発信源は数十人しかいない)ということはよく知られています。

トランプ氏がついに発狂。選挙演説で「大統領には免責特権を与えなければならない。トルーマンを見てみろ。広島、長崎。特権がなければ彼は原爆を投下しなかっただろう」と、自分にも免責特権を与えろと言い出す。

 

 

 東大の研究によると、ロシアのウクライナ侵略に関連して日本の旧ツイッター上で

「ウクライナ政府はネオナチ」

という親露派陰謀論の投稿をリツイートしたアカウントの87・8%が反ワクチン関連、46・9%が米国の陰謀論集団「Qアノン」に関連する主張をリツイートしていたそうです。

ウクライナ批判のSNS投稿者、ワクチンでも誤情報発信 - 日本経済新聞

日本経済新聞 「ウクライナ批判のSNS投稿者、ワクチンでも誤情報発信」より

 

このコロナ軽視・反ワクチン陰謀論の宮沢孝幸氏なんて、京都大学医生物学研究所附属感染症モデル研究センター准教授だから、感染症の専門家と名乗っていても詐称じゃないのが頭の痛い所。

 

そして自分が陰謀論者だと気づいてない(-_-;)。

 

 

 

 また東大などの研究によると、コロナ禍以降に新規にワクチン反対派になった人々は2022年3月から9月にかけて参政党のアカウントをフォローする率が急上昇しており、陰謀論やスピリチュアリティをきっかけとして反ワクチン的態度を持ち、さらに反ワクチンを掲げる参政党への支持を高めている傾向が顕著だそうです。

 前にお話ししたように「世界の真実に目覚めてしまった」、反ワクチンどころかマスクもしない小学校時代は親友だった同級生がいるんですが(-_-;)、あいつは離婚3回、自己破産1回、債務整理数えきれずやからなあ。

 私もどれくらい尻拭いしたことか。

 破産者って自分が何社からどれくらい借りてるか知らない、つまり自分の置かれた状況に向き合ってない人が多いんです。

自分に不都合な真実と向き合わないという点では、2020年の選挙で選挙不正があったのだ、俺は負けてないと言い続けているドナルド・トランプ氏とその信者が典型。

朗報!米コロラド州最高裁がトランプ前大統領の2024年コロラド州大統領選予備選への出馬資格認めず。2021年の連邦議会議事堂襲撃事件への関与が合衆国憲法修正14条の「反乱者」にあたると!

 

 

 筑波大の原田隆之教授(臨床心理学)は

「孤立感や劣等感を抱える人が『自分たちこそが真実を知っている』という優越感に浸っている。コロナ禍で不安や不満を募らせる人が増えたことも、拡散に拍車をかけている」

「荒唐無稽な主張と軽視していると、ゆがんだ正義感に駆られた人が手段を選ばずに暴走しかねない。正しい情報を伝え、一つずつ否定していくことが大切だ」

とおっしゃってるんですが、根気が必要ですね。。。

熟慮的思考(論理的思考や科学的思考を含む)を養うことが、むやみに陰謀論を信じるのを抑制しうる

と言うは易く行うは難し。

 彼ら陰謀論者って自分こそが論理的で科学的な思考をしていると信じ込んでいますので。

 学生時代にサークルの後輩が統一教会に「入信」してしまって、脱会させてあげることができなかったんですが、救うのは諦めて批判していくしか今のところない気がします。

トランプ氏の熱烈な支持者の元FOXのキャスターがロシアに乗り込み、ロシア政府の協力のもと、プーチン大統領に単独インタビューを敢行、近日中に放映しようとしている。

 

 

及川 順 | 2022/10/17

 

 

実は今宵も物凄い勢いで見知らぬ陰謀論者が自分のコメントを公開しろ、公開しろと、10回以上コメントして迫ってきています。

そのたびにスマホのブログアプリがピコンピコン鳴っちゃって(-_-;)。

ブロガーも楽じゃないよ!(笑)。

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親露アカウントの9割、過去に反ワクチン関連ツイート 東大大学院教授分析

 

鳥海氏は1月1日~3月5日にツイッターに投稿された約30万ツイートを調査。リツイートの傾向を①ロシアの侵攻について言及②戦争に反対③ロシアを批判④「ウクライナ政府はネオナチ」などと主張-の4つに分類し、分析した。

分析によると、「ウクライナ政府はネオナチ」という主張は確認されただけで228ツイートあり、1万907アカウントで3万342回リツイート。1アカウント当たりのリツイート数は2・8で、他の3傾向(1・4~1・7)より多くなっていた。

さらに、4分類された傾向をリツイートしたアカウントの過去の投稿を分析したところ、「ウクライナ政府はネオナチ」という投稿をリツイートしたアカウントのうち、87・8%が反ワクチン関連、46・9%が米国の陰謀論集団「Qアノン」に関連する主張を過去にリツイートしていた。

鳥海氏は「物事の裏にある真実を知った、と思ったときには注意が必要。優越感をくすぐったり不安につけ込んだりする偽情報や誤情報も世の中には多いことを意識する必要がある」と注意を促している。

 

 

反ワクチン団体「神真都Q会」、警察が動向注視…「闇の政府が支配」Qアノンの陰謀論拡散

 新型コロナウイルスのワクチン接種会場に侵入したとしてメンバー5人が逮捕された反ワクチン団体「 神真都やまと Q会」が今年1月、全国で同時開催したデモに約6000人が参加していたことが捜査関係者への取材でわかった。陰謀論を唱える「Qアノン」の日本支部を自称し、「プーチン大統領は救世主だ」などという主張も広めており、警察当局が動向を注視している。

 Qアノンは米国を中心に広がり、「ディープステート(闇の政府)が世界を支配している」「トランプ前大統領が救世主」などと主張する。政府や既存メディアの情報を信じない特徴があり、新型コロナウイルスのワクチン接種に反対している。

 捜査関係者によると、日本支部を自称する神真都Q会は昨年12月頃に設立された。SNS上では「ワクチン接種から子どもの命を守る」などと主張している。今年1月9日には全ての都道府県で接種に反対するデモを行っており、警察当局が確認したところ、参加者は中高年を中心に約6000人に上っていた。

 会員数は不明だが、LINE(ライン)の「オープンチャット」の登録者数は1万人を超える。東京都港区白金のマンションに事務所を置き、3月には組織を一般社団法人化した。

 3~4月には都内の複数の接種会場に押しかけ、「接種は犯罪だ」などと騒いだ。このうち渋谷区のクリニックに侵入したとして、「岡本一兵衛」と名乗る自称リーダーで元俳優の男(43)ら41~64歳の男女5人が建造物侵入容疑で逮捕された。

 その後の警視庁の捜査で、組織の実態が浮かんだ。運営方針は元俳優の男を含む幹部5人ほどでつくる「執行管理部」で決定し、デモを計画する「アライアンス部」や、チラシを配る「ポスティング部」のほか、地方での「村おこし」を目指す部署もあった。各地に支部を設け、リーダーらを任命しているという。

 ロシアによるウクライナ侵攻についても、SNS上で「プーチンは救世主だ」などとする投稿を繰り返している。会は5人の逮捕後に活動を中断したが、5月中旬から再開するとSNSで予告している。

 米国では昨年1月、トランプ前大統領を支持する群衆がワシントンの連邦議会議事堂に乱入して5人が死亡する事件があったが、暴徒の多くがQアノンの主張を口にしていたとされる。警察当局は、日本でも陰謀論が拡大し続ければ、過激な行動を起こすケースが出かねないとみている。

 陰謀論を信じる人の心理に詳しい筑波大の原田隆之教授(臨床心理学)は「孤立感や劣等感を抱える人が『自分たちこそが真実を知っている』という優越感に浸っている。コロナ禍で不安や不満を募らせる人が増えたことも、拡散に拍車をかけている」と分析。「荒唐無稽な主張と軽視していると、ゆがんだ正義感に駆られた人が手段を選ばずに暴走しかねない。正しい情報を伝え、一つずつ否定していくことが大切だ」と話している。

母が入会「人変わった」…高校生の息子困惑

 「普通の主婦だったのに、急に人が変わってしまったようだ」。母親が神真都Q会で活動している西日本の男子高校生(17)が取材にそう打ち明けた。

 母親は50歳代で、以前から精神世界への関心は高かったが、コロナ下で当初はしっかりマスクをつけ、家族にも着用を促していた。だが、昨年9月頃、「ワクチンには食塩水が入っている」と言い出し、年末にはマスクをせずに外出するようになった。

 知らない人が自宅に集まり、週末には旅館を借り切って行うという「合宿」に出掛けた。問い詰めると、母親は「神真都Q会で活動している」と明かした。

 「(トランプ氏が落選した)米大統領選はやり直しだ」などと言い、ロシアによるウクライナ侵攻が始まると「プーチン大統領は正義だ」と繰り返した。先月には接種会場への侵入事件でメンバーが逮捕され、母親が会から身を引くことを期待したが、「弾圧には屈しない」と、むしろ強硬な姿勢になったという。

 男子高校生は「どうしてこんなことになってしまったのか」と途方に暮れ、「他人に迷惑をかけることだけは絶対にしないでほしい」と願っている。

 

 


  • 当サイトで紹介しているプレスリリースの多くは、単に論文による最新の実験や分析等の成果報告に過ぎませんので、ご注意ください。  詳細

発表のポイント

  •  コロナ禍で初めてワクチン反対派になった人の特徴を分析し、陰謀論やスピリチュアリティに傾倒している人がワクチン反対派になりやすく、さらに参政党への支持を高めた可能性を示した。
  •  ワクチン反対派などの特徴を分析した研究は多く存在するが、本研究ではどのようにワクチン反対派に転じるに至ったかを時系列的な分析に基づいて明らかにし、さらにその政治的含意も示した。
  •  公衆衛生に対する脅威となりうる反ワクチン的態度の拡散を食い止めるための手がかりが得られ、将来のパンデミックに対して重要な教訓を得た。

 

パンデミックを経て新たに高い反ワクチン的傾向を持つようになったアカウントの特徴

 

発表概要

東京大学大学院工学系研究科の鳥海不二夫教授と、同大学未来ビジョン研究センターの榊剛史客員研究員、早稲田大学小林哲郎教授、筑波大学吉田光男准教授らによる研究グループは、コロナ禍におけるワクチンに関する大量のツイートを機械学習を用いて分析し、新たにワクチン反対派になる人の特徴を明らかにした。コロナ禍以前からワクチン反対派であった人々は政治への関心が高くリベラル政党とのつながりが強いのに対して、コロナ禍で初めてワクチン反対派になった人々は政治への関心は薄い一方で、陰謀論やスピリチュアリティ、自然派食品や代替医療への関心が強く、これらのトピックへの関心がワクチン反対派になるきっかけとなっていることを示した。さらに、新規にワクチン反対派になった人々は既存政党との結びつきが弱い一方、反ワクチンを掲げた参政党との結びつきを急速に強め、このことが2022年参院選における参政党の議席獲得につながった可能性についても明らかにした。既存研究はワクチン反対派の特徴を記述する研究が主流であったが、本研究はワクチン反対派になるきっかけを明らかにした点に新規性がある。さらに、将来のパンデミック再来に備えて、陰謀論やスピリチュアリティに対して警戒をすることが反ワクチン的態度の拡散防止に有効であるという示唆を得た点で大きな社会的意義がある。

 

研究の背景

新型コロナウイルスによるパンデミック下では、反ワクチン的態度が集団免疫の獲得を妨げ、公衆衛生に対する脅威になる。そこで反ワクチン的態度を持つ人々の特徴を記述する研究が蓄積されつつあるが、なぜ人がワクチン反対派になるのかという「きっかけ」に関する知見は不足していた。さらに、ワクチン反対派は特定の政党や政治家と結びつくことで政治的なインパクトを持ちつつあり、日本においても反ワクチン的態度の拡散がどのような政治的含意を持つのかを明らかにする必要があった。そこで本研究は、コロナ禍におけるワクチンに関する大量のツイートを分析することで、反ワクチン的態度を持つことになる「きっかけ」を明らかにし、さらにパンデミック下で新たにワクチン反対派になった人々が特定の政党を支持する傾向を強めたことで、ワクチン反対派が政治的に代表されるようになるプロセスについても明らかにした。

 

研究の内容

本研究はまず、2021年1月から12月までに収集された「ワクチン」を含む約1億件のツイートを収集し、機械学習を用いて「ワクチン賛成ツイート」「ワクチン政策批判ツイート」「ワクチン反対ツイート」の3クラスタを抽出した。次に、「ワクチン反対ツイート」を多くつぶやいたりリツイートしているアカウントを特定し、「ワクチン反対ツイート拡散アカウント」として定義した。そして、「ワクチン反対ツイート拡散アカウント」を多くフォローしているユーザを「ワクチン反対派」として定義した。

分析は主に3つの視点から行われた。第1に、ワクチン賛成派と反対派を比較し、反対派の特徴を明らかにした。第2に、コロナ禍以前から反対派であったユーザとコロナ禍以降に新規に反対派になったユーザを比較し、新規に反ワクチン的態度を持つようになったユーザの特徴からワクチン反対派になる「きっかけ」を明らかにした。第3に、政党やその党首のアカウントのフォロー率を分析することで、新規にワクチン反対派になったユーザの政治的特徴を明らかにした。

第1の分析からは、ワクチン反対派は賛成派と比べて政治的関心が強いことが明らかになった。右派的な傾向を見せるユーザもいるが、リベラルな傾向を見せるユーザの方が多数派を占める。一方、ワクチン賛成派はワクチンに関するツイートやリツイートはしているものの、主にゲームやアニメなど私的な趣味への関心が強く、政治への関心は弱かった(図1)。

 

図1:反ワクチン傾向が高いアカウントと低いアカウントの比較

 

第2の分析からは、コロナ禍以前からワクチン反対派であったユーザは特に政治的関心が強くリベラルな傾向を見せるのに対して、コロナ禍以降にワクチン反対派になったユーザは政治的な傾向が弱いことが明らかになった。一方、コロナ禍以降にワクチン反対派になったユーザは陰謀論やスピリチュアリティに関する単語がツイッターのプロフィール文に頻繁に表れることが明らかになった。例としては「三浦春馬」「集団ストーキング」「テクノロジー犯罪」「波動」「宇宙」「スピリチュアル」「柔軟剤」などが挙げられる。したがって、コロナ禍以降に新規にワクチン反対派になった人々は陰謀論やスピリチュアリティに対する関心がきっかけとなって反ワクチン的態度を持つようになった可能性が示唆される。

第3の分析からは、コロナ禍以前からワクチン反対派であったユーザは立憲民主党やれいわ新選組、日本共産党のアカウントをフォローする率が高いのに対して、コロナ禍以降に新規にワクチン反対派になった人々はこうした既存の政党をフォローする傾向が弱いことがわかった。しかし、コロナ禍以降に新規にワクチン反対派になった人々は2022年3月から9月にかけて参政党のアカウントをフォローする率が急上昇しており、陰謀論やスピリチュアリティをきっかけとして反ワクチン的態度を持ち、さらに反ワクチンを掲げる参政党への支持を高めた可能性が示唆された。

これらの結果は、コロナ禍における新たなワクチン反対派は政治的な傾向をベースにしたものではなく、陰謀論やスピリチュアリティをきっかけとしたものであることを示している。しかし、いったん反ワクチン的態度を持つようになると、反ワクチンを掲げる参政党への支持を強め、このことが2022年参院選における参政党の議席獲得に貢献した可能性がある。実際、参政党は国際ユダヤ資本などの陰謀論、「風の時代」などのスピリチュアリティ関連語を選挙キャンペーン中に用いており、こうしたトピックに関心を持つ人々に支持を訴えていた。このことは、陰謀論やスピリチュアリティをきっかけにワクチン反対派が国政において代表されるに至るプロセスを示している。

今後の展望

陰謀論やスピリチュアリティそのものは直接的に政治的含意を持たない場合もあるが、これらがゲートウェイとなって反ワクチン的態度を持つようになる人がいることが明らかになった。将来的なパンデミックにおける公衆衛生の維持のためには、陰謀論やスピリチュアリティが反ワクチン的態度の拡散につながらないように、その連関を断つような方法論が求められるだろう。また、本研究はツイートの観察的研究であり、因果効果について厳密な検証はできていない。この点については実験や社会調査を組み合わせた分析が必要となる。

発表者

東京大学

大学院工学系研究科

鳥海 不二夫 教授

未来ビジョン研究センター

榊 剛史 客員研究員

早稲田大学政治経済学術院

小林 哲郎 教授

筑波大学ビジネスサイエンス系

吉田 光男 准教授

論文情報

雑誌名:Journal of Computational Social Science

題 名:Anti-vaccine rabbit hole leads to political representation: the case of Twitter in Japan

著者名:*Fujio Toriumi, *Takeshi Sakaki, *Tetsuro Kobayashi, *Mitsuo Yoshida

DOI:10.1007/s42001-023-00241-8

URL:https://doi.org/10.1007/s42001-023-00241-8

研究助成

本研究は、JSPS 科研費若手研究(課題番号:21K17859、19K20413)、JST 未来社会創造事業(JPMJMI20B4)、JST RISTEX(JPMJRX20J3)の支援により実施されました。

 
 
 
 
横断幕を掲げデモ行進するトランプ支持者たち=東京駅周辺で2020年11月

 欧米から流れ込む陰謀論が日本でも拡大している。どうすれば陰謀論の拡大を防げるのだろうか。

 陰謀論の特徴は「すべての大事件は秘密裏に計画され、実行され、隠蔽(いんぺい)されている」と考える点だ。陰謀をたくらむのは大抵、既得権益を持つエリートという筋書き。一つの陰謀論を信じる人は他の陰謀論も信じる傾向が強い。

 例えば、トランプ前米大統領の選挙敗北を認めず、1月6日に米国の連邦議会議事堂に突入した「Qアノン」と呼ばれる陰謀論者たちの多くは主にこう信じていた。

 <連邦政府の中にエリートによる影の国家(ディープ・ステート)が存在し、共謀して政治を支配している。影の国家を倒すことができるのはトランプ氏だけで、トランプ氏と軍がいつか彼らを逮捕する>

 <大統領選の投票集計機がトランプ票をバイデン票に書き換える選挙不正が起きた。不正がなければ、トランプ氏が勝利していた>

 事実を認めない陰謀論者は民主主義を壊している。米国は相当深い病に侵されている、と思って帰国したら、日本でもトランプ氏の敗北を認めないトランプ氏支持者がデモをしていた。「アメリカ大統領選の決着はまだついていない」「これは善と悪との戦いだ!」などと書かれたプラカードを持っている。彼らはジャパニーズなので、QアノンをもじってJアノンと呼ばれるらしい。

 私は数百人のJアノンのデモと歩きながら、話を聞いた。多くが真面目で「熱い人」たちだった。中国とメディアに強い敵意を持っていた。40代の男性は断言した。「毎日新聞をはじめ、(ネット以外の)オールドメディアはフェイクだ」。新聞記者は確認した事実を報道している。しかし、彼らは自分たちが「真実」と思うことを書かないという理由で、新聞を「フェイク」と呼ぶのだ。

 デモで後ろから女性に怒鳴られた。「恥ずかしくないの? このプロパガンダ機関」。むっとした。「私はプロパガンダなんてしたことないです」「あんたがしたことなくても、上司や会社はしてるでしょ」「いや、していないと思います」。女性のけんまくに、さきほど取材した男性が気の毒そうに口を挟んだ。「あなたは人の陣地に入ってきたのだから、(こういう扱いを受けても)仕方ないよ。気をつけてね」。えっ、私は敵陣の中にいるのか? いつから私は彼らの敵になったのだろう? 悲しくなった。

 陰謀論者は「不正が実行され、隠蔽されている」と言う。実際、不正や隠蔽はある。私たちオールドメディアは、不正や隠蔽を暴くことが責務だと思って仕事をしてきた。十分に責任を果たせていないという批判は受け入れるが、「フェイク」と呼ばれるのはつらい。私たちは真実を見つけるための仲間なのに。

 知り合いにも陰謀論にはまった人がいる。「ワクチンを強制されたら会社を辞める」とまで言う。米国で耳にした「口論するな。人質を取って立てこもる犯人の説得にあたるネゴシエーター(交渉人)になったつもりで、会話を続けろ」というアドバイスにならい、知人と交信を続けてきた。しかし、知人が意見を変えることはない。

 「隠れた脳」の著者で科学記者のシャンカール・ベダンタム氏は米公共ラジオNPRで語った。「心理を理解することです。彼らがなぜそれを信じるのか、それを信じることが彼らをどのように支えているのか。それを信じることをやめたら、彼らはどれだけ苦しむのかを考えるのです」

不信感払拭へ道険しく

 米心理学会は英ケント大の陰謀論研究を紹介している。それによると、陰謀論者は三つの心理的動機を満たそうとしている。

 (1)知識への欲求。パンデミックやテロ事件が起きた理由を知ろうとする。間違った場所に答えを見つけてしまう人もいる。

 (2)安心したい欲求。自分が事態を制御できていないことについて、その説明を求める。

 (3)優越感への欲求。「他の人が持っていない情報を持ち、真実を知っている」と考えることで気持ちよくいられる。

 英国の研究では陰謀論対策は次の順番が効果的だという。

 (1)陰謀論に接する前に、正しい情報を与える。

 (2)世の中は陰謀論であふれているということを、教えて警告する。

 (3)陰謀論の内容に反論する。

 陰謀論や偽情報を、うそと知りながら意図的に発信・拡散する人もいる。動機は、サイトへのアクセス稼ぎ、金もうけ、政治的影響力の拡大、混乱を引き起こす、などだ。こうした発信源の封じ込めも重要だ。

 日本では誤った情報の拡散を防ぐために、市民やメディア、学者らがNPO「ファクトチェック・イニシアティブ」(FIJ)を組織している。ツイッター社は1月上旬からトランプ氏のアカウントを停止している。ツイッターは3月1日、コロナワクチンに関する陰謀論など偽情報を含む投稿に警告ラベルを付け、違反を2回繰り返すとアカウントを一時凍結、5回繰り返した場合は永久凍結すると発表した。

 陰謀論や偽情報がネットで人をとりこにする様は、過激派組織「イスラム国」(IS)が発信したプロパガンダに似ている。「インターネットやSNSを通じたプロパガンダを集中的に浴びると、早い人は数カ月で完全に洗脳されてしまう」。聖戦(ジハード)やテロ行為に身を投じた若者たちをカウンセリングするイスラム教の聖職者は、私にそう話した。

 ISが宣伝する教義を信じ込み、「西欧はイスラムの敵だ」と思い込まされた若者に「本当のイスラム教はそうは教えていない」とコーランを見せて諭しても、納得しないという。「いったん洗脳されると、そこから脱するには長い時間がかかる。とても難しい」。朗らかで柔和な聖職者が見せた苦悶(くもん)の表情を思い出す。

 民主主義と人命が陰謀論と偽情報によって、危機にさらされている。陰謀論者の政府やメディアに対する不信感は簡単に払拭(ふっしょく)できそうもない。長い闘いになる。【國枝すみれ】

 
 

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