
TPPに関しては山本農林水産省がおかしな発言を連発して審議がずれ込んでいますが、自民党と民進党で衆院の採決に合意したことには間違いありません。
民進党は結党以来のひどい決定をしたものです。
何度も書いているように、私はTPPの真の危険は、関税問題ではなく非関税障壁にあると思っています。
たとえば、国民皆保険制度が、アメリカの保険会社にとって医療保険を売り込むうえでの非関税障壁として変質・解体されてしまったり危険性があります。
TPP参加でアメリカの医療保険会社が我が国の医療に乱入し、国民皆保険制度と日本人の健康が崩壊する

また、日本の解雇規制など労働者保護法制が、これまたアメリカの人材派遣会社などが日本で活動するうえでの障壁とされてしまい、骨抜きにされるという問題です。
もちろん、食品や医薬品などの安全規制や表示が、非関税障壁とされる可能性があります。
マスコミが伝えないTPPの問題点。貿易障壁だとして、安全基準も健康保険も主権も奪われるかもしれない。

さらに、日本の裁判権という主権の一部が侵害され、政策がゆがめられる恐れもあります。
TPPの「毒まんじゅう」ISDS毒素条項で日本の脱原発を潰す方法
そもそも、自民党は2012年12月の安倍政権が成立した総選挙ではTPPに絶対反対と公約しました。
ところが、選挙で勝つといきなりTPP交渉には参加すると言いだしましたが、それでも関税問題では歯止めをかけると約束していたのですが、その関税さえ歯止めがかからない状況では、非関税障壁についてはどれだけ譲歩しているかわかりません。

よくもこれだけ盛大に嘘をついたものだ。
さて、TPPで関税が撤廃され、輸入品の値段が下がることは消費者としての我々にとっては基本的にはありがたいメリットです(安全面は置くとして)。
外食産業なども恩恵を受けますから、飲食をやっている私の友達なんかもそういう点は歓迎しています(輸入食品の安全面は問題!)
しかし、これは同時に日本の農林水産業が破壊的なダメージを受けるということを意味しています。
狭い国土でどうしても費用が掛かりがちな日本の農産物は、いくら付加価値があると言っても、価格競争ではアメリカやオーストラリアなどの産品にかないません。
だからこそ国内産業を守るために、各国がそれぞれ輸入品に関税をかけて、一方では税収を得るだけでなく、真の目的としては自国産業を保護しているのです。

それに、たとえば、農林水産業がダメになれば、肥料やエサを作っている企業、食料品を加工する企業や運搬する企業なども共倒れになることを忘れてはなりません。
日本の国内総生産に占める第一次産業の比率が低いと言っても、ここがコケたら、次々と連鎖反応で日本の産業が大打撃を受けるのです。

日米がTPP交渉で合意する コメさえ守れない安倍政権は日本の食糧安保と健康と安全と労働者の生活を破壊する
また、安倍政権はホルムズ海峡に機雷が埋められたら石油が輸入できなくなるので集団的自衛権を行使して自衛隊を派兵するのだ、などと説明しましたが、日本は食料の自給率がカロリーベースで40%を割っています。
つまり、日本は6割以上の食糧を海外からの輸出に依存しています。
島国である日本が中国などと戦闘状態になったら、周辺の海と空も危険な状態になり、食糧の輸入は非常に困難になります。そうしたときの場合を考えるのが食糧安保という考え方です。
アメリカの戦争を応援する話ばかりしていますが、まず、自分たちが食べるものを確保しないでいて、日本の防衛などナンセンスだということを知るべきです。
アメリカの干ばつで穀物相場急騰 忍び寄る食糧危機の足音 TPP参加は日本の食糧安全保障を脅かす
世界の土壌の4分の1が劣化で食糧危機(国連) 日本の食糧安全保障を危険にさらすTPP参加は許されない
世界の人口が70億人を突破 食糧安全保障の1点だけでもTPP参加はやめるべきだ


日本のカロリーベースの穀物自給率も食料自給率もEU平均の数分の1にすぎない。戦争を繰り返してきたヨーロッパ諸国はそこまで考えている。それをさらに減らしてどうする!
2013年に衆参両院は、コメや乳製品をはじめとする農産品5項目などの関税を維持するよう決議しています。農産品の5項目とはコメ、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖などの「甘味資源作物」で、政府はこれまで関税を撤廃したことがないのです。
ところが、たとえば、現在38・5%の牛肉の関税は16年間で段階的に9%まで引き下げ、その後問題なければゼロにします。豚肉は1キロ482円の関税を10年かけ段階的に50円まで下げます。1キロ524円以上の高価格帯の肉は4・3%の関税を10年で撤廃します。
関税が残ると言っても微々たるものですし、一部は衆参両院の議決に完全に違反していますね。ちなみに、鶏肉の関税も撤廃されます。
さらに、自民党が日本の農業にとって最も守るべきとしてきたコメについては、既存のWTO枠77万トンに加え、新たにアメリカから5万トン(13年目以降は7万トン)、オーストラリアから0.6万トン(13年目以降は0.84万トン)を関税ゼロで輸入することになりました。
国内ではコメの一人当たりの消費量が1962年のピークから半減し、今では年57キロになってしまいました。その結果、日本ではコメの在庫が増え、米価は下落し、田んぼが荒れています。
すでに日本の食糧安全保障は危機にさらされているのに、さらなる致命的な打撃を与えるのがTPPなのです。

TPPの最大のメリットの一つは、日本の輸出大企業が恩恵を受けるはずだということです。
ところが、たとえば日本経済の牽引車とされる自動車産業についていうと、今回のTPPの大筋合意で、アメリカの輸入自動車にかけられている2・5%の関税を25年かけてゼロにするということになっているのです。
1年に0・1%平均!
そもそも、トヨタなど自動車会社はもう日本の企業と言うより多国籍企業ですし、現地生産にシフトを移していますから日本国内で生産した自動車がアメリカに輸出される量がそれほど増えるわけではありません。
ですから、日本国内での雇用増大などのメリットは微々たるものです。
TPP、リスクとデメリットがメリットを上回りすぎているのではありませんか?

それさえアメリカの自動車業界や労働組合が反対していて、逆に軽自動車をなくせと言われているのですから、アメリカは本当にタフネゴシエーター(強硬な交渉者)です。
TPPの問題点を指摘し出したらきりがないと思うのですが、民進党は徹底抗戦できないのですね。
消費税増税見送り法案に反対することとともに、民進党の存在意義が問われる=存在意義はないということになるのではないでしょうか。
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