
消費税は逆進性があり、貧困率が史上最悪となった日本において、さらに貧富の格差を拡大するので、消費税増税はいかなる名目でも避けなければなりません。
貧困率過去最悪の16% 6人に1人は所得112万円未満 一人親世帯は半分以上貧困 子ども貧困率も最悪
ところが、今、まじめな方々が正面切って反対しにくい増税要因が二つあります。
「復興増税」と「税と社会保障の一体改革」です。
節電といい、復興増税といい、日本国民は人が良すぎるというか、下の毎日新聞など増税に賛成という人がどの全国紙の調査でも過半数になっています。
いつの間にか、この二つの大義名分で増税しなければいけないと国民はすり込まれてしまったわけですが、最終的に増税が必要なら、消費税より所得税・相続税の累進課税率を上げるなど、富裕層から税金を取るべきです。
税と社会保障の一体改革 富裕層の所得税・相続税を増税し、富裕税の創設を! 消費税増税は被災者直撃!!

政府は社会保障・税一体改革で消費税率を段階的に引き上げて10年代半ばまでに10%にすることを決めています。
野田首相は財務省公認候補といわれて民主党代表選に出た人ですから、根っからの消費税増税論者です。今はまだ時機にあらずとあまりはっきり言わないだけで、消費税増税を持ち出す機会を狙っています。
世論調査が復興増税に賛成と言うことであれば、それが所得税増税か消費税増税かで全く違うことをあまり意識しないまま、野田内閣に消費税増税で押し切られる可能性が高いのです。
このたび再開する政府税制調査会では 復興増税の期間と重なる可能性が高いため、消費税の当初の引き上げ分の一部を復興増税に回す代わりに所得税や法人税の増税を取りやめるなど、重税感を回避する案も検討されるでしょう。
それでは、この国の格差はますます増大するばかりです。

復興名目で消費増税したらどうなるのか。
再三述べてきた消費税の格差拡大のこと。
それから、消費税増税は被災者も直撃すること。
今回はそれ以外のマイナス要因、消費税増税は景気をますます悪くして、結局、国の税収を少なくしてしまう、という面を書きたいと思います。
実際、1997年に消費税率が引き上げられた際、三大税(所得税、消費税、法人税)の合計は、逆に下がってしまった。財政健全化を求めて「増税」をした揚げ句、減収になってしまったのである。当然の成り行きとして、財政は健全化されるどころか悪化しまったのです。
これぞ大蔵省・財務省の浅知恵でした。

総額20兆円超ともされる東日本大震災の復興財源を確保するために政府・民主党が検討する増税策をめぐり、第一生命経済研究所が、消費税増税と所得税・法人税増税のいずれの場合も日本経済に大きな影響を与えるとの試算をまとめています。
消費税増税の場合は短期間で大きな負担が生じ、震災でダメージを受けている日本経済の立ち直りを遅らせる。所得税と法人税を組み合わせた増税も負担が長期間にわたり拡大し続け、結果的にマイナス幅が大きくなります。
ただでさえ萎縮している国民の支出意欲を削ぐと、結局は増税分の効果がGDPの低成長により相殺され、政府の税収が前年比マイナスになってしまうのです。
| 消費税 | 所得税 | 法人税 | 三大税合計 | |
|---|---|---|---|---|
| 1997年 | 7兆4644億 | 20兆7104億 | 13兆5004億 | 41兆6752億 |
| 1998年 | 8兆4235億 | 17兆4210億 | 12兆0210億 | 37兆8655億 |
出所:国税庁
上記の通り、97年から翌年にかけ、消費税率アップで確かに消費税は増えたのですが、所得税と法人税は大きく落ち込みました。
つまり景気が極端に悪くなったのです。
結果として、3大税(消費税、所得税、法人税)の合計は、1997年が41兆円あまり、1998年が37兆円あまりと、4兆円近くも減少してしまったわけです。
そして恐ろしいことが起こります。

では、これから復興名目で増税したらどうなるか。
20兆円超の税収を得るために、仮に消費税を3年間3%増税した場合、確保できる財源は22.5兆円。その分“副作用は絶大です。
同研究所の試算では、増税しない場合と比較すれば、1年目は前年の駆け込み需要の反動もあり実質国内総生産(GDP)は1.2%減、個人消費は1.6%減が見込まれる。その後は消費意欲の冷え込みなどからマイナス幅は拡大を続け、3年目にGDPは2.4%減、個人消費が3.1%減と、1年目の2倍近くに達するのです。
他方、所得税を定率10%上げても、普通の家庭への負担はこの程度のものです。

今や、日本の家庭のちょうど真ん中の所得の世帯で年224万円!の所得である事を考えると、消費税増税に比べて一般庶民への影響は全くないと言っていいのです。
定率増税ではなく、私の主張するように、富裕層への所得税課税負担率を上げる累進課税率のアップなら一般庶民はむしろ減税になるでしょう。
国の収入を減らして自殺者を増やす消費税増税。
所得格差を減らして貧困層を救う所得税増税。
これらの事実を知っても、消費税増税に賛成する人など、富裕層以外はいないと思うのですが、いかがでしょうか。

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「増税シフト」鮮明に=政務三役はバランス考慮
新政権の陣容が5日、決まった。野田佳彦首相は副大臣・政務官人事でもバランスを考慮し、小沢一郎元代表に近い議員を前政権より格段に多く起用した。その一方で首相と同じ財政規律派を要所に配置し、「増税シフト」を鮮明にした。反増税派は警戒しており、首相のかじ取り次第では「挙党態勢」が揺らぐ可能性もある。
今年1月に発足した菅再改造内閣では、小沢氏系の副大臣・政務官は三井辨雄氏ら5人だったのに対し、今回は、副大臣に森裕子氏ら5人、政務官に福田昭夫氏ら8人が入った。党人事でも中堅・若手の小沢グループ「一新会」の会長を務める鈴木克昌氏が筆頭副幹事長に、小沢氏側近の樋高剛氏が副幹事長に収まった。
ただ、首相も勘どころは押さえており、党の「財布のひも」を握る財務委員長には、側近の一人の武正公一氏を充てた。
一方、前原誠司政調会長は5日の記者会見で、党税制調査会を新設し、会長に財政規律を重視する藤井裕久氏を充てると発表。政調会長代行に就いた仙谷由人元官房長官とともに、税と社会保障の一体改革を推進する態勢を整える意図がありそうだ。藤井氏の下で、東日本大震災の復興財源を確保するための所得・法人税増税の検討も加速するとみられる。
野田政権は、政府の政策決定に先立ち、党政調会長の了承を得る「事前審査制」を導入する方針。小沢氏も「政策調査会は大事だ」と周辺に語っており、税制をはじめ政策面では激しい党内論争が予想される。
このほか、代表選で決選投票を首相と争った海江田万里前経済産業相は衆院財務金融委員長に内定し、政策の立案・遂行からは外れた。決選投票で海江田氏に投じた馬淵澄夫元国土交通相は主なポストに就かなかった。入閣を断った岡田克也前幹事長は、鳩山由紀夫元首相や菅直人前首相らとともに党最高顧問となった。(時事通信 2011/09/05-19:22)
野田内閣の発足を受け毎日新聞は2、3日、緊急の全国世論調査を実施した。野田内閣の支持率は56%で、不支持率は14%。菅内閣退陣直前の支持率15%(8月20、21日調査)から回復し、支持率が不支持率を上回った。政党支持率も民主党が19%と、自民党の16%を逆転した。民主党の小沢一郎元代表の党員資格停止処分については「見直す必要はない」が75%に達し、「見直すべきだ」(21%)を大きく上回っている。(2面に関連記事と「質問と回答」)
社会保障や東日本大震災の復興財源として、消費税などを増税することの賛否を聞いたところ、「賛成」が53%に上り、「反対」は43%にとどまった。「原発に依存しないエネルギー政策」を打ち出した菅直人前首相の方針について、野田内閣も「引き継ぐべきだ」との回答が64%を占めた。
民主党の輿石東参院議員会長の幹事長起用については「評価しない」が46%に上り、「評価する」は41%にとどまった。小沢元代表の党員資格停止処分の見直しは、民主支持層でも69%が「見直す必要はない」と回答。支持政党なし層の77%が、見直しに慎重だった。
発足直後の内閣支持率としては野田内閣は歴代8位で、09年9月に発足した民主党政権では鳩山内閣の77%、菅内閣の66%を下回った。民主党への政権交代は「よかった」「よくなかった」とする回答がともに46%で並んだ。昨年8月の同様の調査では、「よかった」が62%を占めており、民主党政権に対する国民の期待感が薄れている現状もうかがえる。
民主党政権の首相が早くも3人目となったことを踏まえ、どこに問題があったかを聞いたところ、「民主党の体質」を挙げた人が38%で最多。次いで「国会や内閣の制度」(23%)、「首相個人の能力」(22%)、「自民党など野党の姿勢」(13%)の順だった。野田佳彦首相は自民、公明両党に対し、税制改正などに関する実務者協議機関の設置を提案している。自民党などと内閣を作る「大連立」について「賛成」は18%で、「政策ごとの協力でいい」の66%を大きく下回った。【影山哲也】
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原発事故で警戒区域などに指定されている福島県の一部地域は、今回の調査対象に含まれておりません。
毎日新聞 2011年9月4日 東京朝刊
財政健全化 消費税率引き上げへの道筋を(9月4日付・読売社説)
◆先送りは国家の信認揺るがす◆
先進国最悪の財政赤字を抱える日本の財政再建は待ったなしである。
国民の理解を得て、歳出カットや消費税増税などを着実に進めねばならない。野田首相は不退転の決意で臨んでもらいたい。
首相は新内閣発足後の記者会見で、「信用危機に陥らないよう、しっかり対応する」と述べた。
財務相と財務副大臣を2年務めた首相は、民主党代表選に出馬した5人の候補のうち唯一、東日本大震災の復興財源を確保するため、臨時増税の必要性を訴えた。財政規律を重視する姿勢は現実的で評価できる。
首相の姿勢は、代表選で復興増税に反対し、対立した海江田万里・前経済産業相と馬淵澄夫・元国土交通相を、新内閣に入閣させなかったことにも表れている。
首相の後を継いだ安住財務相は重責を担う。さっそく今週末、フランスで開かれる先進7か国財務相・中央銀行総裁会議(G7)に出席する。
◆G7で明確な方針示せ◆
日本の国債発行残高は2011年度末に約670兆円に達し、地方と合わせた長期債務残高は約900兆円と国内総生産(GDP)の約1・8倍にのぼる。財政危機に陥ったギリシャと比べても、はるかに深刻だ。
米格付け会社が8月、日本国債の格付けを引き下げた。日本の財政悪化に対する市場の目は厳しい。赤字国債頼みの放漫財政から脱却を急ぐべきである。
欧米の財政危機が主要議題となるG7では、野田政権の財政政策への関心も高い。財務相は就任後、「次世代にツケを残さないで財源を確保していく」と述べた。財政健全化へのより明確なメッセージを発する必要がある。
財政の基本は「入るを量りて、出いずるを制す」である。収入に応じて支出せよということだ。
しかし、鳩山、菅両政権では、事業仕分けなどで捻出するとした財源が確保できず、毎年の予算編成は土壇場まで迷走した。
◆復興財源どう確保する◆
新政権の試金石は、本格復興に向けた11年度第3次補正予算案と臨時増税への対応である。
政府の復興基本方針は、今後5年間で追加的に必要な復興費用を13兆円と見積もり、このうち10兆円程度を増税で賄う方向だ。
第3次補正予算案ではまず、被災地の復興に重要な事業を精査する。そのうえで、復興債を発行し、償還財源を増税で賄うことは有力な選択肢だろう。
菅政権では、所得税や法人税の増税案が浮上したが、景気への悪影響を抑えつつ、安定財源を確保することが肝要だ。広く負担を求めるには、消費税率引き上げを中心に検討すべきだ。
第3次補正予算案の早期編成と成立を目指す必要がある。
◆経済の司令塔が必要◆
大震災や超円高の影響で、日本経済の先行きは不透明だ。
財政再建が景気の足を引っ張る事態を防ぎ、財政再建と成長を両立させねばならない。
今回の組閣で見逃せないのは、首相が、古川国家戦略相に経済財政、社会保障と税の一体改革の担当も兼務させた点である。財政健全化には、相互に関連する経済政策との一体的な取り組みが欠かせないとの考えだろう。
首相は、乱立する政府の経済関連会議を統合し、官僚や民間人の知恵を結集できる新たな会議を発足させる構想も示している。首相主導で経済政策を立て直すための司令塔として生かすべきだ。
中長期的には、社会保障と税の一体改革が重要課題となる。
社会保障費は毎年1兆円の規模で増え続ける。政府・与党は、消費税を社会保障財源とし、10年代半ばまでに段階的に消費税率を10%へ引き上げる方針を決めた。
新政権は、震災復興の財源確保策とともに、消費税率の引き上げに向けた、具体的な道筋を早急に示してほしい。与野党協議で合意することを求めたい。
その前提として、民主、自民、公明3党合意に基づき、政権公約(マニフェスト)のばらまき政策を見直し、徹底的に歳出を削るのは当然である。
首相が歳出のムダを洗い出す行政改革の強化を打ち出しているのは正しい方向といえる。政府が自ら身を削る姿勢を見せなければ、国民は納得しまい。


