
裁判員裁判の被告3分の1が控訴 多くは量刑不服 2010/02/06 【共同通信】
裁判員裁判で審理された被告の約3分の1が判決を不服として控訴していることが6日、共同通信の集計で分かった。被告のほとんどは起訴内容を認めていたため、控訴理由は量刑不当が多いとみられる。控訴の割合は裁判官だけの裁判とほぼ同じで、市民参加の判断だからと言って納得する被告は少ないようだ。
今後は起訴内容を争う被告が多くなる見通し。検察側も含め控訴は多くなる可能性もある。
裁判員裁判は、昨年8月6日に東京地裁で最初の判決が言い渡されてから丸半年。判決は53地裁(8支部含む)で計214件(被告は223人)あり、うち確定・控訴が判明している1月15日までの判決145件(同149人)を集計した。
控訴した被告はいずれも実刑の48人(控訴率32%)。検察側の控訴はなく、判決確定は101人。
最高裁によると、裁判官だけで審理した08年の全事件の控訴率は11%で、裁判員裁判対象事件は35%だった。
私は今の裁判員制度は問題だらけだと思っていますが、その一つに、刑が重いということがあります。
世の中の厳罰化の流れが背景にあるとともに、はじめて市民が刑事事件に触れる衝撃もあり、裁判員が関わる判決の量刑が重いのです。今までの職業裁判官だけの判決より重い。
それは控訴率ではなくて、検察の控訴がただの一件もないことからわかります。検察の量刑感覚は十分満足させる判決が出ているということです。
裁判員以前から刑事裁判は検察主導という側面が強いのですが、裁判員裁判では完全に検察官の筋立てを市民が容認する儀式になってしまっています。兵庫で全国初の執行猶予判決が出たときに(うちの事務所の弁護士も弁護団でした)、ニュースになるくらいですから、まるっきり重い。
恐ろしいことに裁判員裁判で量刑が重くなると、全体の量刑が重くなり、裁判官たちも引くずられざるを得なくなります。
最高裁や法務省は何十億円もかけて裁判員制度を宣伝してきましたし、マスコミでもめったに裁判員裁判制度の問題点は指摘されません。軽い大政翼賛会状態です。
しかし、司法への市民参加、といって手放しで称えられるようなものではないのです。