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ウクライナ戦争5年目へ。国際社会で法の支配を破壊するプーチン大統領とトランプ大統領に抵抗するのは、国内で立憲主義を破壊する高市早苗首相に対抗するのと全く同じ意味を持つ。

トランプ大統領がプーチン大統領の要求通りの「和平」案をウクライナに押し付け。ロシア語公用語化とロシア正教会の優越的地位の受け入れ。ドンパス地方からウクライナ軍が完全撤退してロシアに割譲。ウクライナ軍の兵力半減と長距離ミサイルなどを武装解除。

 

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 今日2026年2月24日にウクライナ戦争は丸4年となり、5年目に突入しました。

 4年前にロシアのプーチン大統領が侵略戦争を開始したころ、すぐにも停戦をと、後の「即時停戦」を求める人たちがいたのですが、私はそういう人たちをこう言っていさめたんです。

「大国が小国に攻め込んだ時に、大国が小国を圧し潰すような結果であれば、戦争はすぐに終わってきました。

 しかし、アメリカがベトナムに攻め込んだベトナム戦争は8年、旧ソ連がアフガニスタンに侵攻した戦争は10年、アメリカがアフガンを攻めた戦争は大国が退くまでに20年かかりました。

 もし、小国が大国を押し返すような戦争なら、5年、10年は当たり前にかかるんですよ」

と。

 その通りになっているのがウクライナ侵略戦争です。

ロシアのプーチン政権が国連総会の「ミラノ五輪休戦」決議を無視。マイナス20℃に達するウクライナの首都キーウの発電施設を攻撃し、ウクライナ市民が1日2時間しか暖房できないようにする民族虐殺(ジェノサイド)攻撃。

 

 

 このウクライナ戦争は当初予想しなかったことがいくつも起きています。

 例えば、プーチン大統領にとっては最初にキーウに攻め込めばゼレンスキー大統領が海外に逃亡するか、そうでなくてもキーウは数日で落とせると思っていたようです。

 しかしそうはいきませんでした。

 逆に、欧米諸国の最先端の兵器をもってすれば、ウクライナはロシア軍を容易に撤退させられるという予想もありました。

 しかし、2023年のウクライナ反攻は失敗に終わりました。

 ロシアをこれだけ経済制裁すれば継戦は長く続かないという見通しもありましたが、中国やインドがロシア経済を支えていることもあって、ロシア経済がだんだん追い詰められてはいても、いまだにロシアが干上がったというようなことはありません。

NHKスペシャル「臨界世界 戦慄の占領地 “ロシア化”の実態」。「彼女の体には拷問の痕があり、DNA鑑定でようやく…」潜入した女性記者が死亡。ロシアが支配するウクライナ占領地の実態。

 

 

 それにしても、ウクライナが人口も経済規模も数倍のロシアにこれだけ抵抗し続けられるというのも予想外のことです。

 それだけ、ロシア軍による占領と支配がどれだけ恐ろしいか、ウクライナ人に恐怖が染みついているということもあるでしょう。

 逆にロシア軍が100万人以上の兵士を失ってもまだ攻勢をやめないでいられるというその封建社会のような社会の体質も予想以上です。

 プーチン大統領がロシア国内で行なってきた言論弾圧と専制支配は頂点を迎えており、4年間の戦争中にさらに深化していて、ベトナム戦争の時にアメリカ政府に方針転換させたような反戦運動がロシア国内で起こる可能性は見えません。

 あるとしたら、ソ連がアフガン侵攻で疲弊して軍を引き上げざるを得ず、その数年後にソ連が崩壊したようなパターンだけでしょうか。


プーチン政権によるウクライナ侵略開始から4年でロシア軍の死傷者は120万人。それでもプーチン大統領は停戦する気なし。「ロシア兵を死に導いているのはロシアだった」

小泉悠氏「ロシア軍のウクライナ戦争継続は1年が限度」。「2025年のロシアの国防関連予算は約13兆4909億ルーブル(約25兆円)で平時の4倍と途方もない額だ。もう長く続けられない。」

 

 

 そしてこの間に、親露派であることを隠そうともしないトランプ政権がアメリカ合衆国に誕生しました。

 反米拗らせ論者たちが言っていた、ウクライナはアメリカの代理戦争を戦っているなどという世迷言は全く通用しなくなりました。

 それにしても、親露派陰謀論者・反米拗らせ論者たちが5年目に入る戦争について、いまだに「即時」停戦を唱えているのは失笑物です。

 しかし、彼ら停戦真理教徒がウクライナに即時停戦=即時降伏を求める発信はさすがに表面上は著しく減りました。

 なぜなら、親露派のトランプ大統領がいくらロシア寄りの停戦案を出しても肝心のプーチン大統領が全く停戦する気がないことが誰の目にも明らかで、ウクライナ戦争停戦の障害がプーチン大統領その人だということも明白だからです。

 親露派陰謀論者たちはロシアが撤退する可能性がないから、人命尊重のため、ウクライナに停戦を求めるのだと無茶苦茶な理屈を並べてきたわけですが、実はプーチン大統領は撤退と同じく停戦もする気がないわけで、ウクライナに停戦を求めても無駄でナンセンスだからです。

トランプ氏、ウクライナに合意促す 米ロ首脳会談は停戦至らず | ロイター

ロシア軍が厳寒の真冬にウクライナ市民のインフラを攻撃するジェノサイド。プーチン大統領はウクライナ戦争の和平は断固拒否。ところがトランプ大統領は和平が遅れている原因は「ゼレンスキー」とまた言い出した(-_-;)。

 

 ロシアが作ったウクライナ戦争「和平」案でもロシアが拒絶。プーチン大統領はトランプ大統領に「ロシアは停戦に前向きだ」と思わせて、侵略戦争続行の時間稼ぎをしているだけだ。

 

 

 さて、大国による今後の侵略戦争を少しでも防ぐには、国際法秩序を守る法の支配の貫徹しかありません。

 国連憲章に違反するロシアの侵略戦争や、国際人道法に反するプーチン政権とロシア軍の戦争犯罪を許さないこと。

 長い目で見れば、国際社会の平和を少しでも維持するには不十分でも国際法を守り、不完全でも国連を支援していくしかないのは明らかです。

 ですから、例えばせっかくプーチン大統領やイスラエルのネタニヤフ首相に逮捕状を出した国際刑事裁判所(ICC)とその裁判官たちに制裁を加えているトランプ政権に断固抗議するような行動こそが、我々世界の市民に求められるもの。

 国内で日本国憲法を守って高市政権を正していくのと全く同じく、国際社会ではアメリカ、ロシア、イスラエルのような無法者たちの国際法違反行為を断じて許さないという行動をとっていくことがこれからますます大事になります。

ロシア軍がウクライナを侵略した占領地で男女の住民に性的拷問。性器に繰り返し電気ショック、殴る蹴るの暴行、目隠し、水責め。女性ジャーナリストも拷問死し遺体から眼球などが失われており、ロシア軍が死因を隠蔽

 

字面は良さげに見える「停戦」が、実はロシア軍によるウクライナ占領を恒久化させ、ウクライナ市民を余計に苦しめる。

ノーベル平和賞団体のマトビチュク代表「占領は戦争の一形態であり、そこでは暴力が続いています。強制移送、拷問、性的暴力、アイデンティティーの否定、強制的な養子縁組が起きるのが占領されるということです」

 

 

編集後記

「日本人は権威主義国家のナラティブに広く説得されることが明らかに」(早稲田大学・小林哲郎教授らの研究, 2025年3月発表)。親露派陰謀論者に象徴される「日本の民主主義社会の非自由主義的ナラティブに対する脆弱性」。

 

日本国内で自分は護憲派である、リベラルないし左派であると信じて疑わない人が、いつの間にか反米をこじらせて、法の支配そっちのけの親露派陰謀論者になっている。

あげくの果てには、国際法を踏みにじってやまないトランプ信者になる人さえいる。

これが今の世界で自由と人権を守る戦いの難しいところです。

 

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秋風亭遊穂師匠

 外国人をだまして前線に送り込む。兵士ではありませんでしたが、大日本帝国の軍隊も中国や朝鮮半島等の女性たち(未成年を含む)をだまして前線の日本軍兵士の性奴隷にしました。
 そのような外道が現在もクレムリンの侵略者によって繰り返されることの根底に、人命軽視は勿論、強い外国人差別意識もあって外道を正当化しているように感じます。ロシア軍によるウクライナ兵捕虜の虐殺などもその一例でしょう。
 今回も映像の持つ衝撃を感じてほしいです。体に爆薬を巻き付けられ、怒鳴られ、銃口で小突かれるアフリカ人の被害者、ロシア軍の外道を見逃すわけにはいきません。

ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵士供給に悩むロシアが行う「外道行為」の実態 (ニューズウィーク 2026年1月29日)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2026/01/585760.php

 だます手口について――、
 「ゲームやチャットのアプリなどを介して」、「偽の民間の仕事で誘い、月給2000ドルを提示することもある」、「ロシアの一部の地域では、市民が外国人兵士の勧誘に成功すれば報酬を払うという広告~ロシア人なら5万ルーブル、外国人なら15万ルーブル」・・・・外国人の方が高ければ、当然標的になるでしょう。

 そしてロシアのみならず、南アフリカではブローカーの存在も。前大統領の娘までもが刑事告発されたそうで、いかに腐敗が酷いのかということです。

 CNNの記事では――、
 外国人兵士の広がりはウクライナの調査によれば、128カ国・地域出身の1万8000人以上とされています。2025年は2024年と比べ2倍に増大、その2024年は前年の5倍に激増したとされます。

Facing a lack of Russian recruits, Moscow is accused of using deception and bribery to sign up foreigners to fight in Ukraine (CNN Nov 25, 2025)
https://edition.cnn.com/2025/11/25/europe/russia-recruits-foreign-fighters-ukraine-intl-cmd

 OpenMinds 社の調査によれば、兵士募集の広告について、「2025年半ばまでに軍事契約を宣伝する投稿の3つに1つが外国人向けになったが、わずか1年前は全広告のわずか7%だった。」
 と、外国人徴兵に頼らざるを得ない事態が数字となっていますが、その広告も、
 「兵が突撃部隊に送られることはなく、生命の危険が少ない特定の任務に配属されるという保証が含まれることが多いという。」
 という嘘まみれのものです。

 CNNの調査でも――、
 「傭兵志望者に対し、ロシアビザの迅速な取得、月2,000ドルから2,500ドル程度の給与、無料の医療、そして生活費全額負担の生活費を約束」
 「中国国民が署名したロシア軍の契約書には、兵士が3年間の勤務後に無償の教育を受けられることや、「食事、衣服、その他の物資」はロシアが負担するといった約束など、こうした特典がいくつか含まれている。」

 しかし、契約に同意すれば――、
 「戦闘に参加し、動員期間中、緊急事態および戒厳令、武力紛争中に任務を遂行し、国際平和と安全の維持および回復のための活動、またはロシア連邦領土外での主要な国際テロ活動に参加する」

 ロシアはウクライナ以外にも紛争地等へ兵士の派遣をしていますから、ウクライナで戦闘が終結したとしても解放される保証はないでしょう。クレムリンはシリアに代わる拠点をリビアに作ろうと、派遣する兵士の増強を画策しています。

Russia Eyes Libya to Replace Syria as Africa Launchpad (moscowtimes Jan. 11, 2025)
https://www.themoscowtimes.com/2025/01/11/russia-eyes-libya-to-replace-syria-as-africa-launchpad-a87573

 その他、だます手口を検索するときりがないですが、ひとつだけ。

ウソ広告でインド人を騙して、「ロシア兵」として前線に送る…新興国の若者を狙う「プーチンの罠」恐怖の手口 (PRESIDENT Online 2024/04/22)
https://president.jp/articles/-/80742

 だまされたネパールの男性は「ドイツで働くことができる」というYouTubeの動画を見てしまいました。担当者(実は工作員)から、経由のためロシアに一度飛ぶ必要があると告げられたのですが、経由地など普通にあることなので何も疑問に思わなかったようです。これは巧妙、狡猾ですね。
 モスクワで拘束されてしまい、そのまま前線に送られました。
 ロシアの地に降り立つことがいかに危険なのか。日本人だって例外ではないのです。

 

 

 

露軍が「人間狩り」、子供も女性も老人も殺人ドローンで狙い撃ち…「故郷を無人地帯にして奪おうとしている」

2026/02/19 05:00 読売新聞

【キーウ=倉茂由美子】ウクライナを侵略するロシア軍は、ドローン(無人機)を使い、民間人を狙い撃ちする攻撃も行っている。ウクライナ南部ヘルソンでは、露軍が占領するドニプロ川東岸から操縦訓練の一環としてヘルソンへの攻撃を繰り返しているとされ、その非道な手法は「人間狩り」と呼ばれている。

民間人を標的とした攻撃で負傷したミコラ・ベズディツニ。両脚には爆発物の破片などが残る(8日、キーウで)=関口寛人撮影


 「ほんの一瞬反応が遅れていれば、即死していた」。ヘルソン出身の農業ミコラ・ベズディツニ(56)は2月上旬、避難先のキーウで、手足に残る傷を見ながら恐怖の瞬間を振り返った。


 昨年8月下旬の早朝、市場で車に乗り込もうとすると、叫び声が聞こえた。「ドローンだ!」。見上げると、自分に向かって物体が降ってくる。反射的に身を投げ出したと同時に、約1メートル横で爆発が起きた。

 脚は折れ、爆発物の破片を浴びて体は血だらけになっていた。露軍の無人機攻撃では通常、救護に来る人を狙うため、別の無人機がすぐに襲来するか、すでに上空で待ち構えている。「自分で行くしかない」。窓ガラスが吹き飛んだ車に乗り込み、激痛をこらえて病院まで自力で運転した。

露軍の占領地域


 病院で同室だった8人は皆、露軍の無人機で襲われ負傷した住民だった。その病院も、入院中に攻撃に遭った。友人は路上を歩いているところを無人機で殺害された。長年営んできた川沿いの農地は最も危険な地域となり、近づくことすらできなくなった。

 

 今も100以上の小さな破片が体内に残り、痛む。「子供も女性も老人も、動く人間は全て殺している」。ベズディツニは怒りで声を震わせた。

温度感知し「在宅」見抜く
 ウクライナ南部ヘルソンで「人間狩り」と呼ばれる、ロシア軍が民間人を狙い撃ちするドローン(無人機)攻撃。英紙フィナンシャル・タイムズによると、露軍はドニプロ川東岸にドローン部隊を展開し、新型無人機を市民らの攻撃に使うことで操縦技術の訓練を積んでいる。ヘルソン州では、2024年の無人機攻撃による死傷者は883人、25年には1325人に上った。

「無人機がどんどん進化し、狙った人を確実に追い回して殺す。ロシアは殺人を楽しんでいる」。ヘルソン郊外アントニウカで露軍の無人機に襲われたハリナ・フバル(62)は、性能を上げていく無人機の恐ろしさを身をもって体験した。

露軍の無人機攻撃で両脚に重傷を負い、自宅も焼失したハリナ・フバル(左)と夫ミコラ(本人提供)


 24年12月、夫ミコラ(63)と歩いて自宅前にたどり着くと、帰りを待っていたかのように「ブーン」という羽音が聞こえ、屋根に止まっていた無人機が飛び立った。2人をめがけて爆発が起き、さらにもう1機も飛んできた。「とどめを刺そうとしている」。出血する脚を引きずりながら、2人は必死ではって家の中に隠れたという。


 この無人機は、当時露軍が使い始めた光ファイバー式のものだった。従来型のFPV(一人称視点)無人機は無線で操縦するが、妨害電波を出されると墜落する。操縦者と光ファイバーケーブルでつながる新型機はこの弱点を克服し、待ち伏せ攻撃などに利用されるようになった。

 従来の4倍の爆弾を搭載する無人機も現れ、殺傷能力が増していった。夜間には温度感知カメラが使われ、家の温度が高ければ在宅が見抜かれて攻撃を受けた。暖房の使用や料理も命がけになった。FPVの鮮明な画像は、ペットや家畜の餌の残量やしっぽの振り方まで見え、餌やりのタイミングを待ち伏せされて攻撃された住民もいた。
 明らかに軍人ではない高齢者や女性、子どもが次々に襲われ、脚や腕を失った。亡くなっても葬儀は行えず、遺体は庭先に埋めるしかない。フバル夫婦の自宅も焼失し、今は南部ミコライウの高齢者施設に身を寄せている。

 地元では今、住民10人ほどが残るだけだ。「無差別の虐殺行為で私の故郷を無人地帯にし、奪おうとしている」。ハリナは声を震わせた。

救急隊員も「格好の標的」に


ヘルソンで救命士を続けるウォロディミル・ハマハ(本人提供)


 負傷した市民を救助しに行く救急隊員も、露軍にとっては格好の標的となる。ヘルソンの救命士ウォロディミル・ハマハ(34)は、駆けつけた先や搬送中に何度も無人機攻撃にさらされた。救急車を1日3台破壊され、同僚の医師を亡くしたこともある。


 救急車には、無線式の無人機を感知するセンサーが設置され、無線を傍受して、無人機が映す映像をモニターで見ることができた。標的として自身の救急車が映った時には恐怖で震えるが、多少の逃げる時間は稼げた。だが、このセンサーでは光ファイバー式の無人機は感知できない。できる対策は、窓を開けて無人機の音に耳を澄ませ、空に目をこらすことくらいだ。

活動中に露軍の無人機攻撃を受けた救急車(提供写真)
 すでに同僚10人が辞めて街を去った。自身の妻や3歳の息子は、安全な地域に避難させたが、ハマハは故郷に残った。「住民がいる限り、自分はここで働く。生まれ育った街も人も、見捨てるわけにはいかない」(敬称略)

 

 

 

 

第1回侵攻4年、ウクライナ市民はいま 「和平交渉、とても考えられない」

有料記事

疋田多揚 藤原学思 長島一浩 朝日新聞
 

 ウクライナへの全面侵攻が始まってから4年。ロシアは占領地を広げようと攻撃を続け、和平交渉を仲介するトランプ米政権は、被害者のウクライナに譲歩を迫る。戦時下に暮らす人びとは何を思うのか。

ナターリア・ストルチさん(29) キーウ在住 「愛する人の死、どう理解すれば」

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兵士墓地で夫の墓参りをするナターリア・ストルチさん=2026年2月16日、キーウ、疋田多揚撮影

 夫が眠るキーウの墓地に来たのですが、昨日の大雪で、夫のお墓がどこなのかわからなくなってしまいました。ここには兵士の墓がたくさん並んでいるから。

 生花は高くて、この青い花は造花です。だけど赤いバラだけは造花を買いません。夫と2022年3月に初めてデートしたとき、もらったのが赤いバラだから。2週間ごとに供えに来るんです。

 ロシアの全面侵攻後、私は衛生兵に志願しようとしたのですが、夫は「自分が行くから」と制して、衛生兵として北東部ハルキウに送られました。24年3月に東部の戦線で行方不明になり、その9カ月後、遺体が確認されました。

 こうして墓参りに来ているのに、今でも捕虜交換のニュースがあると、夫がいるんじゃないかとテレビの画面に夫の姿を捜してしまうんです。(愛する)人がいなくなることをどう理解していいかわからない。

 和平交渉のことは、今はとても考えられません。夫だけでなく、親しい人や親類も埋葬されたから。かつてはカフェで働いていましたが、今は働く気になれないんです。

セベリン・ツィムバラさん(21) リビウ出身 「人命が最優先、領土諦めても仕方ない」

ここから続き

 2022年2月に全面侵攻が始まった当時、西部リビウに暮らす大学1年生でした。しばらくしてから、母と妹と一緒に国外に避難しました。

 それから長く故郷に帰れませんでした。戦時体制下で18~59歳の男性は出国が制限されていて、国に戻ると出ることができなかったのです。いまはオーストリアで大学生活を送っています。

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セベリン・ツィムバラさん=本人提供

 昨年8月に22歳以下なら出国できるようになり、年末に実家に帰りました。見慣れた木々があり、見知った友人たちがいました。ただ、毎朝9時に(戦死者らへの)黙禱(もくとう)の時間があり、「確かに戦争がある」と実感しました。

 終戦への希望は失ってはいませんが、この1年で薄れてしまいました。トランプ米大統領ならロシアに厳しく対応してくれると思っていましたが、現実は違いました。

 いまの私にとって「勝利」とは、ウクライナという主権国家が存在し続け、数十年とは言わずとも5~10年は平和が訪れることです。人の命が最優先であるべきで、(占領された)領土を諦めても仕方ないのではないかと思います。

ヤナ・バブロワさん(26) 東部戦線従事 「地雷爆発後に受けたプロポーズ」

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ウクライナ軍でドローン操縦士を務めるヤナ・バブロワさん=本人提供

 2024年春にウクライナ軍に志願し、いまは東部戦線でドローン(無人機)操縦士をしています。男性でも女性でも、等しく役に立つことができると信じています。

 前線では、人員も兵器も不足しています。ドローンの応酬は激しくなり、物資供給のための車もほとんどが標的になってしまいます。くり返される爆発、仲間の死と葬儀は、精神的にきつい。私自身もドローンに追いかけられ、10キロ走って逃げた経験があります。

 この1月に同じく兵士の男性と結婚しました。約1年前、東部ポクロウスクにいた際に地雷が近くで爆発し、2人で逃げ込んだ先の建物でプロポーズされました。

 戦争で多くの仲間が亡くなりました。もう誰も死んでほしくない。何らかの合意をロシアと結ばなければいけませんが、領土の放棄はばかげた考えだと思います。

 戦争がすぐに終わるとは思っていませんし、長期化への備えはできています。ただ、5年後には、みんなが家族のもとに戻り、再侵攻を気にせずに暮らせるようになってほしいです。

ユーリー・コソホンさん(71) キーウ在住 「誰が戦争始めたか、思い出して」

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ユーリー・コソホンさん=2026年2月17日、ウクライナ・キーウ、長島一浩撮影

 キーウにあるマイダン(独立広場)で、亡くなった兵士の写真を見る度に思うのです。「ああ、こんなに若い子たちが」と。涙が出てきます。

 いま私が抱いている感情は、とてもネガティブです。ウクライナの至るところで家屋が破壊され、民間人が殺され、この冬は暖房も水道も十分ではありません。

 妻と暮らし始めて35年になりますが、最大の喜びは、夜に静かに眠れることです。ミサイルも爆弾も落ちないこと。それ以外は望みません。息子家族がノルウェーにいて、「おいで」と言ってくれます。ただ、慣れ親しんでいるウクライナから離れたくありません。

 ウクライナが独立した直後は「良かった」とは思えませんでした。ただ、いまはロシアの法律に支配されないことのありがたみを感じています。

 トランプ米大統領は、プーチン(ロシア大統領)の機嫌取りばかりをしているように見えます。でも、誰がこの戦争を始めたのか。プーチンなのです。常にそれを思い出す必要があります。次の1年で戦争が終わってほしいと切に願います。

 

 

 

 ウクライナへの全面侵攻が始まってから4年。ロシアは占領地を広げようと攻撃を続け、和平交渉を仲介するトランプ米政権は、被害者のウクライナに譲歩を迫る。戦時下に暮らす人びとは何を思うのか。

レシャ・ザラノウスカさん(39) ザポリージャ在住 「6歳の娘、ミサイルやドローンに詳しく」

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レシャ・ザラノウスカさん=2026年2月15日、キーウ、長島一浩撮影

 中南部ザポリージャで心理療法士をしています。私も含め、同僚や知人も9割ほどが抗うつ剤を服用しています。今のような日々がどこかの時点で終わってほしい。そう望むほかありません。

 トランプ氏が米大統領になってからの1年間で、平和が近づいたとは言えません。むしろ、前線がザポリージャに近づいてきています。

 6歳の娘には、ウクライナが平和だった時の記憶がありません。空に、恐れなくてもいい民間の飛行機が飛ぶことを知らないんです。弾道ミサイルやドローン(無人機)、誘導爆弾がどんな兵器かに詳しくなってしまいました。

 それでも私がウクライナを離れないのは、この国に愛着があり、ホーム(故郷)だからです。慣れ親しんだ家族や人びとがいて、慣れ親しんだ土地や空気があるからです。

 奪われた土地を容易に取り戻せないことはわかっています。ただ、「一刻も早い平和のためなら諦めても仕方がない」とは思えない。これまでの歴史から、単なる一時的な戦闘の停止はロシア軍にとって「休息」に過ぎないと思うからです。

ワシーリ・リサークさん(21) キーウ在住 「あすさえわからず、希望小さく」

ここから続き

 料理が趣味なのですが、最近はカップ麺を食べることが増えました。停電しても、魔法瓶に入れた熱湯で作ることができるからです。この冬は1日の停電が20時間になることもあります。

 キーウ国立大で日本語を学んでおり、修士課程に進む予定です。将来の夢は、大学で日本語を教えること。着々と歩めていると感じています。

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ワシーリ・リサークさん=2026年2月16日、ウクライナ・キーウ、長島一浩撮影

 ただ、戦争の終わりが見えません。あすはどうなるのかさえわからず、希望が徐々に小さくなっていると実感します。夜中の攻撃で目を覚ますこともしばしばあり、廊下にマットレスを持って行って横になります。

 「少なくとも、(私の)この命だけは奪われたくない」。そんな思いで日々を過ごしています。

 日本の支援には感謝しています。昨年に5カ月間、交換留学生として東京都内で暮らしました。スーパーで高齢の女性から出身を尋ねられ、ウクライナだと言うと、2千円を差しだされました。断ると、ポップコーンとクッキーをくれました。あの優しさが忘れられません。博士課程は日本で学びたいです。

アリオナ・ゾロタリオワさん(48) マリウポリ出身 「占領された故郷、帰れると思えない」

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アリオナ・ゾロタリオワさん=2026年2月14日、キーウ、喜田尚撮影

 ロシアの侵攻が始まって5日目に、東部ドネツク州のマリウポリから脱出しました。避難は困難でしたが、それでも幸運でした。マリウポリはその後、激しい攻撃で完全に破壊されてしまったのですから。

 両親は今もマリウポリにいます。通話はVPN(仮想専用回線)でSNSアプリを使わないとできません。マリウポリでは今、2日置きにしか水道の水が出ません。停電もしばしばです。

 占領地を逃れてウクライナが支配する地域へ向かうことは、以前よりもさらに困難になりました。一方、避難した私たちは蓄えてきた財産をすべて失いました。私はキーウに住んで英語の個人授業で生計を立てていますが、アパートの家賃を払うのも大変です。

 侵攻3年目まではいつか帰れると思っていましたが、今は、そう思うのも難しいです。

 米国はウクライナを強く支援してくれました。その米国が民主主義の理想(を追求するの)ではなく、ビジネスと取引の国になるなんて信じられません。今は私たち自身が強くならなければならないと思います。

ユーリー・マツァルスキーさん(45) キーウ在住 「長期戦を前提に生きていく」

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ユーリー・マツァルスキーさん=2026年2月17日、キーウ、長島一浩撮影

 舞台の上でも軍人です。2024年に始動した退役軍人が所属する劇団に入っています。上演作品「軍人の母」で欠員が出たことをきっかけに、兵士役として、舞台に立つことになりました。

 塹壕(ざんごう)、戦友、前線の空気など、舞台上で描かれる状況は、日常そのものでした。不確かな未来の中で、自分の経験に意味を見いだすような感じでした。

 ロシアの侵攻が始まった2022年2月、軍入りを志願しました。赴任地のドネツク州バフムートでは激しい戦闘が続き、街の大部分はすでに住民が避難し、放棄された状態でした。

 極寒の中、寝袋に入って眠ると、水の入ったボトルは完全に凍りました。前夜まで宿営していた建物に戻ると、ロケット弾が着弾し、完全に破壊されていました。

 恐怖はありましたが、志願したことを後悔したことはありません。その後、ぜんそくや胃潰瘍(かいよう)など健康上の理由で前線の勤務が不適格となりました。

 前線にいた最初の2年間は、「あと少しで戦争は終わる」という感覚が常にありました。しかし前線から外れ、全体を見る立場になると見え方が変わりました。

 長期戦になる。この認識が、この1年で明確になった最大の変化です。特定の町を奪還すれば終わる、いまは、そうした期待は、もはや持っていません。長期戦を前提に生きていく覚悟です。

オレーナ・スキチュクさん(43) キーウ近郊ボリスピリ女性「行方不明の一人息子が帰ってくるまで」

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オレーナ・スキチュクさん=2026年2月20日、キーウ郊外ボリスピリ、長島一浩撮影

 一人息子オレクサンドルの情報を探しています。

 ロシアが侵攻した4年前の2月24日明け方、キーウ近郊のシェルターで、一緒に避難していた彼は領土防衛隊に志願して地元を守ると言って外に出ていきました。彼は当時、エレキギターを弾く18歳の学生。私はもちろん止めたけれど、彼は「ここで戦争が終わるまで家族と座っているわけにいかない」と言いました。もう大人だったから、彼を止めようはなかったと自分に言い聞かせています。

 やがて兵士として送られ、2023年9月、東部ドネツク州の前線で仲間とともに行方不明になりました。

 私は行方不明兵士の家族で作る団体に入り、ロシア軍に情報を求めたり、捕虜交換があるたびに、息子たちの写真や名前を見せたりして、断片的でもいいから手がかりを探し続けています。

 息子が行方不明になった地はウクライナが取りかえしましたが、砲撃が激しくて近づくことができません。

 私にとっての終戦は、息子たち行方不明兵が全員帰ってくることです。

 

 

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