

ロシアのプーチン大統領が年末の記者会見でもウクライナ侵略戦争について「我々は人々の死について責任があるとは考えていない。なぜなら我々がこの戦争を始めたわけではないからだ」とうそぶく(呆)
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やっと世界情勢について書けます。
世界では冬季ミラノ・コルティナ五輪が始まっているわけですが、この極寒の中、ウクライナの発電施設を攻撃するロシアのウクライナ侵略が止まりません。
イタリアのアボーディ・スポーツ担当相はミラノ・コルティナ冬季五輪の開催に合わせ国連総会が「五輪休戦」決議を採択したにもかかわらず、ロシアがウクライナへの攻撃を続けていると非難しました。
そして、ロシア勢に国を代表する形での出場を認めないとした国際オリンピック委員会(IOC)の判断を支持すると共同通信のインタビューで述べています。
また同大臣は2022年北京冬季五輪・パラリンピックの「休戦」期間中にウクライナ侵略を開始したことについても
「五輪休戦を踏みにじった意味は大きい」
と強調しました。

ロシアのミサイル攻撃で損傷した火力発電所=キーウで2026年2月4日、ロイター

ロシア軍の攻撃で被害を受けた、ウクライナの火力発電所を歩く従業員。場所は非公開。2026年2月2日撮影。REUTERS
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は2月7日、ロシア軍が2月6日夜~7日未明に400機以上の無人機とミサイル約40発でエネルギー関連施設を集中攻撃したと発表しました。
ウクライナで厳しい寒さが続く中、ロシア軍が暖房設備の稼働を妨げることでウクライナ市民と軍の士気を低下させる狙いがありますが、もちろん、酷寒のウクライナの電力発電を止めようとする攻撃はジェノサイドにあたります。
ゼレンスキー大統領によると、主な標的は電力網や発電施設、変電所で西部のリビウ州やボリン州などで被害が確認されたのですが、使用された無人機の大半はイラン製のシャヘドだったとしています。
そのイラン政府は先日の反政府デモで数万人の市民を射殺したとされていますね。
イラン政府はロシア軍によるウクライナ侵略の当初からドローン兵器などをプーチン政権に供給しており、北朝鮮とロシアと同じく、まさに専制国家同士の殺戮連合結成です。

2026年2月7日、ウクライナ・キーウで、政府が運営する住民支援テントで食事を受け取る人たち(ロイター=共同)
イラン反政府デモの死者が少なくとも1万2千人に!?最高指導者ハメネイ師の命令で市民を射殺。しかし「奪い取れ」「助け来る」と妄言を吐くトランプ大統領は絶対武力介入するな。
さて、ウクライナのシュミハリ第1副首相兼エネルギー相はロシア軍の攻撃によりウクライナ全土で停電が相次いだと表明し、電力会社ウクルエネルゴが隣国ポーランドに支援を要請したと説明しました。
また、ウクライナの首都キーウのクリチコ市長は2月8日、大寒波の到来が予想され
「今後数日間は電力供給が非常に厳しくなる」
と投稿しました。
ちなみに、キーウの気象当局は、夜間の気温を氷点下20度前後と予測しています。
それなのにキーウでは現在1日2時間程度しか電力が供給されておらず、当然暖房もできず、ロシア軍の攻撃でその状況がさらに悪化する可能性があるというのです。
プーチン政権のジェノサイドはイスラエルのネタニヤフ政権の水責め食糧責めに勝るとも劣らぬ鬼畜の所業と言えるでしょう。

ロシア軍の攻撃によって大きな被害が出た発電所の復旧に当たる作業員=ウクライナ首都キーウ/Volodymyr Tarasov/Ukrinform/NurPhoto/Getty Images

ロシアによるエネルギー施設攻撃で電力を繰り返し断たれる中、温かい食事を求めて列をつくるウクライナ市民=2026年2月8日、キーウ(AP=共同)


ロシア軍が2026年2月6日夜から7日未明にかけて400機以上のドローン(無人機)と約40発のミサイルでエネルギー施設に大規模攻撃を行ない停電し、暖房も止まったた住宅。キーウで撮影(2026年 ロイター/Gleb Garanich)
米ウ首脳会談を前に、ロシアのプーチン大統領が「ウクライナが平和的解決を望まない場合、直面する全ての問題を『特別軍事作戦』という武力で解決する」と脅迫し、キーウに無差別攻撃。
さらにゼレンスキー大統領は、送電設備が損傷したため原子力発電所の発電量が制限されたと発表。
国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は
「送電網の状況悪化は原子力の安全を損なう」
と指摘して、ロシア側に攻撃を抑制するよう要求しました。
もちろん、原発攻撃はジュネーブ協定で禁止される国際法違反行為であり、戦争犯罪です。
プーチン政権のウクライナ侵略自体が国連憲章に反する国際法違反であることは言うまでもありませんが、そのプーチン政権の国際法違反行為で始まったウクライナ戦争の中でもロシア軍は国際人道法に反する戦争犯罪を日々犯し続けているのです。

ロシア軍の攻撃で一時外部電源を喪失したウクライナ北部チョルノービリ(チェルノブイリ)原発
最初からウクライナと和平などする気がないプーチン大統領が「ロシアは軍事的手段で自らの歴史的領土を解放する」と語り、ウクライナはロシアの歴史的領土だと宣言(呆)。
ところで、ロシアの国営タス通信は投開票に先立ち配信した記事で、今回の衆院選での高市自民党の公約が
「過去の公約とは異なり、対露制裁やウクライナ支援の必要性に言及していない」
と指摘し、ロシアに関しても
「日本の防衛力強化」
という文脈でのみ言及されていると伝え、歓迎しています。
そういえば、2025年10月24日に高市首相が臨時国会の冒頭で行なった所信表明演説にも岸田文雄元首相や石破茂前首相の演説にはあった
「ウクライナ支援を続け、対露制裁を維持する」
との趣旨の文言がなかったとして、ロシアのペトコフ大統領報道官が評価しました。
そして高市首相の演説の中に日露が領土問題を解決して平和条約を締結するとあったことを取り上げ、
「こうした声明は歓迎できる。我々も日本との平和条約締結を望んでいる」
とわざわざ言ったんです。

ロシアのペトコフ大統領報道官。
ロシアが作ったウクライナ戦争「和平」案でもロシアが拒絶。プーチン大統領はトランプ大統領に「ロシアは停戦に前向きだ」と思わせて、侵略戦争続行の時間稼ぎをしているだけだ。
2025年7月の参院選では、ロシアのスプートニクが参政党のさや候補のインタビューを配信するなど、ロシアによる参政党推しが行われたと言われています。
トランプ大統領とプーチン大統領がヨーロッパの極右勢力を公然と、また陰で支援していることはよく知られていますが、極右であることなら誰にも負けない高市早苗首相の勝利を、ロシアはどうも歓迎しているようです。
それは、ロシアのアセット(資源)と言われるトランプ大統領に高市首相なら絶対逆らえないとプーチン政権が見抜いているからかもしれません。
しかし、高市首相が中国に対して国際法を守れ、法の支配を尊重しろというのであれば、ウクライナを侵略中のロシアに対してはもちろんのこと、ベネズエラやイランに違法な武力行使をし、軍事力を使ってでもグリーンランドを手に入れると威嚇するトランプ大統領に対しても、法の支配の貫徹を求めるべきです。

高市早苗首相がトランプ米政権による国際法違反のベネズエラ攻撃と大統領夫妻拉致について非難せず。そんな高市首相に中国による台湾有事云々を語る資格はない。

この写真は2026年2月7日、停電が深刻になる中、暖かい食事を振る舞うボランティアと市民たちの様子。
この記事を書き出してからやっと出会えたウクライナ市民の笑顔なので、皆さんにもおすそ分け。
編集後記

【#安倍晋三が諸悪の根源】「外交の安倍」は嘘っぱち。プーチンにやらずぼったくられ、トランプから兵器を爆買い、習近平に媚び媚びでコロナまん延。だから安倍国葬にはG7から首脳が一人も来なかったのだ。
それにしてもロシアが反ロシアのはずの高市首相に妙に好意的なのは不思議ですが、プーチン大統領と27回も首脳会談してやらずぼったくられた安倍晋三首相の後継者ということで、またぼったくれると期待しているのでしょうか。
そして実は、ロシアが高市批判をあまりしないことに私が気づいたのは、この衆院総選挙の間、仮にもリベラルないし左派のはずの親露派陰謀論者たちが全く高市政権の批判をしなかったからなんです。
そもそもロシアによる侵略戦争が可能になったのは、プーチン政権による国内の言論弾圧が徹底していることもあります。
所詮、力の信奉者でしかない親露派陰謀論者たちは、高市首相を勝たせて日本の言論が封殺されたら、もうそれこそ日本も「新しい戦前」になるという危機感もなかったのでしょう。
残念な自称護憲派・平和主義者たちであることよ(-_-;)。
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2026/02/05

インタビューに答えるイタリアのアボーディ・スポーツ担当相(共同)
【コルティナダンペッツォ共同】イタリアのアボーディ・スポーツ担当相は5日までに、ミラノ・コルティナ冬季五輪の開催に合わせ国連総会が「五輪休戦」決議を採択したにもかかわらず、ロシアがウクライナ侵攻を続けていると非難した。ロシア勢に国を代表する形での出場を認めないとした国際オリンピック委員会(IOC)の判断を支持すると共同通信のインタビューに述べた。
2022年北京冬季五輪・パラリンピックの「休戦」期間中に侵攻を開始したことについても「五輪休戦を踏みにじった意味は大きい」と強調した。
IOCが国としてのロシアに厳しい措置を取ることに理解を示す一方、ロシアや同盟国ベラルーシ勢に中立選手(AIN)としての参加を認めたのは「選手個人を尊重したものだ」と指摘した。
パレスチナ自治区ガザを大規模攻撃したイスラエルの選手が無条件で参加できることから「二重基準」と批判が出ていることに関しては、ガザのイスラム組織ハマスが最初に襲撃しておりイスラエルは「被害国でもある」と主張。ロシアとは違うとしてIOCを擁護した。
© 一般社団法人共同通信社

【キーウ=共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は7日、ロシア軍が6日夜〜7日未明に400機以上の無人機とミサイル約40発でエネルギー関連施設を集中攻撃したと交流サイト(SNS)で発表した。厳しい寒さが続く中、暖房設備の稼働を妨げることでウクライナ側の士気を低下させる狙いがある。
ゼレンスキー氏によると、主な標的は電力網や発電施設、変電所。西部のリビウ州やボリン州などで被害が確認された。使用された無人機の大半はイラン製のシャヘドだったとしている。
シュミハリ第1副首相兼エネルギー相は全土で停電が相次いだと表明。電力会社ウクルエネルゴが隣国ポーランドに支援を要請したと説明した。
ゼレンスキー氏は、送電設備が損傷したため原子力発電所の発電量が制限されたと説明。国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は「送電網の状況悪化は原子力の安全を損なう」と指摘し、ロシア側に攻撃を抑制するよう要求した。
ウクライナではロシア軍によるインフラの破壊に伴い、停電が常態化。ロシアはトランプ米大統領の要請を受け、ウクライナの首都キーウなどへの攻撃を1日まで停止した一方、各地への空爆や無人機攻撃を続けた。
ロシア、エネ関連施設に集中攻撃 無人機400以上とミサイル使用
2026/02/08

7日、ウクライナ・キーウで、政府が運営する住民支援テントで食事を受け取る人たち(ロイター=共同)
【キーウ共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は7日、ロシア軍が6日夜~7日未明に400機以上の無人機とミサイル約40発でエネルギー関連施設を集中攻撃したと交流サイト(SNS)で発表した。厳しい寒さが続く中、暖房設備の稼働を妨げることでウクライナ側の士気を低下させる狙いがある。
ゼレンスキー氏によると、主な標的は電力網や発電施設、変電所。西部のリビウ州やボリン州などで被害が確認された。使用された無人機の大半はイラン製のシャヘドだったとしている。
シュミハリ第1副首相兼エネルギー相は全土で停電が相次いだと表明。電力会社ウクルエネルゴが隣国ポーランドに支援を要請したと説明した。
ゼレンスキー氏は、送電設備が損傷したため原子力発電所の発電量が制限されたと説明。国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は「送電網の状況悪化は原子力の安全を損なう」と指摘し、ロシア側に攻撃を抑制するよう要求した。
ウクライナではロシア軍によるインフラの破壊に伴い、停電が常態化した。
© 一般社団法人共同通信社
2026/02/09

ロシアによるエネルギー施設攻撃で電力を繰り返し断たれる中、温かい食事を求めて列をつくるウクライナ市民=8日、キーウ(AP=共同)
【キーウ共同】ロシアの侵攻を受けるウクライナの首都キーウのクリチコ市長は8日、大寒波の到来が予想され「今後数日間は電力供給が非常に厳しくなる」と通信アプリに投稿した。気象当局は、夜間の気温を氷点下20度前後と予測。キーウでは現在、1日2時間程度しか電力が供給されていないが、さらに悪化する可能性がある。
ゼレンスキー大統領は、キーウのエネルギー事情が国内で最も深刻だとの見方を示した。キーウで暖房や電源を備えた約200の避難所が運営され、1日で約9千人が利用したと述べた。
© 一般社団法人共同通信社
「公約に対露制裁言及なし」ロシアメディア、与党勝利を速報 関係改善への期待も示唆
2026/2/8 22:31 産経新聞

報道各社の取材に応じる自民党総裁の高市早苗首相=2月8日午後、東京・永田町の党本部(相川直輝撮影)
8日に投開票された衆院選で、自民党と日本維新の会の与党が過半数の議席を獲得する見込みとなったことをロシアのメディアも速報した。露メディアはまた、今回の衆院選で自民党が掲げた公約に「(ウクライナ侵略を巡る)対露制裁やウクライナ支援に関する文言がない」とも指摘。第二次大戦後で最悪の水準にある日露関係が改善することに一定の期待感もにじませた。
国営タス通信は投票終了後、与党が過半数の議席を獲得して勝利する見通しだと速報。日本メディアの出口調査を引用しつつ、自民党が単独で過半数を獲得し、与党が全議席の3分の2以上を確保する可能性もあると伝えた。
タスは投開票に先立ち配信した記事で、今回選での自民党の公約が「過去の公約とは異なり、対露制裁やウクライナ支援の必要性に言及していない」と指摘。ロシアに関しても「日本の防衛力強化」という文脈でのみ言及されていると伝えた。
ただ、ロシアのある日露関係研究者は産経新聞の取材に「高市早苗政権が選挙で勝利しても、直ちに対露関係の改善に動く可能性は低い」との見方を示した。
ロシアはウクライナ侵略に伴い対露制裁を発動した日本を「非友好国」に指定。日露平和条約交渉の中止を一方的に発表したほか、日本の政府やメディア、企業関係者ら多数を入国禁止にした。(小野田雄一)
ロシア、平和条約に言及した高市首相の演説を「歓迎」 関係改善に一定の期待示す
2025/10/24 20:28 産経新聞
ロシアのペスコフ大統領報道官(タス=共同)
ロシアのペスコフ大統領報道官は24日、高市早苗首相が同日の所信表明演説でロシアと「領土問題を解決し、平和条約を締結する」との方針を示したことについて「ロシアも平和条約の締結を支持しており、歓迎する」と述べた。また、日本が「違法な対露制裁」に加わってきたとし、「日露対話は現在、近年の日本政府の非友好的な姿勢のせいで、ほぼゼロまで落ち込んでいる」とも主張した。タス通信が伝えた。
ペスコフ氏は高市政権下で日露関係が改善されることに一定の期待感を示した形だ。タスは高市氏の所信表明演説について、岸田文雄元首相や石破茂前首相の演説にはあった「ウクライナ支援を続け、対露制裁を維持する」との趣旨の文言がなかったと指摘した。
高市氏は所信表明演説で平和条約締結に意欲を示した一方、ウクライナ侵略を続けるロシアによる「力による一方的な現状変更の試みを許してはいけない」と述べた。また、「日本周辺では隣国である中国、北朝鮮、ロシアの軍事的動向などが深刻な懸念となっている」との認識も示していた。(小野田雄一)
みなさん、こんにちは。高市早苗首相が、いよいよ本格始動しました。内外に基本方針を示す最初の機会となったのが、10月24日に国会で行った所信表明演説です。
ロシアについて何を語ったのかを、見てみましょう。
「ロシアによるウクライナ侵略について、力による一方的な現状変更の試みを許してはなりません。日ロ関係は厳しい状況にありますが、日本政府の方針は、領土問題を解決し、平和条約を締結することです」
これは、なんの新味もない文言です。
2022年2月にロシアがウクライナへの全面侵攻を始めてから、高市氏は早くも3人目の首相です。前首相の石破茂氏も、その前の岸田文雄氏も、国会で行う演説の機会に、対ロ外交については判で押したように同じ認識を繰り返してきました。
それは、以下の2点に集約されます。
①ロシアによる軍事侵攻を「侵略」と位置づけて、非難する
②一方で「領土問題を解決して日ロ平和条約を締結すること」を長期的な目標として掲げる
ですから、私は高市氏の演説を聞いて「これまで通りか」としか思いませんでした。
岸田、石破氏の時と真逆の反応のロシア
そんな私を驚かせたのが、ロシア側の反応です。
プーチン大統領の側近として知られるペスコフ報道官が、高市氏の演説を歓迎するコメントを発表したのです。インタファクス通信によると、ペスコフ氏は下記のように語りました。
「こうした声明は歓迎できる。我々も日本との平和条約締結を望んでいる」
もちろん歓迎一色ではありません。ペスコフ氏は日本による対ロ制裁を批判した上で、「2国間対話は事実上閉ざされている」とクギを刺しました。
とはいえ、ペスコフ氏の「歓迎する」という言葉は、これまでの首相の演説への反応とは百八十度異なります。
石破前首相は、昨年11月29日の所信表明演説で、次のように述べました。
「日ロ関係は厳しい状況にありますが、我が国としては、領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持します」
高市氏の演説とほぼ同じ言い回しです。ところが、ロシア側の反応はまったく異なっていたのです。
演説を受けて、ロシア外務省のザハロワ報道官が談話を発表しました。
「日本との対話の再開は、日本が我が国と国民に損害を与えることを目的とした、敵視政策を放棄した場合にのみ可能だ」
「石破首相が言う『領土問題の解決』とは、我が国との現状の境界を国際法上正式に確定することを意味する。それ以外の解釈はあり得ない」
日本との交渉だけでなく、領土問題の存在そのものを否定。とりつく島もないとはこのことです。「歓迎」とは正反対のトーンでした。
岸田元首相への反応はもっと激烈でした。岸田氏が昨年1月に行った施政方針演説に反応したのは、メドベージェフ前大統領でした。
演説の文言は、高市氏や石破氏とほぼ同じなので、繰り返しません。
メドベージェフ氏はSNSへの投稿で、挑発的な言葉を連ねました。
「日本人の感情など知ったことではない。そこはロシアの領土だ。深く悲しむサムライがいるならば、日本の伝統的な方法で人生を終えることができる。切腹だ。その勇気があるならば、だが」
対日関係に限らず、メドベージェフ氏が口汚くののしり、ザハロワ氏がとげとげしい声明を発表し、ペスコフ氏が穏健な言葉を語るのはいつものことです。そこには、ある種の役割分担があると言えます。
「歓迎」シグナルは高市氏へではない?
問題は、今回に限ってペスコフ氏が「歓迎する」などと言ったのはなぜか、ということです。特に「日ロ間に領土問題は存在しない」という日本を刺激する主張を控えたのには、なんらかの意図が込められているはずです。
高市氏は自他共に認める「安倍路線の継承者」です。もしかするとロシア側は、高市氏が安倍晋三元首相と同じように対ロ接近をはかるかもしれないと考え、融和姿勢を示したのでしょうか。
思い返せば安倍氏は、ロシアが14年にウクライナのクリミア半島を一方的に占領した後も、平和条約締結を目指して、ロシアへの経済協力を推進しました。高市氏がそれを見習ってくれるのであれば、ロシアにとっては願ったりかなったりです。
とはいえ、ロシアがそんな甘い期待を抱いているとも思えません。
ロシアのメディアでは、高市氏は反ロ的な政治家として紹介されています。
実際、高市氏は首相就任前からロシアに批判的な姿勢で一貫しています。自民党政調会長を務めていた22年5月に、ロシアから入国禁止の制裁を受けたときには、X(旧ツイッター)に関西弁で書き込みました。
「上等やないかいっ。招かれても行かんわい!」
首相就任後は、ウクライナのゼレンスキー大統領からの就任祝いのメッセージに対して、返礼を投稿しました。
「日々侵略に立ち向かう、ゼレンスキー大統領及びウクライナの人々の勇敢さに敬意を表します」
ですから今回の「歓迎」のシグナルは、首相に就任した高市氏個人に向けられたものではないと考えるのが妥当でしょう。
私の見るところ、今は日本を不必要に刺激したくないというロシア側の心情が、今回のペスコフ氏の発言に反映されているのではないでしょうか。
トランプ政権の対ロ制裁が影響か
直接のきっかけは、トランプ米政権が新たに打ち出した対ロ制裁です。
トランプ政権は10月22日、ロシア石油最大手のロスネフチと2位のルクオイルを制裁対象に指定したと発表しました。これはトランプ政権が初めて打ち出した、ロシアに対する直接的な制裁です。ルクオイルが国外資産の売却を迫られるなど、早くも影響が広がっています。
バイデン前政権は今年1月、ロシア第3位と4位の石油会社を制裁対象にしました。任期切れ間際の置き土産のような駆け込み制裁でした。
常々、バイデン政権の対ロ政策を批判してきたトランプ氏の政権が、それを一歩進めたという点でも、私にとっては意外な決定でした。
トランプ政権はこれと相前後して、サハリンの石油・天然ガス開発プロジェクトに参加している日本に対して、ロシア産エネルギーの購入をやめるよう働きかけを強めています。
そんなタイミングで、わざわざ日本を不快にさせるようなことをするのは悪手だ――。そんな思惑が、ロシアにはあったのではないでしょうか。
こうしたトランプ政権の目先の動きへの対応だけではありません。ロシア側には、もう少し長期的な狙いがあるように思います。
最近ロシアでは、日本との経済協力再開に向けた水面下の動きをめぐる報道が相次いでいます。
国営タス通信は10月29日、ロシアでの事業再開を望むトヨタ自動車が、ロシアのディーラーと水面下で接触していると報じました。
ロシア紙イズベスチヤは同日、日ロ両国の航空会社が直行便の再開について協議しているという、ロシア外務省のルデンコ次官の言葉を伝えました。
本当にこうした協議が進んでいるのかは不明ですし、すぐに具体化できるとも思えません。ただロシア側が実現を望んでいることは、間違いありません。
ウクライナでの戦闘の長期化に備えるためにも、日本との協力再開の可能性を模索し始めている。今のところ、そんな段階ではないかと思います。
ロシアでも注目集まる高市早苗氏 「極右思想持つ」などの論評も
毎日新聞
2025/10/8 16:46(最終更新 10/8 16:47)
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ロシア外務省=モスクワで2024年2月18日午後4時40分、山衛守剛撮影
日本の次期首相に選出される見通しの自民党の高市早苗総裁について、ロシアでも外務省高官の発言やメディアの論評が出ている。日本はウクライナ侵攻を巡って対露制裁を続けており、新政権下で変化が生じるかを露側は注視している模様だ。ただ、専門家からは冷静な見方も示されている。
露外務省のルデンコ次官は、高市氏について、新首相に選出された暁には「露日関係を含めて、どのような動きをしていくか注目していく」と述べた。タス通信が7日報じた。複数いる次官の中で主に東アジアを担当するルデンコ氏は「(隣国である)日本の対露政策が合理的かつ実用主義的なものになることを常に期待している」とも述べた。
露主要メディアでは、高市氏の政治姿勢や故・安倍晋三元首相との近さを指摘する記事が散見される。
コメルサント紙は、高市氏が尊敬するという故サッチャー元英首相の異名になぞらえて、「“鉄の女”の東方版」との見出しをつけ、「超保守派」「極右思想を持つ」と紹介した。
一方、ベドモスチ紙は、ウクライナでの戦争や北方領土問題に関して、「高市氏は西側諸国や日本社会の総意に沿った立場を取っている」と説明する。露外務省が2022年5月に発表した日本の政財界人らに対する入国禁止リストに含まれていることを指摘した。

自民党総裁選挙を終え、記者会見で質問に答える高市早苗総裁=同党本部で2025年10月4日午後6時12分、平田明浩撮影
また、モスクワ国際関係大学の日本研究者ネリドフ氏の「新首相の下でも対露外交関係に変化はない。現状では政治対話は行われていないからだ」との見解も紹介している。
高市氏が「政治の師」と仰ぐ安倍氏は、首相在任中に日露外交に注力し、ロシアでも知られる存在だ。安倍氏とプーチン露大統領は27回の首脳会談を実施したが、北方領土問題の解決には至らなかった。【真野森作】
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