以下の内容はhttps://raymiyatake09.hatenablog.com/entry/2026/01/02/145517より取得しました。


今年、日本共産党に何を期待するか。kojitakenの日記さんの『なぜ日本共産党が「分派狩り」を止めるべきだと考えるか。』にお答えします。

 

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 古寺多見さんは村野瀬玲奈さんと並ぶ、今の日本のリベラルブロガーの双璧です。

 その方が一昨日の去年の大晦日に、年内に間に合うようにうちの

kojitakenの日記さんの『共産党が自らの「分派狩り」体質を改めない限り「ブルーオーシャンを取りにいく」ことなど不可能だ』にお答えします。

に応答してくださったのが

なぜ日本共産党が「分派狩り」を止めるべきだと考えるか。その理由を宮武嶺さんにお答えします。

ですから、これは後輩ブログである拙エブリワンブログとしても、是が非でも正月三が日にお応えしなければなりません。

#衆院選挙2024、#自公過半数割れ。「有権者が石破茂首相に罰を与えた」(ロイター)、「解散総選挙への賭けは裏目に出た」(AFP通信)。にもかかわらずなぜ大殊勲者の日本共産党は議席を減らしたのか。

 

 

 ところで、この論争で何が問題になっているかというと、私は2025年12月28日に

『共産、野党の「仲間づくり」苦心 安保・献金規制、主張に隔たり』(時事通信)。日本共産党は立憲民主党を見限り、良心的なリベラル・左派市民というブルーオーシャンを取りに行け。

という記事を書いたんです。

 その中で、野党第一党である立憲民主党が旧民主党を崩壊させた野田佳彦執行部のもとで腰砕けな対応を繰り返し、創設者の枝野幸男議員と二人三脚で、安保法制は合憲だ・企業団体献金の禁止までは求めない・原発の建て替えを認めるなどの、立党の精神を忘れたような迷走を続けているのだから

「野田・安住立民執行部は公明党だけでなく、国民民主党との連携も視野に入れての、この悪行三昧なのだと思います。

 立民が創立者である枝野幸男氏を先頭にどんどん右傾化して、その立党精神も綱領もかなぐり捨てていっているわけですから、日本共産党はこんな人たちと仲良くしなくてもいいではないですか。」

と書いたわけです。

志位・小池体制のときに下のように書いたが、執行部の顔を変えても党の体質を変えなければ根本的な解決にならないのはどの政党でも同じだ。

毎日新聞の「記者の目」特集「衰退止まらぬ共産党 指導部刷新の時機では」を日本共産党執行部はどう受け止めるのか。共産党は一般党員の民意を聴き、志位・小池執行部から田村智子・山添拓体制に一新したらいい。

 

 

 そして、立民が支持を失ってぽっかり空いたリベラル・左派の有権者の票という「ブルーオーシャン」を日本共産党がごっそり取ればいいというのが私の書いたことだったのですが、古寺さんがそこに待ったをかけ、

共産党が自らの「分派狩り」体質を改めない限り「ブルーオーシャンを取りにいく」ことなど不可能だ

という記事をアップされました。

 これはたぶん、エブリワンブログ17年間の歴史で初めて経験する大ブログとの論争になりました。

 古寺さんがおっしゃりたいことは表題で語りつくされており、共産党がその権威主義・権力主義の体質を改めないと、とてもリベラル・左派の有権者から支持を得られるわけがないというお話でした。

 これに対して私は、分派活動を禁止している日本共産党の規約はあの党の民主集中制という根幹部分から派生した原則なので、それを見直すという作業はいま、高市政権と対峙するのには間に合わないと反論しました。

 しかし、古寺さんによると分派禁止は民主集中制の本質的な要素ではなく、実は日本共産党が取ってつけたものなのでその見直しは容易だ、むしろ規約改正などしなくても「分派狩り」という今現に行われている共産党の問題行動を止めればいいだけだと反論されました。

共産党のパワハラや行き過ぎた分派狩りはこの事案にとどまらないとのこと。

日本共産党の新委員長に就任した田村智子氏が神奈川県議団団長の大山奈々子氏を「発言者の姿勢に根本的な問題」と党大会で糾弾。田村氏は自らのパワハラを素直に謝罪して共産党が生まれ変わったことを示すべきだ。

 

 

 少し詳しく引用すると、古寺さんは、加藤哲郎氏が日本大百科事典(ニッポニカ)の「民主集中制」の項に書いた解説文を紹介され

『私が注目したのは、1917年の二月革命・十月革命の頃には民主集中制は「批判の自由と行動の統一」という、まっとうそのものと思える理念として機能していたのに、1921年の第10回ソ連共産党大会で「分派の禁止」と結びついてしまったために「一枚岩の党」「鉄の規律」「軍隊的精神」「上級の決定の無条件の実行」といった「集権主義」的景気を強調するようになったという加藤さんの指摘でした。

 これを読んだ私は、民主集中制そのものというよりは、ソ連共産党やかつてその影響を受けた時期があった日本共産党の「分派禁止」こそ問題の核心部なのではないかと思いました。しかも共産党と同じように民主集中制を規約に規定していた社会党では激しい路線闘争こそあって、1977年にそれに敗れた江田三郎が社会党を離党したことはあっても、江田は分派を作ったことによる民主集中制違反を問われて社会党を除名されたわけではないじゃないか、と思ったのでした。』

とおっしゃっています。

プーチン露大統領が電話でトランプ米大統領に吹き込んだ「ゼレンスキーにわしの公邸が攻撃されたんや~」という話はやはりでっち上げだったことが判明。

トランプ大統領がゼレンスキー大統領との会談前にも後にもプーチン大統領に電話して報告し、ウクライナがプーチン公邸を攻撃したとプーチン氏に吹き込まれ、「非常に怒りを感じる」と表明(-_-;)。

 

 

 また古寺さんは

『前述の立論から、私は

「分派」が許されないというのは民主集中制から派生する現象面の問題

だとは全く思いません。なぜなら加藤哲郎氏が指摘する通り、1917年から1921年までは民主集中制に「分派の禁止」などくっついていなかったし、1964年から1991年までの日本社会党でも同様だったからです。

民主集中制はもう100年もやってきた仕組みなんですから、これは熟議しないと変更しえないもの

などではあり得ません。単に執行部が下から突き上げられる心配がないおいしい権力構造を維持したいだけです。しかも分派の禁止を伴う民主集中制の本家本元であるソ連共産党はとっくに滅亡してしまったじゃないですか。

 現実には、そのソ連でKGBの人間だったプーチンの権威主義的独裁が今も続いているわけで、そのプーチンのロシアを厳しく批判する宮武さんが、日本共産党の「分派の禁止」には異常に甘いことは矛盾していると私は思います。「言葉に言葉を返す」みたいな乱暴な論法で申し訳ありませんが、正直な思いです。』

と続けて述べられています。

 

 

 私は、分派禁止を含む民主集中制は資本主義に本質的な闘いを挑む日本共産党が権力から徹底的に弾圧される中、闘争を続けるために必要不可欠な制度だったと思っています。

 もし党首や中央委員を選挙で直接選ぶ制度ならば、そこを国家権力に付け込まれて日本共産党が四分五裂する可能性は本当にあったのだろうと思っています。

 ですので、民主集中制も分派禁止も

「単に執行部が下から突き上げられる心配がないおいしい権力構造を維持したいだけです。」

だとは思わないんです。

 しかし、それも戦前から戦後の数十年のことであって、今は少なくともそういう危険性は少ないだろう、だから下から間接選挙に間接選挙を積み重ねて少数意見の代弁者が上にいかない民主集中制は放棄すべきだというのが私の意見です。

 そして、そうであるならば、日本共産党が松竹伸幸氏は当然除名だとしても、その後も分派狩りとまで言われる除名と除籍を繰り返していることは、確かに日本共産党のためにも日本の民主主義勢力のためにも良くないと私も思ってきたので、日本共産党は行き過ぎた分派禁止活動を停止し、やりすぎた部分は謝罪・撤回して、日本の良心的な市民層の支持を取り戻せ、という古寺さんの意見に賛成します。

 規約は変えずに運用を変えればいいのです。

 古寺さんにビビって矛を収めるために言うのでは決してなくてですね(笑)。

www.youtube.com

日本共産党の政策や姿勢には積極的に評価すべき点が山ほどあると思う。

日本共産党はすでに綱領の日米安保条約廃棄の旗を下ろしたのか。kojitakenの日記さんの「志位和夫氏も政権入りしたら日米安保条約は維持するとか自衛隊は合憲との立場をとると言っている」にお答えします。

 

 

 あとの公明党との関係などについては、また後日現実の政治の中で必ず問題になるので意見交換はその時に、ということで後回しにして、まずは行き過ぎた分派禁止はやめよ、では一致できると考えます。

 ところで、古寺さんも我々二人の発想の違いが

「古寺さんはある政党を評価するときに、その構成員の体質や支持者の思想を重く見られる傾向がありますが、私はもっぱら政策で評価します。」

という点にあることに同意してくださったのですが、私が日本共産党に期待するのはまさにその政策にあります。

 立憲民主党が日和ってしまいそうな安保法制違憲・原発ゼロ・企業団体献金禁止などなどは、日本の良心的なリベラル・左派層がまさに真の野党に期待している政策群です。

 日本共産党はその良心的な市民層をがっかりさせてきた過剰な分派禁止をあらため、また立民に対する無駄な期待もやめて、日本国憲法にかなう政策をこれまで以上に高く掲げ続けてほしいと思います。

 そうであれば、小池晃書記局長が言った

 『山宣ひとり孤塁を守る。だが寂しくはない』だ。

が負け惜しみではなく、それでいいのだと多くの市民に思ってもらえると思います。

『「山宣ひとり孤塁を守る……」は、戦争とファシズムに反対した山宣こと山本宣治=孤高の人というイメージを広げたが、しかし実際には彼の大衆的人柄は多くの人々に愛された。治安維持法改悪には170人の議員が反対し、生物学者・性科学者であり科学と政治のかかわりを実践的にとらえていた山宣の生き方は、今日の市民社会と政治のあり方に新たな視座を与えるだろう。』

 

単行本 – 2021/10/15 本庄豊 (著)

 

 

 

参考記事

村野瀬玲奈の秘書課広報室さんより

日本で起こっているのはたくさんの「内戦」ではないか

 

 

 

編集後記

日本共産党の綱領や規約などを全く学んだことがないわたくしがあれこれ言うのを苦々しく思って見ておられる党員や支持者の方々もおられると思います。

しかし、外側の人間にはこう考えている人もいる、ということでご理解ください。

わたしは日本共産党に期待し、応援もしています。

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新春対談 「軍拡止め平和を」 立ち上がる年に

「平和を求め軍拡を許さない女たちの会」共同代表 田中優子さん
日本共産党委員長 田村智子さん

大軍拡の前倒し、「台湾発言」など、危険性をあらわにする高市早苗政権にどう立ち向かい、希望ある新しい政治をつくるのか―。日本共産党の田村智子委員長と、「平和を求め軍拡を許さない女たちの会」共同代表の田中優子さん(法政大学名誉教授・元総長)が、語り合いました。


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(写真)撮影・佐藤研二記者

田村 あけましておめでとうございます。

田中 おめでとうございます。

田村 「平和を求め軍拡を許さない女たちの会」の立ち上げ(2023年1月)から丸3年ですね。発足から1カ月で「軍拡より生活」の7・5万人の署名を集め、シンポジウムも次々と開催しておられますね。

田中 そうです。軍拡に反対するだけでなく、沖縄など南西諸島や辺野古(名護市)など、各地で何が進んでいるのか、私たちが見て、知って、伝えあうのはすごく大事なことです。

 それに「女たちの会」は、スタート時点で大阪や熊本、北海道と各地で立ち上がったんです。とくに熊本がすごい。

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(写真)たむら・ともこ=1965年長野県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。2022年に参議院議員3期目当選、24年衆院議員初当選。党副委員長、政策委員長などを歴任し24年1月から現職

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(写真)たなか・ゆうこ=1952年神奈川県生まれ。江戸文化研究者、法政大学名誉教授・元総長、同大学江戸東京研究センター特任教授。一般社団法人「Colabo」理事。著書に『江戸の想像力』『江戸百夢』、『布のちから』など多数

田村 私も、熊本で「会」の方々にお会いしました。健軍駐屯地(熊本市)に日本で初めて長射程ミサイルが配備される、これに反対する住民の皆さんと懇談したのです。「会」の女性たちの行動力と迫力に圧倒されました。「自衛隊の司令部は地下化される、私たちはどこに避難しろと言うのか」と。外国に届くミサイルとなれば、「相手から標的にされる」というつよい不安を現場で実感しました。

田中 「女たちの会熊本」の事務局長さんは医療通訳をなさっていて、難民の方たちとも接触があるんです。だから世界で何が起きているか、熊本で今日何が起きたかチェックして、全部知らせてくれます。熊本では米軍と自衛隊の訓練は当たり前で、オーストラリアも入って軍事訓練が行われています。

田村 高市政権は特定の国の「脅威」をあおって「日本を守るため」といいますが、これはごまかしで、狙いは、自衛隊が米軍とともに海外で戦争する体制づくりです。

田中 「女たちの会」の発足は、安保3文書(2022年12月閣議決定)で、とくに軍事費をGDP(国内総生産)比2%への引き上げ、それまでの2倍にすることに、皆さん大きな衝撃を受けたことがきっかけです。軍拡によって、ひとり親家庭、女性が多い非正規労働者、子どもなどの予算が削られます。だから会では、「軍拡より生活」と掲げました。

田村 高市首相は、GDP比2%の目標を2年前倒しで、今年度の補正予算で達成してしまいました。わずか3年で5兆円規模だったのが11兆円、まさに大軍拡の暴走です。トランプ政権がGDP比3・5%を要求するもとで、「大丈夫、日本は軍事費を増やします」とアピールしたのと同じです。3・5%となれば年間約21兆円、医療・介護・生活保護の予算18兆円をも上回る途方もない額です。

 米中対立のもとで、アメリカは日本を自分たちのミサイル戦略に組み込もうとしています。先制攻撃の戦略も持っています。そのもとで外国を攻撃するための長射程ミサイルの大量配備がどれほど危険か。

田中 アメリカはベトナム戦争はもちろん、戦争や武力介入・関与を何度も繰り返しています。

田村 そうです。その危険性を知らせていかなければなりません。

軍国主義の影 高市政権の危険

田中 戦時体制に急に入り込む予感
田村 他国名指しで敵がい心あおる

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(写真)各党(右側)に署名を手渡す、平和を求め軍拡を許さない女たちの会の人たち(左側)=2023年2月8日、衆院第2議員会館

田中 高市政権には大変失望しています。3年前に「新しい戦前」という言葉が生まれました。それが女性の首相によって実現するのではないか、と大変危惧しています。徐々に進むかもしれない、と思っていた戦時体制に急に入り込む予感がします。

田村 安倍政権が集団的自衛権行使容認、つまりは、日本は攻撃されていなくとも、米軍を守るために自衛隊が武力行使できるとしてしまった。ここがターニングポイントですが、高市政権は、さらにタガがはずれています。

 中国を名指しして「危機」をあおることで国民の支持を得ようとする、他国への敵がい心をあおるというのは憲法上も許されません。これまでの自民党政権でも越えられない一線を越えている。あまりに危険です。

田中 高市政権が本当に危険だと思うのは、軍国主義の影が見えていることです。

 「岩盤保守層」といわれる人たちは、例えば選択的夫婦別姓を導入しない理由に「伝統的家族観」を守るためといいます。私は江戸時代の研究者ですが、「伝統的」という言葉には、江戸時代が全く入ってない、たぶん中世も古代も日本の歴史のほとんどが入っていない。彼らの言う「伝統」は、帝国憲法ができた時(1889年)から敗戦(1945年)までの期間、軍国主義時代の枠内のものです。

 帝国憲法ができた翌1890年の「教育勅語」、日清戦争(1894~95年)、夫婦同姓制度(98年)、日露戦争(1904~05年)といった、軍国主義時代の日本に戻そうというものです。これほど恐ろしいものはありません。

田村 高市さんは「強い日本を取り戻す」と言うのですが、戦前の本当にわずかの一時期ではないかということですね。安倍晋三元首相は、まさに、明治憲法のもとでの日本を“美しい日本”と称していました。高市さんはこれに憧れて同じ時代を“強い日本”だと言っているように思えます。

田中 戦後の日本は、軍国主義者たちを排除してきたのか大きな疑問です。A級戦犯容疑者を首相にしてしまったところから自民党は始まっています。それを安倍政権はそのまま受け継いでいる感じがします。自民党の「憲法改正草案」(2012年)、安保法制(15年)をはじめ、段階を踏んで、まさに戦前に戻っていくプロセスを踏んでいる感じがします。非常に怖い。

田村 確かにとても危険です。同時に、矛盾にも突き当たっていると思います。例えば高市さんは「総理大臣は靖国参拝すべきだ」と主張していましたが、今のところ参拝を見送っています。軍国主義を美化するのかと、国際的に大変な批判にあうことがわかっている。それに戦後、日本国憲法の平和主義は、圧倒的な国民に支持されてきたと思います。軍国主義への強い拒否感もある。それを、高市さんは無視できないのだと思います。

高市首相は台湾発言の撤回を

田村 発言は日中関係の土台崩した
田中 自民党復活へ利用したのでは

田村 高市首相の「台湾有事」は日本の「存立危機事態」になりうるとの発言に、この政権の危険性ともろさが噴き出ています。

 台湾海峡で米中の武力衝突が生じたら「どう考えても存立危機事態になりうる」、つまり米軍を守るために自衛隊が武力行使(集団的自衛権を行使)しうる、日本から中国に対して戦争状態にしていくことがあり得ると公言してしまった。戦争放棄、交戦権の否認を明記する憲法9条を完全に踏みにじるもので、「戦争がありうる」なんて許されない発言ですよねと、日本の国民に訴えていきたいですね。

田中 高市さんは自分が指令を出して、集団的自衛権を行使することを夢見ているのではないでしょうか。高市首相の発言に対して、「女たちの会」として「真摯(しんし)に説明・訂正し、平和外交への明確な姿勢を改めて示すことを、強く要請します」との声明を出しました。

田村 日中両政府は、1972年に国交を回復しました。その時の共同声明では、台湾が中国の領土の「不可分の一部である」という中国側の立場について、日本側は「十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第8項に基づく立場を堅持する」と約束しました。これに背く発言で、日中関係の土台を崩してしまったのです。

田中 72年の「共同声明」は、現在の日中関係の基盤です。この「声明」だけでなく、その後も何度も確認しているんです。

田村 その通りです。高市首相は、発言を撤回するしかない。そのうえで、72年の「共同声明」を再確認して、さらにその後の重要な合意を再確認することが必要です。それほど重大な事態を招いたことを理解しているのかが疑問です。

 軽々しい発言で重大な外交失態をしながら、自ら引き起こした問題を解決する能力がない。そういう政権が果たして外交、政治のかじ取りができるのかが問われています。

田中 失敗することもあると思うんですよ。でも失敗した時にどうやって取り戻すか。自分のためじゃなくて国民のために。そういう視点がほとんどないと思います。

 自民党が勢いを取り戻すには、中国を仮想敵にして、戦争が現実味を帯びてくることが効果的だと計算しているのかもしれない。国民のためではなく、自民党という組織を守るために。

田村 発言の撤回が第一です。そのうえで、中国にも、国民と軍国主義者を区別した対応、経済などに問題を広げない、事実と異なる発言や対立をあおる言動をしないことが大切だと、私たちの意見を伝えています。対立をあおることは、事態を深刻にしてしまう、冷静な対応こそ求められます。

大軍拡を許さないたたかい

田村 ミサイル配備で住民強く反対
田中 軍拡は「安全」を「保障」しない

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(写真)陸上自衛隊健軍駐屯地への長射程ミサイル配備計画撤回などを求めるパレードに参加した人たち=2025年11月9日、熊本市

田村 「台湾発言」で安保法制と大軍拡の危険性が明らかになっています。

 はじめにお話しした熊本市の健軍地域では、住民が強く要求しても、防衛省は住民説明会をやろうとしません。日本が攻撃されてもいないのに、長射程ミサイルで相手を攻撃する危険性はあるし、反撃される危険性もある。「安全保障を確かなものにする」というだけで、住民の不安を払しょくする説明はできないということだと思います。

 健軍駐屯地は、陸上自衛隊西部方面隊の司令部が置かれ、「自衛隊通り」という公道で自衛隊の装甲車などがパレードをする街です。そういう街で、長射程ミサイル反対という世論が多数です。地元の新聞の世論調査で女性は76%が反対です。

田中 企業城下町と同じように、自衛隊基地があるから自衛隊には反対できないっていう声は聞きますが、やっぱり今の状況は違いますね。

 それに、彼らの言う「安全保障」という言葉にだまされてはいけないと思います。軍拡を進めるということは、暴力の種を増やすわけで「安全」を「保障」しているわけではありません。相手を上回るようにと、軍事費が膨らみ、軍拡を目的に国が存在している状態になっていく。それが一番まずい、危険なところです。

外交による平和どうつくる

田村 「軍事に軍事」は不信の悪循環
田中 共同声明再確認でやり直しを

田村 軍事対軍事のエスカレーションは、偶発的なことも含め、武力衝突の“種”を増やしかねないですね。

 戦争の心配のない東アジアをつくるために提唱した「東アジア平和提言」(2024年)でも、その冒頭で「軍事に軍事で対抗するならば、不信と恐怖の悪循環に陥り、誰ものぞまない戦争への危険をつくりだします」とのべています。

 軍事ブロック的な分断ではなく、包摂的な対話で地域全体の平和を構築することが必要という考え方が土台にあります。

 中国との関係も、「双方は、互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない」(08年の日中共同声明)など、これまでの合意に基づいて、前向きに打開していくことが必要です。私たちの提言を、日本政府も否定できません。中国にも直接伝えると、「日本共産党の提言を重視している」という発言がありました。

 外交で信頼関係を構築できるというのが私たちの手応えでもあります。

田中 日中は、それを本当に積み重ねてきたはずです。「戦略的互恵関係」もそういうところから生まれた言葉ですよね。

 結局、軍事による「安全保障」って、お互いにエスカレートしていくだけになります。結局それは自分の首をしめることになります。

田村 そうですね。ロシアのウクライナ侵略戦争を見ても、ひとたび戦争が起こってしまったら、終わらせることがいかに難しいか、いま私たちが目の当たりにしています。まして、アメリカが引き起こす戦争に自衛隊が出張っていったら、日本には終わらせる決断さえできません。

田中 できないでしょう。

田村 私たちが「外交で」と言うと、「お花畑」「現実的ではない」と言われることがありますが戦争準備を進める人たちこそ現実をみていない。軍事対軍事の行き着く先に平和があるのか。ひとたび衝突が起きれば、国民にどれほどの惨禍をもたらすか。外交こそが最も現実的な日本を守る、国民を守る力だと広く知らせていきたいです。

田中 本当にそうですよね。一番の近道が、日中関係では、共同声明を再確認することです。そこからもう一度スタートすることが一番現実的なやり方だと思います。

排外主義、ジェンダー差別をただす

田村 人権を語る言葉持たない首相
田中 排外主義は戦争への道に続く

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(写真)「選択的夫婦別姓制度の導入に反対する候補者には投票しない」と訴える「平和を求め軍拡を許さない女たちの会」の人たち=2025年4月4日、衆院第2議員会館

田村 田中さんは人権の問題でも活動されていますね。高市首相との最初の代表質問で、排外主義と選択的夫婦別姓についてただしました。治安の悪化や犯罪を外国人と結びつけて主張することは排外主義であり許されないと思うがどうか。名前は人格権・アイデンティティーではないかと。

 ところが、高市さんは答えなかった。人権を語る言葉をもっていないんです。

田中 排外主義は戦争への道です。戦前の日本は植民地支配をしており、外国人への差別感がものすごくあった。日常的な差別の結果が何をもたらしたか、私たちは過去の戦争で知っています。

田村 高市さんは、日本維新の会を取り込んで、政権を維持した。維新は、外国人人口の抑制など排外主義そのものの「提言」をいち早く提唱した。“国益にかなう外国人だけ権利を認める”というものです。

田中 人権を軽視する考え方も軍国主義とつながっています。明治憲法は、人間は生まれながらに平等であり人権があるという「天賦(てんぷ)人権説」を排除しました。「国家が人権を与える」という考え方です。高市さんの頭の中も、同じ思想です。

田村 「国家の役に立つかどうか」という考え方は、国家による人間の峻別(しゅんべつ)につながっていきます。

田中 そうなんです。日本国憲法の前文の主語は「日本国民」で始まりますが、自民党の憲法改正草案では「日本国」で始まります。国が全てであり、それに国民を従わせる構造です。

田村 ジェンダー平等にもかかわる問題です。高市首相は「戸籍制度」を守るために通称使用法案を自ら提案し、選択的夫婦別姓の実現を阻止しようとしています。同性婚にも背を向けています。

田中 憲法には夫婦が同等の権利を有することが保障されています。日本は国連の女性差別撤廃委員会から、選択的夫婦別姓や同性婚の実現を何度も勧告されています。人権を語れない高市首相は、憲法を理解していないとしか思えない。

田村 これも国民の要求とはぶつからざるを得ません。要求の運動で退場させましょう。

深刻 低年齢化が進む性搾取

田中 被害少女ら支える拠点設立を
田村 買う側を処罰し女性に支援を

田中 いま、性搾取の問題が深刻です。性売買は売春防止法(1956年)ができても、ずっと続いてきました。根底には女性は性の道具、産む道具という女性差別があります。低年齢化が進み、小学生まで街路に立っている大変な状況です。

田村 本当に深刻です。

田中 私は、虐待や性搾取に遭う少女たちを支援してきた「Colabo(コラボ)」に関わっています。東京都から支援を受けていたこともありましたが、デマによる攻撃がすごかったですね。

 昨年12月、被害を受けた少女たちとつながり、支える拠点を新宿・歌舞伎町につくろうと「女性人権センター」設立のプロジェクトを呼びかけました。

田村 長年の運動によって政治が女性支援に動くと、これをつぶしにかかる勢力が現れます。包括的性教育へのバッシングもあります。とくに性にかかわる問題で社会が人権擁護に動こうとすると、性搾取を擁護する勢力が頭をもたげてきます。こうした動きとたたかっていきます。

田中 「性搾取」であると指摘することがすごく大事ですね。

田村 性搾取の根絶を社会全体の認識にしていきたいですね。性を買う側、ビジネスにする側を罰するとともに、買われる側の非処罰と自立支援が大事だと思います。

活動すすめる原動力はどこに

田中 ご都合次第の歴史利用に怒り
田村 たじろがず危険な政治に対決

田村 田中さんは、平和や人権の活動を精力的にとりくんでいます。その原動力はどこからですか?

田中 怒りですね。私は江戸時代の文学や文化を専門とする研究者です。

 江戸は、戦いのない平和な世の中で文化が発展しました。江戸の「国学」はナショナリズムではなく、中国などの書物が入ってくるなかで、日本語を見直す和語の研究です。軍国主義じゃないんです。

 高市さんは「日本」と言いながら日本のことを全然知らないじゃないの?という怒りがあります。都合よく軍国主義時代の「日本」を自分のために利用していることが許せないんです。

 今のマスコミの状況もひどいですね。テレビなどがまともに報道せず、危ないと思っています。「桜を見る会」から裏金問題に至るまで、「赤旗」が暴かなかったら、いまでも闇の中だったでしょう。権力監視を続け、報道機関をリードしていってほしいです。

田村 ありがとうございます。「赤旗」とともに日本共産党も、決してたじろぐことなく、危険な政治に立ち向かっていきます。

資本主義の根本を問う学び

田村 搾取、気候危機、ともに考える
田中 分断とかせぎの競争ではなく

写真

(写真)『資本論』のおもしろさをテーマに学生と対話する田村智子委員長(右から2人目)=2025年10月7日、東京都新宿区

田村 日本共産党はいま、搾取の仕組み、社会変革の法則を『資本論』から分かりやすく解説した志位和夫議長の『Q&Aいま「資本論」がおもしろい』(赤本)を学習する運動にとりくんでいます。じつは自衛隊の準機関紙「朝雲」が、「赤本」を新刊紹介でとりあげ、資本主義社会の問題を「搾取」や「時間」などのキーワードと関連付けて『資本論』を分かりやすく解説していると紹介しているのです。

 暮らしの苦しさや不安の根本に何があるか、一緒に考える対話や学びを広めていきたいと思います。

田中 面白いですね。次の社会をどう構想するか、今の日本社会ではなかなか見えてこない。

田村 まず、今の資本主義の問題を問うことが大切だと思っています。そのとき「搾取」はキーワードになりますね。

 排外主義勢力が伸長する背景には、弱肉強食や自己責任が蔓延(まんえん)する新自由主義があり、その根本には資本主義の経済があります。搾取によって、モノやカネだけでなく自由な時間までも奪われている、格差が広がり、気候危機も深刻。あなたの怒りの根源は?と問い、問題を共有できるという手応えを感じています。

田中 それは大事なことです。資本主義社会ではみんなバラバラに分断され、いかに稼ぐかの競争をさせられています。そうではなくて、小規模で多様な共同体=コモンズを取り戻すことが必要です。その積み重ねが、別の未来像を考えるきっかけになるのではと考えています。

田村 次の社会への模索で響き合うところがあると思います。日本共産党が掲げる社会主義・共産主義と、旧ソ連や中国の考えは全く違うものです。「生産手段の社会化」=生産手段が自由な意志で結びついた生産者の手にあることが重要だと考えています。

田中 そうですね。

田村 社会主義・共産主義の目的は、自由な時間を獲得して、一人ひとりの人間の自由で全面的な発達を保障する社会だと、これを志位和夫議長がインターネット番組でじっくり語ったら「共産党は支持していなかったけど、この話は面白い」などの感想がたくさん寄せられて驚いています。

希望ある道 示せる年に

田村 米国でも「公共」を問う運動が
田中 東アジアの女性ネットめざす

田村 アメリカではトランプ大統領に対して「公共を取り戻そう」という運動が起きています。ヨーロッパでは左派勢力が高すぎる家賃の見直しや、富裕層に課税をと掲げて支持を広げています。ベルギー労働党はレモンの形のプラカードで「私たちは搾取されている」とアピールしています。

田中 ニューヨーク市長選では、民主的社会主義者のマムダニ氏もそういう政策を掲げて勝利しましたね。

田村 「政治の役割とは何か」という問い直しが国際的に起きています。住宅や医療は、人権保障であり公的な保障を求めることは、とても大切ですね。

 日本でも、多様な要求の共同、そしてその中でも大軍拡と安保法制に正面から立ち向かう国民的な共同をぜひつくっていきたい。高市政権と正面から対決し、新しい希望ある道を示していける年にしたいと思います。

田中 本当にそう思います。「女たちの会」は昨年8月、韓国の女性団体に招かれてソウルへ行きました。日本・韓国・台湾の女性たちが集まりました。今後は中国の団体なども巻き込み、ゆくゆくは「東アジアの女性ネットワーク」をつくることが目標です。

田村 希望がありますね。東アジアを戦争の心配のない地域にしていこうと連帯を広げるのはとても大切なことです。私も一緒に声をあげていきたいと思います。

田中 ぜひがんばりましょう。

田村 多岐にわたるお話ができました。ありがとうございました。

 

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