
ウォールストリートジャーナル特報『「戦争ではなく金儲けを」 トランプ氏の真の和平案』。 ロシアのプーチン大統領はウクライナ戦争「和平」で儲けることをアメリカに提案し、トランプ大統領は賛同した。
上下ともクリックしてくださると大変うれしいです。
ロシアのプーチン大統領は2025年12月2日、モスクワでトランプ大統領の商売仲間であるスティーブン・ウィトコフ中東担当特使らと面談し、そのあと、米露はウクライナ情勢を巡る米国主導の和平案を協議しました。
会談は約5時間に及び、12月3日未明まで続いたとか。
会談には、アメリカ側からはトランプ氏の娘婿であるジャレッド・クシュナー氏も同席しました。
ロシア側からは、ウィトコフ氏からトランプ大統領へのアクセスの仕方を指南されたユーリー・ウシャコフ大統領補佐官。
そして、10月にロシアの主張を全面的に採用した当初の和平案をウィトコフ氏らと策定したとされるキリル・ドミトリエフ大統領特別代表(プーチン大統領の経済顧問)が参加しました。


トランプ氏以外の役者が勢ぞろい。
右側ロシアが奥からウシャコフ氏、プーチン大統領、通訳、ドミトリエフ氏。
左側アメリカが奥からクシャナー氏、ウィトコフ氏、通訳。
しかし、ロシア側の説明では、ロシアが要求するウクライナ領の扱いなどで溝が埋まらず、具体的な進展はなかったということです。
ロシアのプーチン大統領は12月3日、ウクライナ和平を巡りモスクワで前日に行なった米高官との協議について
「非常に有益だった」
とする一方で、米国が示した和平案の一部は受け入れられないとして、今後の和平交渉は
「困難な作業になる」
と述べました。
そもそも、ウクライナを侵略しているロシア側が作成した和平案をもとに話し合っているのに、なぜ米露は和平案をまとめられないのでしょうか。
そして、和平案がまとまらなくてもなぜプーチン大統領は和平協議自体は非常に有益だと述べたのでしょうか。

トランプ大統領のウクライナ侵略戦争「和平」案は、ヨーロッパを排除してプーチン大統領と経済協力し、巨額の利益の独占を狙うものだった。ガザでネタニヤフ首相とやろうとしていることと全く同じだ(呆)。
そのことに関して、ロシア情勢に関しての分析では定評がある朝日新聞の駒木明義記者が
『素人が書いた?アメリカの停戦案 前向き装うロシアの「真の狙い」』
という記事で明快に答え合わせをしているのでご紹介したいと思います。
駒木氏に言わせれば、
『ロシアが米国を抱き込んで、自分に有利な停戦案をウクライナに押しつけようとしている――。一連の動きは、このように見えるかもしれません。しかし、私の見立てはまったく異なります。
現時点でロシアが本気で停戦を目指して落としどころを探ろうとしているとは、私には思えません。真の狙いは、次のようなものではないでしょうか。
1.米国に「ロシアは停戦に前向きだ」と思わせて、時間稼ぎをする
2.停戦が実現しない責任がウクライナにあるようにトランプ大統領に思わせて、怒りの矛先が自分たちに向かないようにする』
というのです。

駒木氏はこの記事で
『実際にはありえないことですが、仮にウクライナが全28項目を丸のみしたとしても、ロシアは「ウラー!(万歳!)」と叫ぶことはないでしょう。
それどころか、逆に困った立場に立たされることでしょう。』
というのですね。
要はプーチン大統領は最初から停戦などする気がなく、まだまだ侵略戦争を続ける気満々です。
他方、トランプ氏のゴルフ仲間でしかないウィトコフ氏は、「和平」協議を一生懸命しているフリができればいい。
そして、協議がまとまらないのは、ウクライナやヨーロッパ各国のせいにできればいいのです。
駒木氏が
『とにかく停戦させたいトランプ氏の意を受けて、ウィトコフ氏が停戦案の作成を急ぐ。
ロシア側は現状で停戦する気はさらさらないが、前のめりな米国につけ込んで、付き合うふりをしている。私には、このように見えるのです。』
と主張しているのには私も同感です。
ウクライナ戦争が「即時停戦」できないのはウクライナのゼレンスキー政権と「徹底抗戦派」が悪いのだと言い募ってきた日本の停戦真理教信者たち。
まんまとロシアの術中にはまってきたウクライナ即時降伏論の伊勢崎賢治氏ら「今こそ停戦を」一派を木っ端みじんに粉砕する駒木氏の論考、ぜひお読みください。

プーチン大統領が最初から停戦などする気がなく、侵略戦争を続行する気満々なのは明らかだった。
トランプ政権からのウクライナ戦争「和平」案に、ロシアが周辺国に侵攻しないことが「期待される」としか記載せず(呆)。プーチン大統領も軍服姿でウクライナ侵略戦争続行をアピール(-_-;)。
参考記事
ニューズウィーク
【トランプ和平案】プーチンに「免罪符」、ウクライナに「降伏」――それでも「和平」と呼べるのか? Don’t Call This a “Peace Plan”
編集後記

トランプ政権のウィットコフ特使がロシア側に、ウクライナ侵略戦争「和平」案をトランプ大統領にどのように提唱すべきか助言していた通話記録が漏えい。
駒木記者が
「ところで、今回の米国案は、外交文書としても極めてお粗末で、国務省や国防総省が目を通していないことは確実です。
一例を挙げましょう。
10年に米ロが署名した新戦略兵器削減条約(新START)のことを1991年に米国とソ連が署名した第1次戦略兵器削減条約(START1)と誤記している点は、まじめに米ロ関係をウォッチしている人ならば、犯すはずのない誤りです。」
と指摘しているのには唖然としました。
まさにトランプ大統領の茶坊主でしかないウィトコフ氏とクシュナー氏がプーチン大統領の手のひらの上で遊ばされている茶番、それが米露和平協議の真相です。
上下ともクリックしてくださると大変うれしいです。
みなさん、こんにちは。ウクライナでの停戦交渉をめぐって、大きな動きがありました。米国が新たな28項目の停戦案を作って、ロシアとウクライナに示したのです。ウクライナと欧州は、自分たちに知らされないうちに作られた停戦案が一方的に突きつけられたことに驚愕(きょうがく)し、なんとか押し戻そうと巻き返しをはかっています。
ロシアが米国を抱き込んで、自分に有利な停戦案をウクライナに押しつけようとしている――。一連の動きは、このように見えるかもしれません。しかし、私の見立てはまったく異なります。
現時点でロシアが本気で停戦を目指して落としどころを探ろうとしているとは、私には思えません。真の狙いは、次のようなものではないでしょうか。
1.米国に「ロシアは停戦に前向きだ」と思わせて、時間稼ぎをする
2.停戦が実現しない責任がウクライナにあるようにトランプ大統領に思わせて、怒りの矛先が自分たちに向かないようにする
以下、具体的に見ていきましょう。
欧米メディアによると、米国がロシアとウクライナに示した28項目の和平案(以下、米国案と書きます)は、「ロシア寄り」の内容だと報じられています。
そう受け取れる内容が多々含まれていることは事実です。なにより、紛争の一方の当事者であるウクライナのあずかり知らぬところで作られたという経緯ひとつとっても、まともな調停案の名に値しない代物です。
一方で、これがロシアの言い分を丸のみした案かというと、決してそんなことはありません。
実際にはありえないことですが、仮にウクライナが全28項目を丸のみしたとしても、ロシアは「ウラー!(万歳!)」と叫ぶことはないでしょう。それどころか、逆に困った立場に立たされることでしょう。
最も重要な、停戦ラインをどこに引くかについても、例外ではありません。
米国案は概略、以下のように定めています。
・クリミア半島、ドネツク州、ルハンスク州を事実上のロシア領として、米国などが承認する
・ウクライナ軍は、ドネツク州で現在支配している地域から撤退する。そこは非武装の緩衝地帯とし、ロシア領になった後も、ロシア軍は展開しない
・ヘルソン州、ザポリージャ州は、現在の戦線で凍結する
ウクライナからすれば、ロシアへの領土割譲を強いる許しがたい案です。
ロシア側も受け入れられない米国案
しかしロシアから見ても、これは受け入れ困難です。ロシアはクリミアと、ドネツク、ルハンスク、ヘルソン、ザポリージャの4州の計5地域全体がすでに自国領になったと宣言しており、憲法にもそのように明記しています。
ロシアは今年6月2日にトルコのイスタンブールで行われたウクライナとの協議で、停戦の条件を文書で示しました。
その中でロシアは、これら5地域がロシアに正式に編入されたことを国際条約で確定することや、ウクライナ軍がこれらの全域から即時撤退することを要求しています。さらに実際に撤退が始まった段階で、初めて停戦が可能になると主張しました。米国案をそのままのむことは、現状ではあり得ません。
実際プーチン大統領は11月27日の記者会見で、次のように強調しました。
「ウクライナ軍が、彼らが現在支配している地域から出ていけば、停戦が実現される。出て行かないのなら、武力で奪取するまでだ」
具体的にどの地域のことなのか、プーチン氏は明言しませんでした。
ドネツク州とルハンスク州、いわゆるドンバス2州のことだと受け止めるメディアが多いようですが、私はそうは思いません。プーチン氏が従来通り4州全域からのウクライナ軍撤退を求めていることは、ほぼ間違いありません。
ペスコフ大統領報道官は翌28日、この点の確認をロシアメディアから求められた際に、明言を避けました。ドンバス2州だけという解釈をあえて否定すると米国をいらだたせるだけなので、期待を持たせたままにしているのでしょう。
ここで、どうしても思い出してしまうのが、安倍晋三元首相が進めた北方領土交渉です。ロシアは2島返還で平和条約を結べるなどと一度も言ったことがないのに、日本側は勝手に「2島ならいける」と盛り上がっていました。
停戦後の安全保障のあり方も、米国案はロシアの主張と隔たっています。
米国案は、ウクライナ軍の兵力の上限を60万人と規定しています。80万人以上とされるウクライナの現兵力の削減を勝手に要求する一方で、ロシア側にはなんの制約も求めない内容に、ウクライナが猛反発したのは当然です。
しかしロシアにとっては、60万人でも多すぎるでしょう。全面侵攻開始後間もない2022年4月には、ウクライナの兵力を8万5千人に制限する案を示していたのですから。
なにより米国案は、停戦後のウクライナをロシアが再侵攻しないように米国が中心になって守るという理屈で組み立てられています。一方ロシアは、ウクライナの安全保障にはロシア自身が関与するべきだという立場です(現に侵略している当事国が何を言っているのか、という話ではありますが)。
ロシア側がそもそも求めてもいない、主要8カ国(G8)への復帰という案も書かれています。プーチン氏は27日の会見で、ロシアがG8の一員だったときから自分はサミットを欠席したことがあると、冷ややかに指摘しました。
G8に招けばプーチン氏が喜ぶというのは、米国の浅はかな思い込みです。
修正進める米国…ロシアの次の狙いは?
ところで、今回の米国案は、外交文書としても極めてお粗末で、国務省や国防総省が目を通していないことは確実です。
一例を挙げましょう。10年に米ロが署名した新戦略兵器削減条約(新START)のことを1991年に米国とソ連が署名した第1次戦略兵器削減条約(START1)と誤記している点は、まじめに米ロ関係をウォッチしている人ならば、犯すはずのない誤りです。
こうして見ていくと、今回の28項目の米国案は、ロシアが事前に了解した案ではないでしょう。米国の、それも専門知識のない素人が、ロシア側との意見交換を踏まえて、勝手に書き上げたという印象です。
実際、欧米メディアなどによると、今回の米国案をまとめたのはウィトコフ中東担当特使でした。不動産業界出身で、トランプ氏とはゴルフを通じて親しくなった人物です。
彼が、ロシア側窓口の政府系ファンドのドミトリエフ総裁との意見交換を踏まえて、文案を作ったということであれば、お粗末な中身もうなずけます。
とにかく停戦させたいトランプ氏の意を受けて、ウィトコフ氏が停戦案の作成を急ぐ。ロシア側は現状で停戦する気はさらさらないが、前のめりな米国につけ込んで、付き合うふりをしている。私には、このように見えるのです。
ウクライナや欧州、さらには国内からの反発を受けて、米国はウクライナ側に歩み寄った修正案作りを進めています。米国側でこの動きを主導しているのが、ルビオ国務長官です。
ルビオ氏はトランプ政権の中にあって、ロシアに厳しい姿勢で知られています。かつてプーチン氏のことを「ギャング」と呼んだこともあります。
米国が10月にロシアの石油最大手ロスネフチと2位のルクオイルを制裁対象とした際にも、ルビオ氏の判断が大きく影響したとみられています。
こうした状況の中で、ロシアは次に何を狙うでしょうか。
ルビオ氏や、彼が関与した修正案は相手にしない。ウィトコフ氏にはプーチン氏が会うなど厚遇し、停戦に前向きな言葉をささやく。その結果として、トランプ氏がルビオ氏を交渉ラインから外して、ウィトコフ氏の言うことだけに耳を傾けるように仕向ける。ウクライナからは目をそらさせて、ロシアとの関係改善を先に進めさせる――。おそらくこんなところではないでしょうか。かつての日ロ交渉でも、似たようなことが起きたことを思い出します。
米露のウクライナ和平案協議、5時間に及ぶも進展なし…領土問題や安全保証巡り平行線か
2025/12/03 21:54 読売新聞
ロシアのプーチン大統領は2日、モスクワで米国のスティーブン・ウィトコフ中東担当特使らと会談し、ウクライナ情勢を巡る米国主導の和平案を協議した。露側の説明では、侵略を続けるロシアが要求するウクライナ領の扱いなどで溝が埋まらず、具体的な進展はなかった。

会談するロシアのプーチン大統領(右から3人目)ら(2日)=AP
会談には、露側からは、ユーリー・ウシャコフ大統領補佐官のほか、10月にウィトコフ氏とロシアの主張に近い当初の和平案を策定したとされるキリル・ドミトリエフ大統領特別代表が参加した。米側からはトランプ氏の娘婿のジャレッド・クシュナー元大統領上級顧問が同席した。会談は約5時間に及び、3日未明まで続いた。
ウシャコフ氏によると、米側はウクライナ危機の長期的かつ平和的解決に向けた27項目の和平案を提示。ただ、ウシャコフ氏は会談後、記者団に「まだ妥協案は見つかっていない」と述べた。露側が掌握したウクライナ領を含む領土問題やウクライナの安全の保証を巡り、ロシアとウクライナの立場の違いが埋まらず、協議は平行線をたどったことを示唆した。
会談の詳細は公表されていないが、プーチン氏は露軍が支配していない地域を含むウクライナ東部ドンバス地方(ドネツク州とルハンスク州)全域の割譲などを要求したとみられる。ウクライナは拒否している。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は3日、SNSで代表団を米国に派遣すると明らかにし、「真の和平を追求するために建設的に取り組む」と訴えた。
ウィトコフ氏の訪露は8月以来で、第2次トランプ政権の発足後では6回目。クシュナー氏は初めて。2人は米フロリダ州でウクライナ高官と協議後、モスクワ入りした。
上下ともクリックしてくださると大変うれしいです。
