27日投開票の衆院選で、原発活用の是非を巡る見解が論点の一つになっている。与党・自民党は、前政権が掲げた「原発の最大限活用」の方針を公約に採用し、石破茂首相が総裁選で言及した「原発ゼロ」は封印した。野党では、国民民主党が従来方針から一転、原発の新増設推進を打ち出す。主要政党の公約をみると、「原発回帰」を印象づける主張が一部で強まっているようだ。

 「人工知能(AI)時代で電力需要の増加が見込まれる中、原発の利活用も必要」。石破首相はこう述べ、電力の安定供給と脱炭素社会の実現のために原発の活用を訴える。連立与党である公明党も、岸田前政権が進めてきた原発活用を軸とする経済政策を支持する。

 野党側は「原発ゼロ」への距離感で差異が見える。党綱領で「原発ゼロを一日も早く実現する」とする立憲民主党。原発の新増設は明確に反対しつつ、地元合意や避難計画の策定を条件に再稼働は容認する姿勢だ。共産党は2030年度に原発ゼロ、れいわ新選組は即時禁止、社民党も脱原発を掲げ、再生可能エネルギーの強化を訴える。

 国民民主党は「次世代革新炉の開発・建設(建て替え・新増設を含む)を進める」と明記。22年の参院選では「新増設は行わない」としていた立場を転換した。日本維新の会も、次世代原発の活用を掲げ、参政党は「脱炭素政策と行き過ぎた再エネ推進を見直す」としている。(編集委員・東海右佐衛門直柄)