
ウクライナ侵略戦争の停戦について8月15日に米露首脳会談。トランプ・プーチン両大統領が、ロシア軍がまだ占領していない地域からもウクライナ軍が撤退することでロシアに差し出すのを停戦内容にする予定(呆)
まさに口先三寸の詐欺師。地面師か!

ピエール瀧でもドナルド・トランプの詐欺師ぶりには敵わない。
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2025年8月15日にアメリカのトランプ大統領がアラスカにロシアのプーチン大統領を招いてウクライナ戦争の停戦だか和平だかについて首脳会談を開きました。
そもそも、自分が大統領になったら24時間でロシアとウクライナに停戦をさせるといっていたのがトランプ大統領なのですが、まだ停戦などしたくないプーチン大統領と会ったら案の定コロッと意見が変わりまして、8月16日に
「ロシアとウクライナの恐ろしい戦争を終わらせる最善の方法は、しばしば持続しない単なる停戦合意ではなく、戦争を終わらせる和平合意に直接進むことであると全員が判断した」
と言い出したんです。
停戦合意もできないのに和平合意ができるわけないでしょう(笑)。

最初から停戦協議などする気がなかったプーチン大統領とトランプ大統領の米露首脳会談で停戦の話はやはり出ず、トランプ氏は「戦争を終わらせる最善の方法は停戦合意ではなく和平合意だ」と言い出した(笑)。
そもそも、トランプ大統領は米露首脳会談の1週間前の8月8日までにロシアが停戦に応じなければ追加制裁を科すと表明していたのですが、プーチン大統領が米露会談に応じることになったら追加制裁発動も見送り。
さすがロシアの「資源」(アセット)と言われ続けているトランプ大統領ですから、プーチンの手のひらの上でもてあそばれているかのよう。
そしてトランプ氏はその8日にウクライナとロシアが
「いくつかの領土を交換し、両者にとってより良いものにするつもりだ」
と両国が領土交換をすると言い出したんです。



ウクライナとヨーロッパの首脳がプーチン・トランプ米露首脳会談にあたり「停戦を最優先し、ウクライナの安全保障を守ること」を要求し、「ウクライナ抜きの領土交渉は絶対に許さない」と要求しているのは当然だ。
ちなみに、ロシアは2022年9月に国際法に違反してウクライナ東・南部4州(ドネツク、ルハンスク、ヘルソン、ザポリージャ)を一方的に強制併合宣言をしました。
そのうち、ドネツク州は実際にはロシア軍は7割ちょっとしか占領できていないのですが、ウクライナ軍は残り3割から撤退せよというのが領土交換案。
では、ロシアは自国領土かせめて既に占領している4州のウクライナの土地を返すのが領土交換かと思ったら、ロシア軍がヘルソン・ザポリージャ両州について現在の前線で攻撃を停止するのが領土交換だというのです。
ロシアはウクライナが手放す領土の代わりに1ミリもどこの領土も差し出していないんですよ。
ドナルド、交換の意味わかってる?


ロシアが完全制圧したのは2015年に侵略したクリミア半島以外はルハンスク州だけ。クリミア半島を合わせてもウクライナの領土の2割に過ぎない。
ロシアからの侵略戦争を仕掛けられたウクライナも、行司軍配役が相手の味方でしかもいい加減というトランプ大統領で本当にお気の毒なんですが、この領土交換の定義変更に匹敵するくらい驚いたのが、今からご紹介するウクライナの「安全の保証」に関する話です。
曲がりなりにもウクライナ戦争の仲介役を買って出たトランプ大統領がいきなりロシアとウクライナの和平交渉をすると宣言したわけで、そうなるとロシアが侵略したウクライナの領土をどうするかという問題とともに、今後ロシアがウクライナを二度と侵略しないという何らかの保証が絶対に必要になります。




ロシアが侵略したクリミア半島とウクライナ本土の占領地を事実上ロシア領と認める「停戦」案について、トランプ大統領が「ロシアが停戦してウクライナの全土を奪うことをやめることは大きな譲歩だ」と正当化(呆)。
これに関してトランプ大統領はウクライナの安全の保証について
「ウクライナの安全保障にアメリカがコミットする」
と表明し、欧州各国とともにウクライナの安全体制を支えると言って米軍の派遣まで言及したのですが、アメリカファーストのMAGA集団にそれは違うと猛反発されて、アメリカ陸軍がウクライナに出張る話は案の定なくなりました。
もちろんNATOにウクライナが加盟するのは論外だとロシア側が拒絶するので、それと似た枠組みでロシアが和平合意後にあらたに戦争を再開したら、今度は欧米がウクライナを守るというような話が出ています。
それがきっちり行われるなら、ウクライナがNATOに加盟して集団安全保障の枠組みに入るのと全く同じなんですがね。

和平合意どころか停戦合意もこれでまとまるわけがない。
『ロシア、ウクライナに事実上の「降伏」を要求』(朝日)。『ロシアの和平案 事実上の「降伏勧告」で和平見通せず』(産経)。伊勢崎賢治氏らウクライナだけに「即時停戦」を求める「今こそ停戦を」派は降伏論者だ
そして、ここからが驚く話なんですが、2004年から外務大臣をやっている、プーチン政権の中でプーチン大統領の次に古いラブロフ外相が、ロシアの再侵略を防ぐウクライナの「安全の保証」について
「ロシア抜きで安全保障の問題を真剣に協議しようとすることは妄想だ」
と述べて、ウクライナの安全の保証にはロシアの関与が欠かせないと言い出したんです。
いや、あんたらがまた侵略しないように和平合意をどう守らせるかという話なのに、侵略者のロシアがウクライナの安全の保証の仕組みに関与したらかえって危ないでしょうが!


2025年6月20日の国際会議でプーチン大統領は「ロシア人とウクライナ人は一つの民族」であり「その意味で、ウクライナ全体がわれわれのものだ」と主張し、「我々には古くからのルールがある。ロシア兵が足を踏み入れた場所は、我々の領土だ」とまで言い切った。
プーチン大統領が日本で選挙戦をしたらそのキャッチコピーは「侵略を止めるな」。
プーチン大統領が本音全開演説。「ロシア人とウクライナ人は1つの民族だ」「その意味ではウクライナ全土が我々のものだ」「我々には古くからのルールがある。ロシア兵が足を踏み入れた場所は我々の領土だ」(呆)
普通はウクライナとロシアの間に非武装地帯を設けてそこに第三国が監視軍を置くというのが安全の保証です。
ところが、ラブロフ氏はウクライナの安全の保証に関して、国連安全保障理事会常任理事国の露中米英仏などが「平等の立場」で参加し、実現しなければならないと主張しています。
これは国連安保理で常任理事国が拒否権を使えるのと同様に、ウクライナの安全の保証についてもロシアが拒否権を使えるようにするという意味だろうと言われています。
つまりですね。
ロシアはウクライナの安全を保証する気なんてない、いつでも再侵略するぞってことなんです。
トランプ大統領の朝令暮改ぶりにもいつもながら驚きますが、それとは真逆のロシアの首尾一貫した徹底した侵略者ぶりも、これはこれで恐れ入りました。

「プーチンの知恵袋」政治学者セルゲイ・カラガノフ氏がロシア人を 「神聖な民族」、ロシアを「アジア型帝国」、理想的な政体は「独裁政治の要素を含むリーダーシップ民主主義」だと主張する論文を発表。
参考記事
ニューズウィーク
米ウ首脳会談のトランプ・ゼレンスキー関係改善を、MAGAが「猛批判」している理由
編集後記
今週うちの事務所を顧問弁護士にしてくださったある企業の代表が
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ウクライナの「安全の保証」、ロシアが関与主張…ラブロフ外相「ロシア抜きの協議は妄想」
ラブロフ氏は安全の保証に関して、国連安全保障理事会常任理事国の露中米英仏などが「平等の立場」で参加し、実現しなければならないと主張した。安保理のようにロシアが拒否すれば提案を覆せる枠組みを想定している可能性がある。
ロシアは北大西洋条約機構(NATO)加盟国の軍部隊がウクライナに配備されることに反対しているが、安全の保証では英独仏などが地上部隊を派遣し、米国が航空支援を行う案が示されている。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は月内に関連文書を交わすと主張しており、ロシアは自国の意向が反映されずに協議が進むのを阻止したい考えだ。ラブロフ氏は「我々は正当な利益を断固確保する」と述べ、ウクライナのNATO加盟を拒否する立場を改めて強調した。
プーチン露大統領とゼレンスキー氏の直接会談を巡っては、ラブロフ氏は「交渉の集大成となるべきで、最大限に綿密な準備が必要だ」と述べ、早期開催は難しいとの考えを示した。
ロシアのラブロフ外相は、停戦後のウクライナへの安全の保証をめぐり、欧米の議論が活発化していることを受けて「ロシア抜きで解決しようとしていることには同意できない」などと述べ、ロシアの立場を尊重するようけん制しました。
停戦後のウクライナへの安全の保証をめぐっては、アメリカのトランプ大統領がヨーロッパ各国が地上部隊を派遣し、アメリカは航空面などで支援する枠組みになる可能性を示すなど、欧米の議論が活発化しています。
こうした中、ロシアのラブロフ外相は20日、ヨルダンの外相と会談したあとの記者会見で「集団安全保障の問題をロシア抜きで解決しようとしていることには同意できない。それは不可能だろう」と述べ、ロシアの立場を尊重するよう欧米をけん制しました。
その上で「われわれは自国の正当な利益を断固かつ厳格に確保していく」と強調しました。
また、ラブロフ外相は、先のプーチン大統領とトランプ大統領との電話会談で、ロシアとウクライナがトルコで行ってきた直接会談に関連し、プーチン大統領が会談を継続するとともに代表団のメンバーのレベルを引き上げることを提案したと明らかにしました。
一方、ロシア国防省は20日、ウクライナ東部のドネツク州とドニプロペトロウシク州であわせて3つの集落を掌握したと発表し、停戦に向けた動きが出る中でもロシア軍による攻撃が続いています。
ウクライナ和平は前進したのか トランプ氏「安全の保証」表明も詳細不明、ロシアとの三者会談に懐疑論
8/20(水) 10:26配信
ロイター
世界の注目を集めた米ウ首脳会談が18日に行われた。ウクライナのゼレンスキー大統領や同席した欧州首脳らは、トランプ米大統領がウクライナの安全の保証に米国として関与する姿勢を示したことを歓迎し、ゼレンスキー氏も会談を「大きな前進」と評価した。ただし、その具体的な中身は依然として不透明である。さらにロシアは、欧米が期待するプーチン大統領とゼレンスキー大統領の直接会談について何ら確約しておらず、実現性は不明だと専門家は指摘する。和平に向けた歩みが本当に進んだのかどうか、なお見極めが必要である。
トランプ米大統領は19日、ウクライナ戦争の終結に向けてロシアのプーチン大統領が前進することを望むと述べた。トランプ氏はこの前日、ホワイトハウスでウクライナのゼレンスキー大統領と会談を行った。
しかしトランプ氏は、米フォックスニュースの番組で、プーチン氏がまったく合意に応じない可能性もあると認めた。
18日にワシントンで行われた会談に参加したフィンランドのストゥブ大統領は、プーチン氏が米ウ首脳との三者会談に応じるかは依然として不透明だと述べた。英王立国際問題研究所「ウクライナ ・フォーラム」のオルガ・トカリウク准研究員も、三者会談について同様の懸念を示した。
英王立国際問題研究所「ウクライナ ・フォーラム」 オルガ・トカリウク准研究員
「本当にプーチン氏とゼレンスキー氏の会談が実現するか見極める必要がある。これまでプーチン氏はゼレンスキー氏との会談に極めて消極的だった。プーチン氏はゼレンスキー氏を正統な指導者、正統な大統領と見ておらず、ウクライナを独立した主権国家、正当な存在と認めていない」
トランプ氏は19日、米軍地上部隊のウクライナ派遣を改めて否定。戦後の和解に基づき米国がウクライナに提供する安全の保証の具体的な内容について明言しなかった。ただニュースサイト「アクシオス」の報道によれば、トランプ氏は空軍を通じた支援を約束したという。ホワイトハウスのレビット報道官はこの点について次のように述べた。
ホワイトハウス レビット報道官
「大統領が今朝のインタビューで言及したものだ。それは1つの選択肢であり、可能性だ。大統領の手元にある軍事的選択肢について、私は何も排除しない。判断は大統領に委ねる。ただ1つ言えるのは、大統領は地上部隊の派遣を明確に否定している」
ウクライナと欧州諸国は、和平へとつながるウクライナの安全の保証にトランプ氏が米国の関与を表明したことを歓迎しており、ゼレンスキー氏も会談は「大きな前進」だったと評価した。しかしなお多くの未解決の疑問に直面しており、とりわけロシアが協力する意思をどこまで持つかが課題となっている。
焦点の1つは停戦の有無である。トランプ氏は停戦を合意の前提条件とはしないと述べたが、欧州の指導者らは依然として停戦を強く求めている。国際関係が専門で独ルートヴィヒ・マクシミリアン大学のモーリッツ・ヴァイス氏はこう指摘する。
独ルートヴィヒ・マクシミリアン大学(国際関係論モーリッツ・ヴァイス氏
「現時点で大きな問題は停戦が存在しないことだ。つまり、トランプ氏はある意味でこの問題を曖昧にし、プーチン氏は停戦を望んでいない、それはわかっていると述べることでこの問題と向き合うことを避けた。これは極めて重要な点だ。一方が停戦を前提条件とし、他方がそれを望まないとなれば、その後の協議に困難が生じるからだ」
ロシアは、プーチン氏とゼレンスキー氏の会談について明確な約束をしていない。ロシアのラブロフ外相は19日、ロシアはウクライナ和平協議についていかなる形式も拒むものではないと述べる一方、首脳会談については「最大限の慎重さをもって準備されなければならない」と強調した。
和平への道筋はいまだに不透明感が色濃く残っており、ゼレンスキー氏は戦争を終結させるために痛みを伴う妥協を迫られる可能性がある。この戦争は2022年、ロシアによる全面侵攻で始まった。専門家の分析によれば、この紛争で100万人以上が死傷したとされる。
[ワシントン/ロンドン/キーウ/アンカラ 19日 ロイター] - トランプ米大統領は19日、米国によるウクライナの「安全の保証」への関与について、米軍の地上部隊を派遣する可能性を否定した。和平合意の一環として、空軍を通じた支援を行う可能性はあるとした。
トランプ米大統領は18日にホワイトハウスで行ったウクライナのゼレンスキー大統領との会談で、米国がウクライナ戦争終結のためのいかなる合意においてもウクライナの安全保証を「支援する」と表明した。
トランプ大統領はFOXニュースとのインタビューで「安全保証に関しては、(欧州諸国は)地上部隊の派遣に前向きだ。われわれは特に空軍による支援などを通じ、彼らを支援する用意がある」と語った。
ホワイトハウスのレビット報道官は、空軍による支援について「選択肢かつ可能性」と確認しつつも、詳細には踏み込まなかった。
一方、米当局者や関係筋は19日、米国と欧州の軍事計画担当者がウクライナの「安全の保証」について検討を開始したと明らかにした。
当局者らは、国防総省が武器提供以外に米国ができる支援について検討していると語ったが、軍事的に実現可能で、かつロシアが受け入れ可能な支援内容をまとめるには時間がかかるとの見方を示した。
関係筋2人はロイターに、欧州軍をウクライナに派遣し、その指揮統制を米国が担う選択肢もあると語った。北大西洋条約機構(NATO)軍ではなく、各国部隊として活動する構想だという。
国防総省とNATOはコメント要請に応じていない。
ロシア外務省は、和平合意を支援するためのNATO諸国からの軍隊派遣を拒否している。
<プーチン大統領とロシアの動き>
トランプ大統領はFOXとのインタビューで、ロシアのプーチン大統領がウクライナにおける紛争の終結に向けて「ディール(取引)を望まない可能性もある」とし、今後2週間でプーチン氏の行動を評価すると述べた。
プーチン氏が紛争終結に向けて前進することを望むとしつつも、合意に至らなければ、プーチン氏は「厳しい状況」に直面すると警告した。
トランプ氏は、プーチン氏とゼレンスキー氏の会談の手配を始め、両首脳の会談に続き、自身も含めた3者会談を行う考えを示しているものの、ロシア側はこれまでに、ロシア・ウクライナ首脳会談について明確なコミットメントを示していない。
ラブロフ外相は19日、ロシアはウクライナ和平を巡りいかなる形式での協議も拒否しないとしつつも、首脳会談は「最大限の綿密さをもって準備されなければならない」と述べた。
ウクライナでの戦闘に収束の兆しも見られない。ウクライナのエネルギー省は19日、中部ポルタワ州のエネルギー施設が夜間にロシア軍の巡航ミサイルと無人機(ドローン)による攻撃を受け、大規模な火災が発生したと発表。ウクライナ当局者はロシアのプーチン大統領が平和を望んでいないことの表れだと非難した。
ただ、ロシアとウクライナはこの日、戦死した兵士の遺体を相互に返還。ウクライナ当局によると、ロシアはこの日、戦死したウクライナ兵1000人の遺体をウクライナに返還した。タス通信によると、ロシアは見返りにロシア兵19人の遺体を受け取ったという。
<活発な外交活動続く>
ウクライナを支援する「有志国連合」はこの日協議を開き、ロシアへの圧力を強めるための追加制裁について協議した。また、ウクライナへの安全の保証確保に向けた計画を進めるため、今後数日中に担当チームを米国に派遣し、会合を開くことで合意した。
ゼレンスキー大統領はXへの投稿で「有志国連合の全メンバー、特に米国と、安全保証の構造についてあらゆるレベルで具体的な作業に積極的に取り組んでいる」と述べた。
また、NATOの軍事指導部は20日に会合を開き、ウクライナ問題を協議するため会合を開く見通し。これに先立ち、ルッテNATO事務総長はこの日、トルコのエルドアン大統領氏と電話会談を行い、ウクライナに対する実現可能で持続可能な安全の保証について協議した。このほか、ルビオ米国務長官がトルコのフィダン外相と電話会談を行い、戦争終結に向けた措置などについて話し合った。

【モスクワ=桑本太、ワシントン=飛田臨太郎】トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領が15日、米国のアラスカ州で会談することになった。トランプ氏が8日、自身のSNSで明らかにした。トランプ氏はロシアとウクライナの「領土交換」を提起しているが、米ロ首脳会談で停戦への道筋をつけられるかは見通せない。
米ロ首脳が会談するのは2021年6月の当時のバイデン大統領とプーチン氏以来、およそ4年ぶり。22年2月に始まったロシアのウクライナ侵略後は初めてとなる。
トランプ氏は8月8日までにロシアが停戦に応じなければ追加制裁を科すと表明していたが、会談の開催決定を受けて発動を見送った。7月以降はウクライナへの攻撃を激化させたロシアに厳しい姿勢をみせていたが、再び融和姿勢に転じつつある。
トランプ氏は8日に「いくつかの領土を交換し、両者にとってより良いものにするつもりだ」と言及した。「非常に複雑だ」とも述べ、停戦条件を巡る協議は容易でないとの見方を示した。

条件闘争はすでに始まっている。
米ブルームバーグ通信は8日、関係筋の話として、プーチン氏がウクライナ東部ドンバス地域(ドネツク、ルハンスク両州)や南部クリミア半島の領土割譲を求めていると伝えた。
ロシアが一方的に併合したウクライナ東・南部4州(ドネツク、ルハンスク、ヘルソン、ザポリージャ)のうち、ヘルソン、ザポリージャ両州については現在の前線で攻撃を停止することを停戦案として検討しているという。
ロシアはこれまで、制圧を進めるウクライナ東・南部4州について、ウクライナ軍の撤退と国際的な承認を求めていた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は9日、領土交換案を含め「占領者に土地を明け渡すことはない」と反発し、ロシアへの一部領土の引き渡しを拒んだ。
ウクライナ侵略は8月で3年半となり長期化している。米ロ首脳会談で停戦を仲介する米国がロシアとウクライナの双方にとって受け入れ可能な停戦条件を示せるかが最初のハードルとなる。

早期停戦を急ぐトランプ氏に対し、プーチン氏の狙いは時間稼ぎだという指摘はある。
プーチン氏は1日の記者会見で停戦条件で譲歩しない方針を改めて示した。ロシアとウクライナは7月に3回目の直接協議を開いたが、ウクライナが無条件での即時停戦を訴え、ロシアは「危機の根本原因の除去」を求めて議論は平行線をたどった。
その間にもロシア軍はウクライナ東部ドネツク州などで攻勢をかけており、ロシア国防省は7月31日、同州の要衝であるチャシフヤールを制圧したと発表した。戦況面で優位に立つロシアからは停戦協議で時間を稼いで、自国に優位な状況での決着をめざしたいとの思惑が透ける。
ロシアは米国との経済協力もちらつかせ、融和姿勢をみせるトランプ政権との外交関係の改善も探る。ロシアのウシャコフ大統領補佐官(外交担当)は9日、アラスカや北極圏で「相互に利益をもたらすプロジェクトが見込まれる」とも言及した。
停戦合意が実効性あるものになるかは戦争の当事者であるウクライナを含めた首脳会談を開くかどうかにかかる。ウクライナは自国の頭越しに米ロ間で話し合いが進み、ロシアに有利な停戦条件になりかねないと警戒する。
ゼレンスキー氏は9日、「ウクライナを排除した解決策は機能しない」と強調した。7日にはロシアを含む3首脳の会談について「ウクライナは会談を恐れていない」と話し、プーチン氏に直接会談の開催を迫った。
プーチン氏はゼレンスキー氏との首脳会談に慎重な姿勢を崩さない。7日の記者会見で「一定の条件が整う必要がある」と述べるにとどめた。
ロシア側は米ロ両国が主導する形で停戦条件を詰める狙いとみられる。ウシャコフ氏は9日、早くも15日に予定する会談に続く次回の会談について触れ、ロシアで開催される見通しで「トランプ氏に招待状を送付した」と語った。
米ロ間の協議が物別れに終わり、停戦が実現しない可能性はある。
その場合はトランプ氏がいったん延期した追加制裁を発動することが見込まれる。ロシアからの輸入品に100%といった高い関税をかけ、ロシアから石油を購入する第三国にも同様に高い関税を課す案がある。
それでも進展が見込めないときはトランプ氏が停戦仲介への関心を失い、再びロシアに圧力をかける路線に転じるとの見方がある。ロシア産原油の主要な買い手である中国とインドを念頭にロシアの戦費調達に打撃を与える目的がある。
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