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アメリカ合衆国によるイランへの攻撃については、本当にたくさんのことを思い、感じ、考えています。
まず、うちは弁護士ブログでありますから、法律的な論点について言及したいと思います。
アメリカのトランプ大統領が2025年6月21日、イランの核施設3カ所を空爆したとSNSに投稿しました。
世界が震撼したこの投稿によると、攻撃したのはフォルドゥ、ナタンズ、イスファハンの3カ所で、
「攻撃は非常に成功し、完了した」
「偉大な米国の軍人たちに祝辞を贈る。世界中でこの任務を遂行できる軍隊は他にない。今こそ平和のときだ!」
「米国、イスラエル、そして世界にとって歴史的な瞬間だ。イランは、この戦争の終結に同意しなければならない」
と主張しました。
全く神にでもなったつもりか、何様のつもりだというのが一般市民としての私の感想です。


「東京都議会選も終わったことですし、たぶん、宮武嶺弁護士がもっと体系的な記事にしてくれる気がするんですね。ということで、おあとよろしく!笑」
(ヒー!声にならない私の悲鳴!www)
参考記事 村野瀬玲奈の秘書課広報室さんより
イスラエルによる一方的なイラン破壊攻撃を「イスラエルの自衛権の行使」とするG7が言語と倫理を破壊。そしてトランプ分断国によるイラン攻撃。許さない。
まず、法律的に言うと、アメリカによるイラン攻撃は国連憲章違反です。
国連憲章第2条4項は、
「いかなる国も他国の領土保全や政治的独立を侵害する武力による威嚇または行使をしてはならない」
と定めていますから、核施設に限らず、武力攻撃自体が原則として禁止されるのです。
その例外としては、安全保障理事会の決議や自衛権の行使(憲章第51条)などが認められますが、イランの核開発に関する国連安保理決議は経済制裁などだけが規定されていて武力行使を容認するような条項はありません。
もちろん、イランがアメリカに武力行使をしたり威嚇していたわけでもありませんから、アメリカ自体の自衛権の行使という主張も認められる余地がありません。
また、国連憲章は集団的自衛権の行使を一定の要件で認めていますが、アメリカの同盟国であるイスラエルもイランに先制攻撃したのであって自衛権の行使とは認められませんから、アメリカがイスラエルに助太刀したという構図でとらえても、アメリカによるイラン攻撃が集団的自衛権の行使として許容される可能性はゼロです。
今回の国連安保理常任理事国であるアメリカ合衆国によるイランへの武力行使は、同じく常任理事国であるロシアによるウクライナ侵略と同じで、その国連の基本法である国連憲章に真っ向から違反するものとして、非常に重大かつ深刻な違法行為であることを忘れてはなりません。

イスラエル軍によるガザ攻撃が激化し600人以上が死亡。うち200人以上が子ども。トランプ米大統領がイスラエルのガザ攻撃を「全面支持」 。ネタニヤフ首相がトランプ大統領ばりのディープステート陰謀論を展開
さて、次に、アメリカによる攻撃の主な対象がイランの核施設だということに関しては、国際人道法(ジュネーブ諸条約)違反であることを指摘しなければなりません。
ジュネーブ諸条約第1追加議定書第56条では、
「ダム、堤防および原子力発電所」
など「危険な力を内蔵する工作物及び施設」は、たとえ軍事目標であっても、攻撃によって危険な力の放出が生じ、民間人に大きな損害をもたらす場合は攻撃してはならないと明記されています。
そしてもちろんこの規定は、原子力発電所や核燃料施設など、放射能漏れなどの大規模な二次被害をもたらすおそれのある施設に特に適用されます。
ですからロシア軍によるウクライナにある欧州最大の原発ザポロージェへの攻撃がジュネーブ条約違反だったように、アメリカによる核施設への攻撃は同条約違反であって国際法違反なのです。
トランプ大統領がやっていることはあこがれの独裁者プーチン大統領の違法行為をなぞっているかのようです。
石破首相はイスラエルによるイランへの先制攻撃の時にはせっかくイスラエル批判をしたのに、トランプ大統領によるイラン攻撃後は
「事態を早期に沈静化することがまずは何よりも重要だ。同時にイランの核兵器開発を阻止しなければならない。重大な関心を持って状況の推移を注視している」
と述べてしまい、批判精神を放棄。
記者団から、今回のアメリカの攻撃を日本政府として支持するか問われたのに対しては
「これから政府内できちんと議論する。しかるべき時にお答えする」
と述べたのですが、これだけてんこ盛りに国際法違反のアメリカの行為をどう正当化できるというのか。
イスラエルによるイランへの先制攻撃について、日本を含むG7がイランの核開発を非難し、イスラエルの「自衛権」と「安全保障」を約束する噴飯物の共同声明を発表。しかもトランプ米政権はイランへの直接攻撃を準備
さらにIAEA(国際原子力機関)は
「平和的利用に供される原子力施設に対するいかなる武力の行使や威嚇も、国連憲章や国際法、IAEA憲章に違反する」
との立場を明確にしていますが、このIAEA憲章も国際協定ですから国際条約の一種ですので、アメリカのイラン核施設攻撃はこの協定を破るもので国際法違反です。
トランプ信者は「トランプ大統領は戦争しない平和主義者」だと称えてきたのですが(-_-;)、実は第一次政権でもアフガニスタンへの猛攻撃をしていたのがトランプ大統領。
そして第二次政権になってからのトランプ大統領は武力行使をしてでもデンマークからグリーンランドを奪うことも辞さないとか、パナマ運河の権益を取り戻すとか、極端に武力行使重視と戦争中毒の様相を呈しています。
トランプ次期米大統領がパナマ運河の管理権取得やグリーンランドの領有のためにパナマやデンマークに軍事的手段を用いることも辞さず。さすがウクライナを侵略するプーチン大統領を支持するだけのことはある(呆)
トランプ大統領がカリフォルニア州への軍隊投入に続いて首都ワシントンで自分の誕生日に軍事パレード。全米2100か所以上で500万人が「王はいらない」抗議デモ。これは独裁者対市民のシビルウォーの始まりだ。
核施設を攻撃したら放射性物質の放出によりイランと地球が汚染される可能性もあるのです。
だからこそジュネーブ諸条約など国際法はそのような危険な施設への攻撃は特に禁止しているわけで、プーチン大統領に続いて核タブーを犯したトランプ大統領は戦争犯罪人です。
プーチン、ネタニヤフに続いてトランプにも国際刑事裁判所は逮捕状を出すべきです。

ウクライナでもガザでもイランでも、弱い者には降伏を勧めるだけしか能がないトランプの「ディール」。
トランプ大統領のウクライナ戦争和平構想がロシアの侵略を是認し、ロシアが侵略したクリミア半島併合を承認し、ウクライナのNATO加盟を排除するという親露派丸出し。ゼレンスキー大統領が呑めなくても仕方がない
トランプ政権がイスラエルのネタニヤフ首相に逮捕状を出したからと国際司法裁判所判事に制裁。ガザ地区に関する国連安保理の人道決議に拒否権行使。移民取り締まりに抗議する米市民に州兵2000名を派兵する異常性
編集後記
このアメリカによるイラン攻撃については何本も記事を書かないといけないと思いますが、トランプ米大統領は攻撃翌日の6月22日、自身のトゥルースソーシャルに
「現在のイランの体制が『イランを再び偉大に』できないなら、なぜ体制転換が起きないのか」
と主張しました。
ロシアのプーチン大統領がウクライナ戦争停戦の条件として「非ナチ化」=ゼレンスキー政権の打倒をあげているのと全く同じ発想です。
その国の体制はどんなに欠陥があっても主権者である国民が決めるべきこと。
武力によってロシアやアメリカが他国の体制や政権を決める「力による変更」は国家主権も国民主権も踏みにじるもので、絶対に許されないのです。
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◆米軍 バンカーバスター14発 トマホーク24発以上
◆イラン、報復を示唆「米国市民と米軍が正当な標的となった」
◆多国間主義や「法の支配」がないがしろにされた
イランのアラグチ外相は22日、訪問先のトルコ・イスタンブールでの記者会見で「核拡散防止条約(NPT)はイランを守ることに失敗した。これは深刻な問題だ」と指摘し、米軍によるイランの核施設への攻撃を厳しく非難した。さらに「核の平和利用に関心を持つイランのような国がNPTに頼れるだろうか」とも語り、NPT体制そのものへの不信感を示した。
米国はNPTで核兵器の保有を認められている一方、イスラエルは未加盟のまま核武装しているとされる。アラグチ氏は「核保有国にNPT加盟国のイランが攻撃を受けている。非難しなければ、NPT体制が揺らぐ」と強調。核施設への先制攻撃により「国連憲章やNPTが傷ついた」と訴え、国際社会に対応を求めた。
さらに「外交の扉は常に開かれているべきだが、いまはそのときではない。イランは自衛権に基づき対応せざるを得ない」と述べ、現時点での交渉による解決には否定的な見方を示した。
イランでは今回の攻撃を受け、「NPT脱退」を主張する声も出ており、イラン政府が今後、選択肢として検討する可能性もある。【カイロ金子淳】





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