
共和党の大統領候補ミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事が、2012年5月にフロリダ州で開かれた資金集めのイ ベント(非公開)で、「米国民の47%が連邦所得税を払っておらず、政府に依存するのが当然だと思っている層だ」と語っていたことが、9月になって判明し、 国民の半数を見下した発言だとして、あらたな舌禍事件となっています。
低所得者層は社会福祉に相応する納税をしていないという都市伝説は、アメリカや日本の新自由主義者・小さな政府論者がよく使う言い回しです。
アメリカでは、確かに連邦所得税に限って言えば47%という数字は間違いではないそうですが、そこでは源泉徴収された給与税、消費税や物品税など、さまざまな形で税を納めている人たちが計算に入れられていないのだそうです。
米税務政策センターと課税・経済政策研究所のデータによると、国民の28.3%は給与税という形で税金を払っており、その税収は社会保障やメディケア(高齢者医療保険制度)に回されています。ちなみに現役世代なのに所得税を払っていない人々は6.9%しかいませんし、高齢になり仕事を引退したため連邦所得税を払っていないのは10.3%ですが、この人たちも日本の消費税のような間接税は支払っています。
日本でも生活保護受給者は当然消費税・酒税・たばこ税などの間接税を支払っているし、貯蓄が許されないため所得の全額を消費しており、彼らへの保護費支給がそのまま景気対策にもなっていることが語られていません。
アメリカも日本も、ロムニー氏や新自由主義者が考えているような「たかり屋の国」ではないのです。
ちなみにロムニー氏が9月21日に公表した2011年の納税申告によると、ロムニー夫妻の2011年の所得は約1369万ドル(約10億7000万円) で、連邦税の実効税率はたった14.1%だということです。これは、累進課税率の低いアメリカでも、ロムニー氏ら上位1%の高所得者に適用される所得税率をはるかに下回る数字です。
これは、証券取引による所得税が15%と優遇されていることに加えて、モルモン教に多額の寄付をして寄付控除を受けているからだそうです。
日本からケイマン諸島に個人投資家が15兆円の証券投資 消費税増税より富裕層に富裕税をかけよう

(富裕層の圧力で日米英すべて所得税の累進課税率は下がる一方で、貧富の差が拡大した)
ちなみに、日本の証券取引であげた利益にかかる税金は何パーセントだと思いますか?なんとmアメリカ以下の10%に過ぎません。これは、証券取引についての課税を20%とする証券取引への優遇制度があり、しかも、今は株式取引を活性化させるという名目でさらに10%に引き下げられているからです。
しかも、この証券取引に対する課税は総合課税ではなく、分離課税となっています。
分離課税を少し説明しますと、今の所得税の最高課税率は40%とされていますが、たとえば、あるお金持ちが実業では6億儲かり、証券取引では4億儲かったという場合、合計10億円の所得に対して40%の税金がかかって4億円税金を払うのではないということです。
普通の所得6億円に対して40%の税金で2億4000万円。証券取引所得4億円に対して10%で4000万円と分離して課税されます。その結果、あわせて2億8000万円しか税金を払わなくていいのです。
合計10億円の所得に対して計2億8000万円の税金ですから、所得税率は28%にしかなりません。現に、財務省の調べでは、実際には年間1~2億円の高額所得者は、下のグラフのように所得税を26・5%しか支払っていないのです。
そして、なんと、この証券取引所得税の優遇策と分離課税を駆使することで、いま、所得100億円以上の人は最後のグラフのように税金14・2%しか払っていません・・・・!冒頭のグラフの表題にあるように、所得100億円の人がその1万分の1の100万円の人と変わらない負担率なのです。
金持ちは損をしてるなんてデマカセです。たかり屋の名にふさわしいのは、むしろ、どこの国でも富裕層なのです。この国の財政赤字の問題にまじめに取り組むなら、あるところから取る=所得税・相続税累進課税率のアップと富裕税=資産税の導入しかないのです。ほんの数パーセント、富裕層が今以上に負担をしてくれればいいのです。
国富から最も恩恵を受けているのが富裕層です。今より幾分か負担を増すことで、死蔵化している滞留資産が流動化して内需が拡大し、景気も良くなります。結局、富めるものも貧しいものもみんな潤うのです。
富裕層の方々、どうですか。
日本にも富裕税の導入を!年間所得100億円以上の富裕層は14%の税率でしか税金を支払っていない
税と社会保障の一体改革 富裕層の所得税・相続税を増税し、富裕税の創設を! 消費税増税は被災者直撃!!

オバマ大統領もいろいろ問題がありますが、ロムニー氏が大統領になったら世も末ですな。
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ロムニー氏は納税情報の開示で、情報公開が不十分との批判をかわしたい考えだ。
20年間の納税記録の概要によると、ロムニー夫妻には毎年、州所得税および連邦所得税の支払い義務が生じており、年間の連邦税の実効税率は20.2%だった。この期間の夫妻の最低実効税率(連邦税)は13.66%だった。
民主党上院院内総務のハリー・リード議員など一部の民主党議員は、ロムニー夫妻は数年間、税金を納めていなかったと主張していた。
ロムニー氏はこれを否定していたが、過去の納税記録の公表を拒否していた。ロムニー夫妻は公開に消極的な理由について、民主党議員らに批判の材料を与えたくないと説明していた。
21日に公表された2011年の納税申告によると、ロムニー夫妻の同年の所得は1369万6951ドル(約10億7000万ドル)で、納税額は193万5708ドル(約1億5000万円)だった。
ロムニー陣営によると、所得のほとんどが投資収益だった。投資収益には優遇税率が適用されており、キャピタルゲイン税の上限は現在、15%に設定されて いる。そのおかげでロムニー夫妻の税率は比較的低く抑えられており、民主党議員からは現行制度の下で富裕層が相応の納税を行っていない証拠だと批判の声が 上がっている。
ロムニー夫妻の税率が低いのは夫妻が慈善事業に多額の寄付を行っており、税控除を受けていることも影響している。夫妻による寄付は合計400万ドル超で、税控除は225万ドルだった。
また、今回の納税記録の開示によって、ロムニー氏の2011年の所得と納税額が今年1月にロムニー陣営が公表した推計を大きく下回ったことがわかった。1月の推計では、総所得は2090万ドルで、連邦税の納税額は323万ドルに上るとされていた。
また、会計士の書簡によると、ロムニー夫妻は20年間の平均で調整総所得の13.45%を慈善活動に寄付していたことがわかった。夫妻がこの期間に支払った連邦税、州税および慈善活動への寄付は調整総所得の38.49%を占めた。
なぜロムニー夫妻が開示の対象を過去20年間としたのかははっきりしないが、ジョージ・W・ブッシュ政権時代の2003年にキャピタルゲイン課税の税率 が20%から15%に引き下げられたことが要因となったかもしれない。投資収益に対する税率が高かった時代の納税記録を含めれば、ロムニー夫妻の税率は高 くなり、税率が低いと批判されている 夫妻にとって有利なためだ。
ロムニー、国民の47%を「たかり」呼ばわり
Debunking Romney's 47 Percent
国民の半数を納税もせず政府に依存するだけの寄生虫扱いした共和党大統領候補の大失態
また墓穴 誰より「節税」しているのはロムニー自身 Jim Young-Reuters
近頃のアメリカ政治に関する話題は、2つの数字を中心に回っている。
1つは、昨年のウォール街占拠デモで有名になった「99%」。高所得や大幅な税控除を享受している超富裕層1%に対して、そうした恩恵にあずかることのできない国民の大部分を指す数字だ。
そして今、大論争になっているのが、共和党の大統領候補ミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事の口から発せられた「47%」だ。ロムニーは5 月にフロリダ州で開かれた資金集めのイベント(非公開)で、「米国民の47%が連邦所得税を払っておらず、政府に依存するのが当然だと思っている層だ」と 語っていたことが、今週になって判明。国民の半数を見下した発言だとして、物議を醸している。
アメリカは99%が成長の恩恵から取り残された国なのか、それとも47%が税金も払わず行政サービスにただ乗りしている国なのか、どちらに共感するか有権者の反応を探れば、11月の大統領選の結果もおのずと見えてくるだろう。
低所得者層は見返りにふさわしいだけの納税をしていないという「作り話」は、共和党が好んで使うレトリックだ。そしてその話を裏付ける数字として、彼らはよく「47%」を引き合いに出す。
確かに連邦所得税に限って言えば47%という数字は間違いではない。しかし、そこでは源泉徴収された給与税、消費税や物品税など、さまざまな形で税を納めている人たちは排除されている。
所得と税負担はほぼ比例している
ここでアメリカ国民がどのように納税しているかを分析するために、米税務政策センターと課税・経済政策研究所のデータを簡単に見ていこう。
まず、国民の28.3%は給与税という形で税金を払っており、その税収は社会保障やメディケア(高齢者医療保険制度)に回されている。
高齢になり仕事を引退したため連邦所得税を払っていないのは、10.3%。彼らが受け取っている社会保障費に税金はかからない。ロムニーは知らないのかもしれないが、共和党支持者の多い層だ。
こうして差し引いていくと結局、現役世代なのに所得税を払っていない人々は6.9%しかいないことになる。47%とはえらい違いだ。アメリカは、ロムニーが考えているような「たかり屋の国」ではない。
さらに重要なことがある。私たちの税負担の割合はどうなっているか。共和党が主張するように、貧しい人々は本当に応分の税負担をしていないのか。
さまざまな要素を考慮に入れて所得別に見てみると、どの所得層でも所得と税負担額はだいたい比例している。
国民を所得順に並べたときに中間の20%の人々が払っている税負担は、国の税収の10.3%。そしてこの層の所得額は、国民所得全体の11.4%強だ。
下位20%の納税額は全体の2.1%だが、得ている収入も3.4%。ウォール街で悪名高い上位1%の納税額は全体の21.6%だが、その所得も全体の21%に上っている。
この国の税制と社会保障制度は、ロムニーたちが騒ぎ立てるように狂ったシステムではない。アメリカは決して物乞いの国でもなければ詐欺師の国でもない。
ロムニーはもう政府の社会保障制度を馬鹿にしたり、その恩恵を受けている人々を非難するのはやめるべきだ。ちなみにロムニーの所得税率は13.9%。お仲間の上位1%の高所得者に適用される所得税率をはるかに下回る数字だ。金持ちは損をしてるなんて盗人猛々しい。
© 2012, Slate


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