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まさか裁判所が自民党の意向を聞いて生活保護基準を決めてもいいと言いだすとは!
被告の国でも言わない、言えないことを判決理由にして、憲法訴訟を審査するなんて、そもそも民事訴訟法の大原則である「弁論主義」違反ですよ!
さて、第二次安倍政権が発足後すぐに、2013〜15年に実施した生活保護の基準額引き下げは生存権を侵害し違憲だとして取り消しを求めた、生活保護費引き下げを巡る訴訟は、全国29都道府県の約1000人が原告となり各地裁で審理しています。
この裁判を原告の方々は「いのちのとりで裁判」と呼んでいます。そのお気持ちが想像できますか。



そのうち、名古屋地裁には受給者18人が居住自治体と国を相手に、保護費引き下げ処分の取り消しなどを求めていました。
これに対して、名古屋地裁は2020年6月25日に原告の請求をすべて棄却する判決を言い渡したのですが、結論もひどいが、判決理由が言語道断なんです。

この裁判では、厚労省が生活保護基準を引き下げの手続きの適正さや、厚労大臣のこの判断が厚生労働相の「裁量権」を越えているかどうかが争点になったのですが、名古屋地裁は厚労大臣の裁量権の濫用(裁量権の範囲内での違法な判断)や逸脱(裁量権を越えての行為)は認められないとして請求を棄却したのです。
この中で問題になったのは、生活保護費の中で受給者が食費や光熱費に充てる「生活扶助」です。
安倍政権は民主党政権を打倒するための2012年12月の総選挙で、当時の生活保護たたきの風潮を作り上げ、それに乗っかって生活保護は年間約670億円の削減を打ち出し、世帯ごとの削減幅は平均6・5%、最大10%に及んだのです。
それまでも、生活保護費は「健康で文化的な最低限の生活」(憲法25条1項)ギリギリか、むしろ足らないくらいの水準だったのに、それを1割も減らされたら、健康で文化的どころか、生物として命を維持することさえ難しくなってしまいました。

そして、まず第一の論点である厚労大臣が適正な手続きを経たのかについてですが、生活扶助費の引き下げに当たって、厚労省は専門家による部会での議論がないまま、物価の下落率を独自の方法で算出し基準額に反映させました。
これに対して、名古屋地裁はなんと
「専門家の検討を経ることを義務づける法令上の根拠は見当たらない」
として原告の主張を一顧だにしませんでした。
あのですね、新型コロナ対策と同じで、人が生活するのにどのような扶助が必要なのかはまさしく「科学」の分野であり、現場の専門家の声はもちろん、福祉・経済・医療などなどの研究者たちの幅広い意見を聞いて初めて客観的な判断ができるのです。
健康で文化的な最低限度の生活を営むに必要な基準額は、誰もが納得できる科学的なデータや方法で算定するべきで、行政組織にすぎない厚労省が専門家の意見を聴く義務があるのは当然です。

先ほども言いましたように、生活保護基準の引き下げは、2012年の衆院選で政権に復帰した安倍自民党の公約でしたから、その政治的意図の有無や妥当性についても、原告らは当然問題にしました。
ところが今回の判決は
「自民党の政策の影響があった可能性は否定できないが、当時の国民感情や国の財政事情を踏まえた」
とし、生活扶助基準を改定するにあたり、これらの事情を考慮することができることは
「明らかである」
としたんです!
いや全然明らかじゃないだろ!全国の法律家が椅子から転げ落ちて骨折するわ!

国の財政事情がどうであっても、人が「健康的で文化的な最低限の生活」をするのに必要な額は客観的に決まります。
それを保障しろと国に要求する基本的人権が市民にはあるのですから、財政事情が苦しければ、国は他を削って生存権を補償すべきなのであって、国の財政事情など生存権を侵害する理由になりません。
もし、悪化する財政事情に合わせてしまったら、生活保護基準は引き下げ続けねばならず、そうすると生活保護費を基準にして算定される就学援助、住民税の非課税限度額などの47もある連動する公的保護も縮小していく悪循環に陥ります。
そもそも、コロナ対策に必要だということで電通やパソナを何千億円も潤す税金があるのに、生活保護受給者の生活保護費を削る合理性などないではないですか。
一人一人の生活保護受給者を爪に火を点すような生活費を削って得る財源が700億円に満たないのに、アベノマスクに500億円近くも使っちゃったのは安倍政権ではないですか。

生活保護受給者のご老人やお病気の方々が立ち上がって、裁判を起こすってどんだけ大変か想像できますか?
そんな人たちをこんなにがっかりさせてしまって、裁判所、ほんまにどないすんねん!
また、「国民感情」と言いますがほんとに生活保護者を地獄のどん底につき落とすようなことを国民が望んでいるとは思えず、生活保護者をたたく風潮も一過性のものです。
さらに、そもそも、生活保護者たたきの風潮をあることないこと言って作り上げたのは、当の自民党です。
そして、そんな国民感情がたとえ多数のものであったとしても、多数者の意見でも侵し得ないのが基本的人権。
生存権など基本的人権が保障されているのは、少数者の権利が多数者支配的な民主主義によって侵害されないためなのです。
そして何度も言うように、憲法が市民に保障している「最低限度の生活」は、客観的・科学的に定めうるものであって、主観的な国民感情で揺れ動くものであってはならないのです。
国民感情とかいう、測りようもない、揺れ動くもので政治が動くことはあっても、どうしても侵し得ない、侵してはならないのが生存権などの基本的人権なのです。



安倍首相「生活保護受給者に攻撃的な言質を弄しているという政党は、それはもちろん、自民党ではない」←世耕弘成参院幹事長も石原伸晃自民党総務も片山さつき元大臣もみんな自民党じゃないらしい。
そもそも、裁判所が担う司法権は、多数決支配になりがちな国会、内閣と違って、客観的な憲法と法の解釈・運用によって、少数者の人権をも保障することが最大の役割です。
その裁判所が、今回の生活保護基準の引き下げで、具体的に受給者の生活実態がどう変わったのかをきちんと見定めもしない。科学的な基準を必要ともしない。
そして、裁判所が、厚労大臣の裁量権はとてつもなく大きくて、自民党の公約に左右されようが、国民感情とやらを考慮しようが、財政事情が苦しいという国の一方的な意見を押し付けられようがかまわないんだ、なんでも厚労大臣が決められるんだなどと言う判断をしだしたら、憲法に基本的人権が規定されていることの意味が全くなくなってしまいます。



生活保護は2020年3月現在、全国で約163万5千世帯、約206万6千人が利用していて、さらにこのコロナ禍で雇用情勢など経済状態が悪化している中、受給申請者は急速に増えつつあります。
まさに、安倍政権の不十分な経済対策や生活支援から零れ落ちてしまった人達のための最後のセイフティネットが生活保護制度です。
私たちにとっても他人ごとではないのです。ぜひご支援をお願いいたします。

近畿原爆症訴訟の幹事長をお引き受けくださり、いま「いのちのとりで裁判全国アクション」の共同代表で、生活保護問題対策全国会議代表幹事である尾藤廣喜弁護士は、この名古屋地裁の判決には怒り心頭、
「生活保護基準は国民感情や国の財政事情を踏まえるとは法律のどこにも書かれていません。
自民党政策や国民感情、財政事情を踏まえた上での判断とされたのは生活保護裁判上初めてだと思います」
とおっしゃいました。
憲法違反の判断を、生活保護法にもない要素で勝手に判断してしまう裁判所の闇というか、政権への迎合・忖度にはあきれ果てます。
毎日新聞
「このような大幅な引き下げでは到底生活が成り立たない」と、生活保護制度利用者のうち、3年間で延べ約2万5000人が行政不服申し立てをした。
現在は、1000人余りが全国29の裁判所に引き下げ処分の取り消しと損害賠償を求めて、提訴している。
いずれもこれまでにない数の申し立て、提訴であり、まさに、「前例のない引き下げには、前例のない闘い(裁判)を」が当事者の思いだ。
裁判で国は、この引き下げについて「厚労相の裁量の範囲内のものである」と答弁しているが、果たしてそうだろうか。
例えば、大幅な引き下げの理由とされている物価下落。総務省統計局が使用している「消費者物価指数(CPI)」では、3年間での最大の下落率は2・35%であり、4・78%は異常な下げ幅である。
厚労省は、その理由について、厚労省が独自に作成した「生活扶助相当CPI」の結果によるものだとしている。
しかし、最も裁判の進行が速い名古屋地裁で証人となった上藤一郎静岡大教授は、下落率が大きくなる計算方式をあえて取ったために異常な下落率になっていると証言。
また、白井康彦元中日新聞編集委員は、保護世帯があまり買わない家電製品のウエートを意図的に大きくするなど「物価偽装」ともいうべき異常な計算方式を採用していること、総務省のデータでは下落率が2・26%にしかならないことを証言している。
さらに、異例なことに、貧困研究の第一人者として知られる元生活保護基準部会部会長代理である岩田正美日本女子大名誉教授が、同部会では、「物価の下落分を考慮するとの議論はしていない」「財政削減のために私たちは利用されたのかもしれない」「委員を辞めて振り返ると忸怩(じくじ)たる思いが非常に強くある」と述べた。
そして、生活保護基準を引き下げる外部からの圧力があり、それを前提に部会が引き下げの口実をつくる形になっているとも証言した。
生活保護基準は日本のナショナルミニマム(国の最低生活保障)の指標であり、最低賃金や年金の額にも影響している。
また、住民税の非課税限度額、就学援助基準、医療・介護などの保険料の利用者負担の減免基準など47の制度とも連動している。庶民の生活に直結する問題だ。その意味で、国の最低生活保障の額が、「政治的圧力」「物価偽装」で決められて良いのかが、まさに問われている。今春にも予定されている名古屋地裁判決に注目したい。
■人物略歴
尾藤広喜(びとう・ひろき)氏
京都大卒。厚生省で生活保護を担当後、弁護士。生活保護問題対策全国会議代表幹事。
生活保護費引き下げは「国民感情を踏まえたもの」。違憲との訴えは認められず
名古屋地裁は原告の請求をいずれも棄却。生活保護費の引き下げは「国民感情や国の財政事情を踏まえたもの」であるとした。
2013年8月以降の生活保護費引き下げは生存権を保障する憲法25条と生活保護法8条に違反するとして、愛知県内の生活保護受給者が自治体と国に引き下げの取り消しなどを求めた訴訟の判決が6月25日、名古屋地裁で言い渡された。
角谷昌毅裁判長は原告の請求をいずれも棄却。生活保護費引き下げは違憲であるという原告側の主張が認められることはなかった。
角谷裁判長は生活保護費の引き下げは「国民感情や国の財政事情を踏まえたもの」であるとし、原告の主張は採用することができないとしている。
生活保護費引き下げの経緯を振り返る
</picture>厚生労働省は2013年8月から3回にわけ、生活保護基準のうち生活費に関する生活扶助基準を平均6.5%、最大で10%引き下げた。
生活保護基準は生活保護だけでなく、最低賃金や地方税の減免、介護保険料の減額などとも連動しており、その影響は生活保護受給者だけに止まらない。
政府はデフレによる物価の下落が2008年から2011年にかけて確認されていることなどを生活保護費の引き下げの理由として挙げる。
だが、原告はこの生活保護費引き下げの根拠となっている物価の下落率が厚労省の専門部会で適切な手続きを経て、承認されたものではないことを問題視していた。
物価の下落率の計算方法についても、生活保護世帯の消費実態に基づく調査結果の数字ではなく、一般世帯の消費支出をもとに計算されているため、実態とかけ離れたものであると主張していた。
名古屋地裁「国民感情や国の財政事情を踏まえたもの」

判決によるといずれの争点についても、原告の主張は認められないとしている。
角谷裁判長は生活保護費の引き下げをめぐり、この決定が自民党の政策によるものであると認定している。
その上で、この政策は「国民感情や国の財政事情を踏まえたもの」であり、生活扶助基準を改定するにあたり、これらの事情を考慮することができることは「明らかである」とした。
事実上、国の主張を全て肯定した形だ。
同様の訴訟は全国29都道府県で起こされており、名古屋地裁で言い渡された判決が初めての司法判断だ。今後、北海道や大阪、東京などでの判決を控えている。
背景にあった生活保護バッシング

発端は2012年、週刊誌の報道などをきっかけに巻き起こった生活保護バッシングだ。
お笑い芸人の河本準一さんの母親が生活保護受給者であることがわかり、河本さんが扶養できるだけの収入があるにも関わらず生活保護を受給し続けていたことに批判が相次いだ。
この問題を自民党の片山さつき参院議員が追及。メディアも「不正受給疑惑」として取り上げ、報道が過熱した。
その年の衆議院選挙で自民党は、生活保護の「支給額原則1割引き下げ」を公約の1つに盛り込んでいる。
そして翌年、5年に1度の生活保護費の見直しのタイミングで、厚労省はデフレと物価の減少を理由に生活保護支給額を引き下げた。
「私たちに死ねということですか」

この判決を受け、「いのちのとりで裁判全国アクション」の共同代表で弁護士の尾藤廣喜さん、同じく共同代表で生活困窮者支援を続ける「つくろい東京ファンド」の代表も務める稲葉剛さんらが厚労省で記者会見を実施した。
尾藤弁護士は「こんな判決は到底受け入れられない」と憤りをあらわにした。
「生活保護基準は国民感情や国の財政事情を踏まえるとは法律のどこにも書かれていません。自民党政策や国民感情、財政事情を踏まえた上での判断とされたのは生活保護裁判上初めてだと思います」

「私たちは、国が引き下げられた全ての生活保護利用者に対して真摯に謝罪し、2013年引下げ前の生活保護基準に戻し、生活保護利用者の健康で文化的な生活を保障するまで断固として闘い続ける決意である」と表明している。
名古屋の訴訟の原告は「とっても残念であります。これ以上減らされたら、私たちは生活もできないので、私たちに死ねということですか」とコメント。「これからも頑張っていきたい」と控訴する構えだ。
バッシングにより国民感情煽る悪しき前例に

住まいを失った人々の支援をする中で、「生活保護だけは受けたくない」という声が非常に多いという。
「今回の判決では、生活保護費の引き下げは自民党の政策を受けたものであるということを事実として認めている。そしてそうした自民党の政策は国民感情や国の財政事情を踏まえたものであるとしています」
「政治家がバッシングを主導して、国民感情を悪化させる。悪化させた上で、政権復帰した上で(生活保護費の)引き下げをする。いわばマッチポンプですね。政治家がある制度を使いにくくしたければ、制度や制度利用者をバッシングすればいいという非常に悪い前例になりました。それを司法が追認した責任は大きい。政治の判断を追認した司法の判断に抗議していきたいです」



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