- 職場で共に働く夫婦の、さり気ない愛情表現。
- 愛用ボールペンのインク切れに気づく朝
- 妻の外出、打ち合わせとデパートへの立ち寄り
- さり気ない手渡しと夫婦の会話
- 新しいインクで描く、温かな気持ち
- 【夕方】日常に溶け込む幸せ
- 気になる文房具
職場で共に働く夫婦の、さり気ない愛情表現。
同じ会社のD&Cセンターで働く夫婦、ヒロとマユミ。
デスクを隣り合わせにして、毎日プロジェクトをこなす二人。
職場恋愛から結婚して数年。
仕事も、周囲との関係も、ようやく落ち着いてきた頃だった。
ある朝、ヒロの愛用ボールペンのインクが掠れ始める。
その小さな出来事に気づいたマユミが、とった行動とは──。
仕事中のほんの一瞬の気遣いが、日常をやさしく照らす。
職場夫婦の、静かな幸せを描いたストーリー。
愛用ボールペンのインク切れに気づく朝
デザイナーの必需品、調子が悪くなる

朝の打ち合わせ資料をまとめながら、ボクはボールペンを走らせていた。
インクの滑りが悪い。線が、かすかに薄い。
「あれ…?」
試し書きをしても、やっぱり掠れている。
このペンは、長く愛用してきた一本だ。通販で見つけてからすごく書きやすくてインクの色が綺麗で、仕事でも家でも10年くらい、いつも一緒。
「なんだかんだで、このペンと一緒に過ごした時間も長いな…。…こういう小物って、気づいたら“相棒”になってるんだよな」
小さくため息をつきながら、ボクは作業を続けた。
妻の観察眼、さり気なく夫の様子を見る
隣のデスク。
マユミは資料に目を通している。
けれど、視線がふと、ヒロの手元に向かう。
掠れた線。少しだけ強く握るペンの指先。
何も言わずに、マユミは手を止めた。
ほんの一瞬の沈黙。けれどその中に、彼女の優しさが静かに漂っていた。
同僚とのやりとり、妻の聞き耳
「○○さん(ヒロ)、そのペン大丈夫?なんか薄いですよ」
Hさんが声をかけてくる。
「あ、そうなんです。そろそろ替インク買わないとダメですね」
ボクは苦笑いしてペンを見つめた。
「通販で買ってるやつだっけ?」
「はい、これが一番書きやすくて」
その会話を、マユミは聞いていた。
彼女の中で、小さな決意が芽生えていた。
妻の外出、打ち合わせとデパートへの立ち寄り
仕事での外出、いつもと変わらない様子
「○○さん(ヒロ)、これから打ち合わせに行ってきます」
「あ、はい。気をつけて」
ヒロは軽く手を振る。
いつもの光景。いつもの声。
「こうして同じオフィスで働いてるのに、彼女が外に出るだけで、少しだけ空気が変わるんだよな。…不思議なもんだ…」
マユミはスーツを羽織って、静かにオフィスを後にした。
デパートの文房具売り場で
打ち合わせを終えた帰り道。
マユミは、デパートの文房具売り場に立ち寄った。


スマートフォンを開いて、検索履歴を呼び出す。
そこには、ヒロが以前見せてくれたボールペンの名前、「ぺんてる ボールペン ゲルインキ エナージェル ノック式0.5mm ブラック」が残っていた。
「すみません、この替芯ありますか?」
「2本ください」
迷いのない声だった。
主な替芯(リフィル)型番と詳細型番
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 型番 | XLRN5(0.5mm 極細・黒/赤/青/ 他色展開あり) |
| 替芯の太さ | 0.5mm |
| 主な対応本体 |
エナージェルインフリー、エナージェルエル、 |
| 価格目安 | 1本 約99円前後(税抜約90円) |
| サイズ目安 |
直径約6mm × 長さ111mm、重量約2.6g |
さり気ない手渡しと夫婦の会話
帰ってきたマユミ
午後3時前、マユミが帰ってきた。
報告を終えると、彼女は小さな紙袋を手に、そっとヒロのデスクへ向かう。
「ヒロ」
小さな声。誰にも聞こえないくらいのトーン。
「あ、お帰り。打ち合わせどうだった?」
「うん、順調。…これ、渡しとくね」
マユミは紙袋をそっと置いた。

「ん?これ…?」
中を覗くと、そこには見慣れた替芯が二本。
「午前中、ペンのインク掠れてたでしょ」
ボクは驚いて顔を上げる。
「まさか…。そこまで見てたのか。」
「帰りに買ってきたの。あのペン、好きでしょ?」
「覚えてたの?」
「当たり前。ヒロが大事にしてるものくらい、ちゃんと見てるよ」
「言葉の温度が、胸の奥まで届く。…彼女は、ほんとに“見てる”。ボクのことを、ちゃんと。」
周囲への配慮、夫婦の切り替え
そこへ、Hさんが通りかかる。
マユミはすっと表情を変えた。
「では、報告書まとめてきますね。○○さん(ヒロ)、後で打ち合わせしましょう」
「はい、よろしくお願いします」
「こういう切り替えの早さ、ほんと尊敬する。……仕事の顔も、家庭の顔も、どっちも彼女なんだ」
マユミは軽く会釈して、自席に戻った。
ボクは紙袋を見つめながら、静かに息をつく。
「マユミ…。ありがとう。…ボク、ほんとに幸せ者だな」
新しいインクで描く、温かな気持ち
ボクは新しい替芯をセットし、試し書きをした。
スッと紙を滑るインク。なめらかで、途切れない線。
「…これだ」
「たった一本のペンなのに、書くたびに彼女のことを思い出すんだろうな。……仕事道具に“想い”が宿るって、こういうことかもしれない」
隣を見ると、マユミが真剣な表情で報告書をまとめている。
「隣にいるって、いいな。話さなくても、心が落ち着く」
【夕方】日常に溶け込む幸せ
「今日も仲良しねえ、二人とも」
Nさんが笑いながら声をかけてくる。
「まあ、夫婦ですから」
「お互い支え合わないと、です」
「ボクが掠れていく前に、彼女が気づいてくれる。…だから、また今日も前を向けるんだ」
新しいインクで描く線のように、
二人の時間もまた、静かに、やさしく続いていく。
気になる文房具





