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一緒にいることのリアル── “普通の女性”が献身を選ぶとき:過去日記番外編

ふたりの未来── “ずっと一緒”を願うことのリアル── “普通の女性”が献身を選ぶとき:過去日記番外編

第6章:ふたりの未来──“ずっと一緒”を願うことのリアル

マユミは、ヒロの横顔を見ながら、ふと幼い頃の記憶を思い出していた。

  祖母の家の縁側で、夏の夕暮れにスイカを食べながら聞いた「人はね、誰かと一緒にいることで、心がほどけるのよ」という言葉。

  そのときはよく分からなかったけれど、今なら少しだけ分かる気がする。

 


そしてもうひとつ、胸の奥にしまっていた記憶が、そっと顔を出した。

5歳の夏、父が病室で微笑んでいた最後の日。  「また明日ね」と言ったその言葉が、叶わなかったこと。 

マユミは、あの日から“誰かとずっと一緒にいること”が、どれほど儚くて、どれほど尊いものかを知ったのだと思う。
「ヒロってさ、未来のこと、ちゃんと考えてる?」  マユミの声は、冗談めかしていたけれど、どこか真剣だった。
ボクは少し間を置いてから、静かに答えた。 

 

「考えてるよ。…でも、“ずっと一緒”って、言葉にすると簡単だけど、実際はけっこう難しいな」  「うん。でも、難しいからこそ、ちゃんと願いたいって思うよね」  「願うだけじゃなくて、続ける努力もいるし。ボク、そういうの少し苦手だけど…マユミとなら、やってみたいと思う」
その言葉に、マユミは笑った。  「苦手って言えるの、ちょっとずるい。でも、そういうヒロが好きなの」

 


ふたりの間に、風が通り抜ける。  未来のことはまだぼんやりしているけれど、今この瞬間だけは、確かに“ずっと一緒”を願っていた。 

そしてマユミは、心の中でそっと思った。  ──今度こそ、“また明日ね”がちゃんと来るように、ちゃんと生きていきたい。​

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