ボクの体調を気遣ってくれた、ひとりでの買い物
マユミが愛する地元スーパーとの出会い
休みの日、マユミはひとりで歩いてスーパーに向かう。
いつも近所への買い物にはメイクも薄い、素顔に近いのだ。
マンションから歩いて11分。信号をひとつ渡って、川沿いの小道を抜けた先にある、地元密着のスーパーだ。
大手ではないけれど、店員さんはみんな親切で、顔なじみも多い。
レジで「今日はお休み?」なんて声をかけられるたり、仲良くなった店員さんと立ち話したりとマユミにとってはうれしい時間らしい。

このスーパーは、マユミの休日の定番スポット。
「ここに来ると、ちょっとだけ旅に出た気分になるんだよ」なんて笑っていたこともある。
マユミがひとりで買い物に行くことは、結婚してから少しずつ増えていった。
結婚当初のボクは元気だったから、休みの日に開店前から行列のできるスーパーに並ぶのも、ふたりにとってはちょっとしたイベントで、なんということもなかった。
でも、だんだんとボクのほうがそれを負担に感じるようになり、それを察したマユミは、「健康のためだから」とか、さりげない理由をつけて、一人で行くようになったのだと思う。
それはきっと、ボクの体調を気遣ってくれてのことだった。
ボクは、そんな時間をそっと見守っている。たまにはひとりの時間も必要だと思うからだ。

でも、たくさん買う日や重い荷物になる日は、クルマでふたり一緒に出かける。それはそれで、小さなデートみたいで、悪くない。
今日はマユミひとりの買い物の日。
夕方、両手いっぱいの袋を提げて帰ってくる姿を想像すると、それだけで少し楽しみになる。
こういう、何でもない日常のひとこまが、きっと一番の宝物なんだと思う。

ちょっと寂しいのだけど、これが普通になりつつあります。
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