以下の内容はhttps://quadro.hateblo.jp/entry/kakonikki182より取得しました。


切なさと懐かしさ『やさしさのかたちが変わっても』:過去日記152

『夫婦のやさしさは変わる!昔のマユミを思い出して、ふと寂しくなるヒロの午後』

 

まだ結婚する前――

マユミが20代だった頃のこと。

職場でふたり並んで資料を広げては、「どっちのレイアウトが上手いか」なんて、くだらない勝負をしていた。

ImageFXマユミ

真面目なくせに、ちょっとだけズルをするマユミに、ボクは「ずるいな」なんて言いながら、つい笑ってしまって。

マユミも「ふふ、バレた?」って、肩をすくめて笑ってた。

 

あの頃のマユミは、やわらかくて、それでいてどこか遠慮があって。

その距離感が、じつは心地よくて、ドキドキしてた。

ImageFXマユミ

 

それが――

今はもう20年も一緒に暮らす妻になって、マユミのやさしさはちょっとだけ……いや、家ではかなり厳しい。

 

「ヒロ、それじゃダメでしょ」

「え? そうかな……」

「“そうかな”じゃないの。ダメなものはダメ! いつもヒロは、自分ばっかり好きなことして!」

強い口調で言われると、何も言い返せないボクです。

 

でもマユミは、

「今度の土曜日ね、友達とランチに行ってくる」

「今度、髭男のライブに行ってくる」

「来月、緑黄色社会のライブに行ってくる」

「夏、トモオのライブに行くから」

「今日、映画観に行ってくる」……と、マユミも結構好きなことしてるんだけどね。

ボクは行く前にマユミに「あそこに行きたいんだけど」と前もって相談する。

だけど、マユミはいきなり「今日行ってくる」が多いんだけど。

ボクなんて、最近は紫陽花園に行ったくらいかな……。この前の日記ではなく、毎年、行っているから、20回目かな!

 

いまでも時々、すごい口論になる。

カチンとくることもあるけど、黙ってしまう。

 

そして数時間たつと、マユミが不意に言う。

「ねぇ、今テレビでやってた温泉に行きた〜い」

……さっきまでの殺伐とした空気は、なんだったの?

 

結婚する前は、ボクのほうが相当我慢してた。

「健康に悪いからタバコやめて」「うん、マユミが言うからやめるよ」

「お酒も体に良くないからダメ」「うん、わかった」

「お小遣い制でいい」「うん、いいけど、無駄遣いするからね、家計はマユミに任せるよ」

結局、お小遣い、2万円、うち1万円はガソリン代でした。

でもいまのマユミは、その“我慢させてたこと”すら忘れてるみたい。

 

最近では、言い方も鋭くなって、言葉にクッションなんてなくなってきた。

たぶんそれは、年を重ねて、お互い“遠慮のない関係”になったから。

 

それは家族としての信頼でもあり、安心の証なのかもしれないけど……

ボクは、時々ちょっとだけ寂しくなる。

 

目を閉じて、あの頃のマユミを思い出す。

 

「その言い方、またしてほしいな」って頼んでみると、

マユミは、眉間にしわを寄せて、

「……無理。いまさらそんな甘ったるいの、気持ち悪いでしょ」って、そっけなく言う。

 

ちょっと、拗ねてるようにも見えるけど、きっと照れくさいんだろうな。

何度も頼むから、逆にやってくれなくなったのかもしれない。

 

わかってる。もう無理なんだって。だから最近は、冗談みたいに言うだけにしてる。

 

「ねぇ、“ヒロくん、それ似合ってる〜”って、昔みたいに言ってよ」

ImageFXマユミ

「……やだ。言うわけないでしょ」

「一回だけ!」

「……うるさい」

ImageFXマユミ

そう言いながら、マユミは口元だけ、すこし笑っていた。

 

ほんのすこしの懐かしさと、ほんのすこしの切なさと。

惚れた弱みだから。

いまの人みたいに直ぐ別れたりしない。考えたことない。

マユミはボクの中ではモデルでもあり女優なんだ、今も変わらず綺麗だし誰にも取られたくない。

そして、やっぱり――いまのマユミも、好きなんだなって思う。

オススメ記事

quadro.hateblo.jp

quadro.hateblo.jp

 




以上の内容はhttps://quadro.hateblo.jp/entry/kakonikki182より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14