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『フレッシュハーブティーと夫婦のやさしい時間|ボクの小さなマイルール』:過去日記139

ハーブティーと、ボクのマイルール』

休日の午後。

マユミがバルコニーから「ちょっと待っててね」と声をかけると、ボクはそれが“ハーブタイム”の合図だとすぐにわかる。

ハーブの葉にそっと触れて、嬉しそうに葉を摘んでいる姿。

あれはマユミの“秘密の趣味”であり、“特別な時間”だ。

ImageFXマユミハーブ

バルコニーにあるハーブたちは、毎日手をかけているだけあって、葉っぱがどれも生き生きしている。

風に揺れるたび、ミントやレモンバームの爽やかな香りがリビングまで届いてくる。

「今日はフレッシュハーブで、カモミールとミントを合わせてみたよ」

そう言いながら、マユミがガラスのティーカップに熱湯を注ぐ。

ボクはそれを見ながら、どこかくすぐったい気持ちになる。

ハーブティーは、どうやら熱湯の温度や蒸らし時間にコツがいるらしい。

「ドライハーブより香りが強いから、ちょっと優しく淹れるのがいいんだよ」

嬉しそうにそんな豆知識を披露するマユミ。

ボクは料理は得意だけど、実は日本茶の渋い味の方が馴染んでいて、香りの強いハーブティーは正直、少しだけ苦手だった。

でもね。

マユミが「一緒に飲もう」と言えば、それがボクの“マイルール”になる。

「うん、じゃあ今日もちゃんと飲むよ」

差し出されたカップから立ち上る、やわらかな香り。

ミントの清涼感と、カモミールの甘い香りが混ざり合って、それは、まるで日だまりみたいな飲みものだった。

一口飲んで、ゆっくり息を吐く。

「……爽やかだね」

ImageFXマユミハーブ

「でしょ? ちょっとだけ、好きになった?」

「うん。……マユミが好きなら、ボクも好きになる努力するよ」

そう答えると、マユミは笑って、「ありがとう。変な使命感、健在だね」とからかってきた。

ボクは苦笑しながらも、心のどこかでその“使命感”を、大切にしている自分がいる。

渋くて甘い日本茶の味は、ボクの中にずっと根付いているけど。

たまにはこんな風に、草原みたいな香りをすするのも、悪くない。

きっとこれは、“ふたりで暮らす”っていうことの、ひとつの風景なんだろう。

カーテン越しに入る風が、ティーカップの香りをふわりと運んできて、ふたりの部屋に、ちいさな癒しの時間を満たしてくれていた。

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