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妻に初めて語る、秘密の愛 の始まり。女優のような君を遠くから見惚れていた日々:過去日記098

—話すことのなかった、結婚して初めて語るボクの片想いのはじまり

休日の午後。

ソファに並んで、マユミと映画を見ていた。

ImageFX彼女!過去日記

途中からボクの方がうとうとしてしまって、眠ってしまった。マユミはヒロを膝枕したまま映画を見ている。

 

ボクは目が覚めたときには、マユミの膝に頭を預けていた。

「……あれ、寝ちゃってた?」

「うん。気持ちよさそうに。」

「もう、マユミの膝枕でもう少し寝てるよ」

「いいよ…ふふ」

ImageFX彼女!ヒロ昼寝

マユミは微笑んで、冷めかけた紅茶を一口すする。

テレビからは、恋愛映画のエンディングロールが流れていた。

「……ねえ、ヒロが初めて私を見たときって、どんな印象だったの?」

ImageFX彼女!過去日記馴れ初め

不意にそう聞かれて、ボクは思わず眠気から覚めた。

「…えっ、今さらそれ、聞く?」

「うん。だって、今の映画見てたら、なんか聞いたことなかったなって。」

ボクは少し黙って、中を見つめながら言った。

「ちょっと恥ずかしいけど……ほんとのこと言っていい?」

「うん。」

 

「マユミを初めて見たとき、遠くからだったけど、正直、ボクの好きな女優さんに似てるなって思ったんだよね。うわ……オーラがすごい……って、心の中で思ってた。」

「ふふ、それって褒めてる?」

「褒めてるよ。すごく。近くで見るともっと綺麗で、マユミの顔、まともに見れなかった……で、同時に思ったんだ。『あぁ、ボクなんか相手にしてもらえるわけないな』って。」

「お化粧もバッチリメイクで会社来ていただろ、ボクはちょっと怖くて避けていたから」

ImageFX彼女!過去日記入社した頃のマユミ

マユミが少し驚いたような顔をした。

「え、なんで?」

「だってさ、背も高いし、スタイルもいいし。なんか……芸能人とかモデルみたいなオーラがあって。そういう世界の人って、話しかけるとか、もう、そんな次元じゃなくて……。マユミのこと、遠くから見てるだけで精一杯だった、マユミが大きく見えた、そういう風に見えたんだよ、ビビっていたんだよ…」

マユミは少し笑って、

「私が女優って、有り得ないよ…」

それでも、どこか切なそうに言った。

「そんな風に思われてたんだ。」

ボクはうなずいて、ふっと昔の景色を思い出す。


あの頃、マユミの作業スペースは別の部署の一角で、近くにトイレがなくて、別のフロアのトイレまでいかなくてはならなかった。

でもそのフロアに男子トイレにボクは行くたびに、耳をすませていた。

ImageFX彼女!過去日記マユミ

──笑い声。

マユミの、あの明るくて、ちょっと高めの、楽しそうな笑い声。

「またあの人と話してる……」

“あの人”っていうのは、話し好きで社交的な、誰とでもすぐに仲良くなる中年の男性社員。

彼が楽しげにマユミと会話してるのを、何度も目撃した。

ボクは、それを遠くから見ているだけだった。

 

 

なんとなく、自分は蚊帳の外にいるような気がして、ひどく情けなかった。

「仲良くなれたらいいな」って思ってたけど、ボクから見たら美人すぎて、話しかける勇気なんてなかった。

トイレの前を通るたびに聞こえてくる笑い声が、なんだか自分とは無縁の世界に思えてた。

それでも、どこかで期待していた。

ImageFX彼女!過去日記マユミ

不可能に近い感じの、淡い希望で。

いつか、ボクにも笑いかけてくれる日が来たらって。

 

「なんか、その頃の自分思い出したら、切なくなってきたよ、今考えると、ちょっと怖い奴だよね、ストーカーだよ、オマケにビビり過ぎだろ!」

「……そんなことがあったの?」

マユミは、少し目を細めて、ボクの手をそっと握った。

「そんなヒロが、いま私の隣にいるって、なんか不思議。」

ImageFX彼女!過去日記きっかけ

 

「うん。ボクも不思議だよ。……でも、あのとき笑い声が聞こえるたびに、胸がキュッとなってたこと、今でも覚えてる。」

「じゃあ、あれってもう、片思いの始まりだったんだ?」

「……うん。たぶん、あれが始まりだった。」

「不可能な片思いって、思ってたんだ?」

マユミは照れくさそうに笑いながら、そっとボクの肩に頭を預けた。

「聞けてよかった。ありがとう。」

 

静かな午後。

紅茶の香りと、彼女のぬくもり。

それだけで、今のボクはもう、十分に幸せだった。

 

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