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変態な男から妻の命を守る!大切な人と四六時中一緒にいる理由──寂しさを乗り越えた絆の物語:過去日記092

いつも一緒

ある日のこと。ボクは何気なくテレビのニュースを見ていた。
画面の向こうでは、物騒な事件の報道が流れている。女性が夜道で襲われたり、一人暮らしの部屋に不審者が入り込んだり。

最近、こういう性犯罪多過ぎだろ。

世の中の男がおかしくなってる。毎日のように、こんな変な男の犯罪のニュースを見ない日がない。絶対おかしいよ。

 

ImageFX彼女テレビ

何気なく見ていたはずなのに、じわじわと胸の奥がざわついた。

「……」

 

ちょうどその時、スマホが鳴った。

「今から帰るよ」

マユミからのメッセージだった。

何気ない一言のはずなのに、ボクは無意識のうちにスマホを持ち直し、通話ボタンを押していた。

プルルルル、プルルルル、カチャ。

「……ヒロ、どうしたの?」

 

ボクはゆっくり口を開く。

「最近、物騒な事件が多いよね。夜、マユミが一人で帰るのって、ちょっと心配なんだけど……」

すると、マユミはさらりと言った。

「うーん、まあ確かにね。でも、私、そんな気にしてなかったわ」

ボクは少し考える。そして、ぽつりと言う。

「だからさ、仕事が別々の時は、会社までクルマで迎えに行くよ」

「え?」

 

「夜、迎えに行く。その方が安心だし……って、ボクが心配しすぎかなぁ?」

片道25分くらい、すぐ着くからね。

マユミは、ちょっと驚いた顔をしたあと、ふっと優しく笑った。

「ヒロ、優しいね。ありがとう。お願いしようかな」

まるで「おかえりなさい」と言うみたいに、穏やかにそう言った。

こうして、「迎えに行く」という新しい日常が始まった。

---

 

最初は夜だけだったのに、気づけば朝もクルマ通勤が習慣になった。

ImageFX彼女クルマ

というか、最初から朝も一緒だった。
なぜなら、同じ家に住んでいて、しかも会社ではデスクが隣同士だから。一緒に出掛けるのは普通のこと。

「なんか、四六時中一緒じゃない?」

ボクが運転しながら言うと、マユミは隣でくすっと笑う。

「いいじゃない。一緒にいられるの、幸せよ」

そう言われて、ボクはなんとなく照れくさくなる。

 

でも、世間の人が「ずっと一緒だと飽きるんじゃない?」とが言っても、二人には関係のない話だった。

マユミは幼い5歳の頃にお父さんを亡くした。突然、大好きな人がいなくなることの寂しさを、痛いほど知っている。
ボクは怪我して2歳から5歳まで病院で過ごした。幼い頃に「普通に知っている誰かと一緒にいる」時間がなかった。

物心もつかない時に知らない人と、ずっと一緒だった。3歳の頃たまにお母さんが病院にお見舞いに着た時、「帰る、帰る、帰る」と暴れて看護婦さん困らせていたらしい。

だから、二人には共通する想いがある。

「寂しさが嫌い」。
「好きな人には傍にずっといてもらいたい」。

それは単なる恋愛の話とは少し違う。
二人が大事にしているのは、安心して帰る場所があること。
「おかえり」と言う人がいること。

---

 

とはいえ、マユミの残業が多い日もある。

「今日はちょっと遅くなるわ」

そんな日は、ボクは決まってこう言う。

「じゃあ、今日はマユミがクルマで帰ればいいよ。ボクは電車で帰るから」

「え?」

「その方が気を使わなくても済むし、遅くなっても安心だよ」

マユミはじっとボクの顔を見る。

「……そんなことまで考えてるの?」

ボクは苦笑いしながら、「ハイっ」とキーを差し出す。

「マユミが夜、安心して帰れるなら、その方がいいかなぁって」

マユミはキーを受け取りながら、ふっと微笑んだ。

「ヒロって、ほんとに用心深いっていうか……」

「心配症って言いたいの?」

マユミはくすくす笑いながら、ふっと小さくつぶやく。

「こんなに思われてるなんて、あたし幸せかもね」

その声が、なんだかとても穏やかで、優しくて。

ヒロは、何も言わずにただ微笑んだ。

こうして、ボクの「迎えに行く」という日常は、よりスムーズで温かいものになっていった。
朝も夜も、二人は一緒。
そんな時間が、ずっと続けばいいなと思った。

 

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