「家事は分担、俺に任せろ」
マユミが仕事から帰ってくると、部屋にはほんのりスパイスの香りが漂っていた。
「…え?もしかして、料理したの?」

玄関で靴を脱ぎながら驚いたように彼女は問いかける。
「もちろん。カレー、得意だからさ」
鍋をかき混ぜながらボクは振り返る。
「ほら、仕事で疲れてるだろ?だったらボクがやればいいじゃん」
マユミは一瞬驚いたようにまばたきしたあと、ふっと笑う。
「なんか…思ってたよりちゃんとしたカレーの香りがするわね」
「そりゃそうだろ。ボク、カレー得意中の得意なんだから」
「ふふ、じゃあ期待して食べるわよ」
食卓に並んだカレーはしっかりしたコクがあって、マユミはスプーンを口に運びながら目を丸くした。

「…え、これ本当にあなた作ったの?」
「あぁ、牛肉の塊がボロボロになるまで4時間煮込んだんだ、圧力鍋使えばもう少し時短できるかな、それとスパイスも効かせて辛口」
「へぇ…なんか想像以上ね」
「カレーだけじゃないぞ?チャーハンも餃子もスパゲッティもいける」
そして、食事の後。ボクはテーブルの片付けをしながら、何気なく言った。
「あとさ、掃除も任せていいよ。特にトイレ掃除は得意中の得意だ」
「トイレ?」
「そう。便器を手で触ってもほおずりしてもいいくらいピカピカにするんだ。清潔だろ?」

マユミは思わず吹き出した。
「ちょっと、それ力説すること?でも…なんか、安心した」
ボクはふっと笑って、食器を洗う手を止める。
「だからさ、気を使いすぎないでくれよ。ボクもやれるし、手伝いたいんだから」
マユミは少しだけ目を細めた。
「…ありがと。そういうの、言ってくれるの嬉しい」
こうして、ふたりの暮らしはまた少しだけ心地よいものになっていった。
よく使う清掃用具
ボクの実際に使用している掃除用品です。壁や床を傷めないような洗剤を使用して、毎日出来れば毎日、ちょっとでも拭き上げています。