心の距離と体調不良――
朝、喉の奥に違和感を感じながら目を覚ました。体の節々が痛い。熱もある気がする。風邪、だろうな。

半ば、無意識にマユミに連絡した。「風邪が悪化したみたい。今日は休むよ」「病院行って休んで、ちゃんと治してから出てきて。菌を持ち込まないでね」
あぁ、正論だな、と。確かにボクが職場に行けば、誰かに風邪を移す可能性がある。分かっている。それでも、心のどこかで彼女の返事に少しだけ期待していたボクがいる。
「大丈夫?無理しないでね」とか、そんな優しい言葉を。
追い討ちをかけるように、もう一回、マユミからの着信が入った。
まゆみと会いたいなぁ!私はここよ!(妄想中)
「2日くらい様子を見て、お医者さんの許可が出たら来てね。明日はC&Pセンターだから、札出しておけばいいから」
あぁ、そうだ。C&Pセンターの業務があるんだった。でも、ボクはそんなことよりも、彼女の無機質な言葉に引っかかっていた。
受話器越しに、彼女の周りのざわめきが聞こえる。
「マユミちゃん、今ちょっといい?」
「どうしたの、プレゼントがあるんだけど……」
「そんなのどうでもいいから」
電話越しに突き刺さるその一言。ボクは言葉を失った。
「そう……わかった。またね」
なんとかそう言って電話を切ったけれど、心の中に残るモヤモヤはどうしようもなかった。
仕方がない、と自分に言い聞かせて、病院へ向かう準備を始めて、家を出た。

ボクたちの職場は小さなチームだ。主要メンバーが少ないから、一人でも体調を崩すと大きな影響が出る。だから、ボクが風邪を引いたと知ったら、彼女はボクを職場に近づけさせない。
「それが彼女なりの優しさなんだ」
頭ではそう理解している。分かっているのに、彼女の言葉の冷たさが胸に刺さるのを止められない。
最近、彼女はボクがあげたプレゼントにほとんど反応しなくなった。それどころか、おねだりすらしなくなった。
代わりに、職場の独身で若い同僚と楽しそうに笑っている彼女をよく見る。
ボクの気のせいだと思いたい。けれど、彼女の心が少しずつ遠ざかっている気がしてならない。
夜、熱でぼんやりした頭で日記を綴った。すると、友人たちがいくつかコメントをくれる。
「ただタイミングが悪かっただけだよ!」
「体調を気遣ってくれてるだけじゃない?どうでもいい、っていうのも、早く治してほしいからだと思うな」
「今だけだよ。きっとまた笑顔で受け取ってくれる日が来るって」
みんなの言葉はどれも優しい。でも、その優しさすら、今のボクにはどこか現実味が薄い。
今日の診断結果は、単なる風邪という結果だった、この安堵感はまるで救われたような気分だった。心の中で、「ああ、良かった。」と呟くのだった。
「明日になったら、少しは気持ちも体も軽くなるのかな」
そんなことを考えながら、眠りにつく準備をした。
コメント
- りんか りんか :そんな淋しいこと言わないで下さいよ~〓ヒロさん風邪で弱ってるし、ちょっとタイミングが悪いだけですよ。元気出していきましょ。
- ボク:りんか、ごめんな、気弱になり過ぎてるよな。マユミに悪いかなって気持ちが出始めてから、こうなったのかね。
- ハッCー(^-^)v ハッCー(^-^)v :どうでもいいって…ヒロさんの体調を気遣って、その事だけしか頭にない時に、
- きっとプレゼントの話より、早く治して!!っていう事だと思うよ??
- ボク:ハッCー、そういう風にとってもいいのかな。とりたいけど、ハッCーはやさしいからね。ありがとう。
- (◎*’v`P桃q°+♪ (◎*’v`P桃q°+♪ :今だけだって
- ボク:ももちゃん、そうあって欲しいよ。ボクの都合のいいようになればボクは一番うれしいけど。
- トモ トモ :悪く取っちゃダメだよ。ウマく言えないタイプなんだろうけど、風邪こじらせてもらいたくないからの言葉だと思うし…プレゼントとかは、あまり、気を使わなくてイイのに…って言ってるような気がするな。ワタシだったら、そうかな。ほしかったら欲しい時だけおねだりするよ~日記にも書いたように今回は、初めて指輪ねだってみました。三年付き合って初めてです~
- ボク:トモさん、やさしく思われてるんならいいけどね。
- 悪い方にとってるんじゃないんだけど、いろいろ、あったけど、ボクが気づかないふりをしているけど。おねだりしたんだ。お互いに好きならね。されたほうもうれしいだろうね。