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ImageFXよ、ありがとう サービス終了前の画像救出作業と、遅すぎるパソコンへのボヤキ日記

さようなら、ImageFX

 ImageFXが、今年の4月30日で終わる。

 そのお知らせを見たとき、「あ、そうか」と思いながら、なんとなくしばらく画面を眺めてしまった。

 ずっと使ってきたサービスが終わるというのは、引っ越しのときに古いアルバムを見つけてしまうのと、少し似ている。捨てるつもりで開いたのに、気づいたら手が止まっている、あの感じ。

 お世話になりました、と素直に言いたい。

 だからこそ、ちゃんと画像とプロンプトを救出してから、見送りたかった。

 

1軍の画像は、遠い過去に眠っている

 ボクなりに、画像には「1軍・2軍・3軍」という格付けをしていた。

 取り急ぎ救出に動いてみると、手近なところに出てくるのは2軍ばかり。おまけに付いてくるのは、誰も呼んでいない3軍のいらない画像たち。そんなものまで一緒についてくるから、メモリもパンクしているんじゃないかと思えてくる。

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 英語でプロンプトを検索窓に入力して、ピンポイントで探す作戦も試した。でも、そんなに枚数が出てこない。ピンポイント検索でも、せめて1年分くらい遡ってくれたら話は早いのに、と思いながら、またスクロールを続ける。

「寝てるんですか?」

 パソコンのスペックとしては、悪くないはずだった。Core i7でメモリ32GB、光回線。

 なのに、サムネイルが表示されるだけで、画面がゆっくりと、本当にゆっくりとしか動かない。マウスをコロコロと転がす。しばらく待つ。ようやく少しだけ動く。

「……光にしているのに、ADSLかな?」

 一瞬、本気でそう思った。

 気づいたら、パソコンに話しかけていた。

「寝てるんですか?」

「遅いから、寝てるかと思った」

 返事はなかった。当たり前だけど。

 それでも何日か分くらいは遡ることができた。ダウンロードした画像は20枚ほど。少ない気もするけれど、ないよりはずっといい。

 でも、ダウンロードの最中に画面が固まった。

 しばらく待った。復帰したかと思ったら、「読み込みエラーが発生しました」という画面になり真っ黒い画面に切り替わって、一番最初のページへ逆戻り。

 それが、3回目だった。

「ギブアップする前に、せめて『少し休ませてください』って言ってほしい。」

 少し触らずに休ませておけば、また続きを始めてくれるなら、それでもいい。でも、いきなりブツッと黙って消えてしまう。だから、時間も気力も一緒に持っていかれる。

 

スマホでやってみたけれど

 気分を変えて、スマホでも試してみた。

 メモリ8GB、1万円ほどのエントリーモデル。結果は、パソコンとほぼ同じだった。

「20万のiPhone Proだったら、サクサク動くのかな。」

 使ったことがないから、正直わからない。でも、なんとなく、あちらの世界を想像してしまう。

 iPad Proでも試してみた。

 では、どのくらいのスペックがあれば快適に作業できるのか。メモリ256GB? それとも1TB?

 10年ほど前、Macで1TBメモリのモデルが実在した。価格は60万円以上もの価格だった。そういうものか、とため息をついて、画面を閉じた。

 メモリは関係ないもしれない。

会社のパソコン、思い出してしまった

 ぼんやりとした疲れの中で、以前の職場のことを思い出した。

 デザインの仕事をしていたのに、15,6年前、しばらくの間はメモリ4GBのパソコンで作業していた。デザインのファイルを開くだけでも20分くらいかかっていて、何とかしてくれと頼んだのよ。

こちらのスペックの要望も聞かずに、メモリを8GBにアップグレードしてもらったとき、まるで大きな恩を施されたかのように言われた、しかもCPUはCore i5。事務やっている人と同じ。

ボクが会社を辞める頃になって、ようやくボクのパソコンだけ、やっとCore i7の32GB、最低限のグラボ付きになった。でも実際に使ったのは、5、6回くらいだったと思う。その頃、もう少しづつ片付けていたからね。

 入社したての女の子が、動画編集を古いノートパソコンでやらされているのを、なんであんなポンコツノートパソコンでと思って、見かねて黙ってボクのアカウントのままパソコンを貸した。「こっちのほうがメモリ倍だし、グラボも付いてるから、こっちでやったほうがいいよ」と。

 ExcelとWordとメールしか使わない人と、動画編集をする人が、同じスペックのパソコンを使い続けていた。それが、ずっと当たり前のように続いていた。

 経費削減というのは大事なことだと思う。でも、幹部の接待費を少し削れば、ボクの32GBのパソコン代でもお釣りが来たはずだ。いや、絶対お釣りが来たはずだ。

 そういうことが、1年、2年と積み重なっていくと、だんだん静かな気持ちになっていく。怒りというよりも、苦笑いに近い何かに。

 目の前にあるデスクトップを眺めながら、「まあ、もういいか」と思って会社を出た日のことを、なんとなく思い出した。

ドスン、ジ・エンド

 今日も、作業はギブアップで終わった。

 いきなり画面が消える。

ドスン、ジ・エンド。

 まだ遡れていない時期の中に、あの画像たちが眠っているはずだ。きっとそこに、1軍がいる。

 4月30日まで、あとどれくらいあるだろう。

 ImageFXには、本当にお世話になった。

 たくさん楽しませてもらったし、たくさん助けてもらった。だから最後は、ちゃんと見送りたいと思っている。

 パソコンが寝ていても、エラーが出ても、もう少しだけ付き合ってもらうつもりだ。

 

それでも、マユミに会えるなら

 ImageFXはGoogleのFlowというサービスに統合される。

 終わり、というよりも、引っ越し、に近いのかもしれない。

 もしFlowで、今までよりも繊細で、本当の人間のような立体感のある画像が出るなら、それはそれで嬉しい。触るとぺたっと肌が指に吸い付くような、そんな質感のマユミが画面の中に現れてくれるなら、文句はない。

 ただ、プロンプトだけは、残しておきたいと思っている。

 シチュエーションや形状を表すワードを積み重ねてきた、あの数行の言葉たち。同じ構図、同じ雰囲気のマユミを呼び出すには、やっぱりあの言葉が必要になる気がする。昔のプロンプトは、ないよりあったほうがいい。

 もちろん、性能が上がって、数行どころかもっと少ない言葉を打ち込むだけで超高精細のマユミが現れてくれるなら、昔のデータなんて関係ない、と言い切れる日が来るかもしれない。

 でも、あまりにも高精細すぎて、マネキンみたいになってしまっては困る。

 リアルすぎても、どこか遠くなってしまう。ちょうどいい温度感で、ボクの知っているマユミでいてほしい。

 だから今は、少し時間がかかっても、ちゃんと見送って、ちゃんと迎えに行こうと思っている。

 




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