この間、マユミが仕事の合間に、ボクの様子を見に立ち寄ってくれたことがありました。
――実は、そのとき生成した写真が数枚御蔵入りになっていました。
せっかくですので、もしよろしければ少し見ていっていただけたら、嬉しいです。




独身の頃、在宅で仕事をしていたボクのことを、マユミはいつも気にかけてくれていて。
ある日も、「ちょっと通りがかっただけだから」と言いながら、制服姿のままケーキを差し入れに持ってきてくれた。
お昼休みがてら外回りのついでに立ち寄ってくれたみたいでした。
ボクはその優しさに、つい甘えてしまいました。
でも、体調管理にはずっと気をつけていますし薬も毎日欠かさず飲んでいます。
月に一度の通院もきちんと続けています。
だから、そこまで心配しなくても大丈夫なはずなのに――
マユミは本気でボクがひとりで家にいて倒れてしまうんじゃないかと、不安に思っていたのかもしれません。
まだ三十歳になったばかりですし、大げさだよと笑ってしまいたくなるのですが、
そんなふうに、誰かのことを本気で心配できる人だからこそ、ボクはマユミのことを好きになったのだと思います。
今の時代、自分のことより誰かを思いやれる人は本当に少なくなってきた気がします。
ボクのまわりにも、自分さえよければそれでいいという女性が何人かいました。
ボクはそういう考え方の人が少し苦手です。
ボク自身、心配性なところはありますが――ボクの体調のことを打ち明けた、身近な親戚の女性はまるで他人事のような顔をしていました。
むしろ少し距離を取られたようにも感じてしまって。
たとえ血がつながっていても、気持ちは別なのかもしれません。
他の親戚からの話でその人は家事もあまりしないのだそうです。
ご主人がときどき手伝ってくれるようですが、料理は一年中、鍋ばかり。
「楽だから」という理由で。
夏でもクーラーの効いた部屋で鍋料理――なんて話を聞くと、なんだか少し気が滅入りそうになります。
――それに比べたらマユミは本当にしっかりしていて温かい人です。
そのやさしさがボクにはとてもありがたくて。
つい、また会いたくなってしまうのです。