先日、とあるイタリアンピザのレストランに行きました。お店に入ると、スタッフ全員が“ボナセーラ(Bonaserà:こんばんは)”と唱和するようなタイプのカジュアルなお店です。
まず、若い男性の店員さんに「スプマンテをグラスで二つ」とお願いしました。このお店のメニューでは、グラスで提供されているスプマンテは「マルティーニ ブリュット」一種類しかないのです。ところがしばらくしてホールのチーフと思しき女性の店員さんがやってきて、「あの、申し訳ありませんが、ご注文をもう一度……」とおっしゃる。「スプマンテのグラスを二つです」と申し上げるも、「は?」と納得の行かないご様子。
それでメニューを指差そうと思って気づきました。メニューには「スパークリングワイン」と書いてあるんですね。だから「スプマンテ」と言われた店員さんたちは戸惑ってしまったというわけです。ごめんなさい、イタリア料理だからと気取って「スプマンテ」などと言った、スノッブな私が悪かったのです。

でも……あとからいろいろと考えてしまって、結局この日は食事をあまり楽しめませんでした。最初に注文を取りに来た若い男性の店員さんは、あのチーフに怒られたんだろうなとか、そのチーフもイタリア料理店で働いているのに「スプマンテ」をご存知なかったのかなとか、結局お二人ともこの仕事がそんなにお好きじゃないのかなとか。
いや、もうほんとうに大きなお世話なんですけど、来店時に「ボナセーラ」とおっしゃるくらいなんですから、イタリアの料理や文化に対してもう一段興味をお持ちになれば、もっと楽しく働けるんじゃないかなあ。たぶんお二人ともアルバイトでしょうし、仕事にそこまでの情熱は求めてない? でも私は、けっこう大切なことだと思うんです。それに腰掛けで仕事をしていると、仕事のよきこ゚縁も巡ってこないものなんですよ。……うわあ、なんだか老害じみてきたので、このへんでやめておきます。