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國家人權博物館

台湾に「不義遺址」と呼ばれる場所があります。そのうちのひとつ、新北市にある「白色恐怖景美紀念園區」の「國家人權博物館」に行ってきました。不義遺址(不義遺跡・不正義遺跡)というのは、1947年に起きた、当時の国民党政権が住民の抗議活動を武力で鎮圧するなどして多くの死傷者が出た二二八事件と、それに続く戒厳令の施行下で行われた白色テロ(政治的弾圧)に関する歴史を記念するための場所や遺構などで、現在までに42か所が指定され、人権教育のために活用されているそうです。

www.nhrm.gov.tw

國家人權博物館には新北市のほかにもうひとつ、政治犯の監獄があった緑島にも「紀念園區」があり、7年ほど前に訪れたことがあります。緑島のほうには、監獄に収容されたり処刑されたりした人々の名簿が記念碑として作られていましたが、新北市のこちらにも同じような記念碑がありました。

先般、韓国のソウルに行ったときにも、日本統治時代に作られて独立運動などに関わる政治犯を、戦後は民主化運動の政治家を収容・処刑していた「서대문형무소역사관(西大門刑務所歴史館)」を見学してきましたが、その収容の仕方、受刑者の「管理」方法、人権抑圧の手法など、とても似通ったものを感じました。当たり前といえば当たり前かもしれませんが、時の権力が人権を弾圧するときの思考方法というものは共通したものがあるのかもしれません。

施設内の建物をひとつずつ見て回りました。あの「美麗島事件」の裁判が行われた法廷もあり、また日本統治時代や戦後の一時期に台湾語客家語、さらには先住民族の言語などの少数言語を禁止して「國語(中国語・北京語)」を使わせるようにした歴史の特別展示などもあって、個人的にはとても興味深く見学しました。

ひと通り展示を見て入口に返ってくると、ちょうど中国語の解説ツアー(無料)が始まるところだったので、参加させてもらいました。法廷と収監施設を重点的に解説するもので、見ただけではわからない細かな点、例えば受刑者や被疑者がどういう状態で収容されていたのかなど具体的に聞くことができました。

特に印象深かったのは、こうした民主化運動弾圧の情報がかなり統制されていた時代に、どうやって外部、特に海外へ情報を伝え、それを公表することでいわば「外圧」を利用して状況の改善を図ろうとしたかという点です。悲しいかな、こうした専制体制に自浄能力を求めるのは無理で、やはり外部からの支援や救援が欠かせないーーそれは台湾と対峙するもう一方の「かの国」においては、現在も進行中の事態なのです。

帰りに受付のところで『白色恐怖歴史現場』という書籍(日本語版・英語版もあります。1冊100元:約500円! 安いです)を買い求めました。過去に行われたテーマ展示を紹介した図録ですが、この施設の展示をほぼ網羅するものになっています。この図録の最後に載せられている「結語(結びの言葉)」がとても考えさせられる内容だったので、いくつかをここに引用します。

・自由に考え、自由に話すことは普遍的な価値だが、そこに制限はないのか。制限があるとすれば、その基準は何か。
・思想の自由は保障されるべきだが、思想を実践することは保障されるのか。
・同じ轍を踏まないためには、社会においてどのような価値観を共有すべきなのか。
(太字は原文のまま)

現代の日本の私たちにとっても、重要な呼びかけであるように思います。




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