日常的にスマートフォンを持ち歩くようになって、腕時計というものを身につけなくなりました。中高生の頃から使うようになった腕時計、思えば長いつきあいでした。外出するときには靴を履くのと同じくらい無意識に身に着けていたものですが、あるとき「腕が重い」と感じたのが、腕時計を使わなくなったきっかけだったように思います。
重いと感じたのは、そのときにつけていたのがクロノグラフと呼ばれる「ごっつい」腕時計だったからです。ずいぶん昔、海外赴任手当で多少「バブリー」になっていたころに購入した、タグ・ホイヤーの「Carrera」というクロノグラフでした。老後への不安もあって、すっかり倹約モードの暮らしになってしまった今だったら絶対に買わない(買えない)ですけど。

もうずいぶん長い間使っておらず、甥っ子にでも譲ろうかななどと思っていましたが、きょうびの若い人たちこそスマホだけで充足していて、こんな鈍重な腕時計はお好みじゃないみたい。というか、いまだったらスマートウォッチを選ぶんでしょうね。というわけで「嫌なことは全部背負い投げ〜」のお店に持ち込んでみました。思っていたよりも高値を提示され、「箱があればもっと上乗せできるんですが」と言われました。いえいえ、これでじゅうぶんです。
こうして、腕時計のある暮らしは終わりました。
ところで、先日発売された、よしながふみ氏の『きのう何食べた?』最新24巻では、シロさんの職場の「大先生」がスマートウォッチを推していました。でも「クラウド封土」からの脱出をもくろむ「農奴」たる私は脱Google、いや脱GAFAM+α を絶賛実践中ですので、遠慮しておきます。そう言いながら腕時計代わりにスマートフォンを使っているんですから、矛盾してますけど。でもね、言い訳めきますがiPhoneのスクリーンタイムによれば、脱Googleを意識し始めてからというもの、スマートフォンを見る回数が目に見えて減っているのです。いい傾向だと思います。

