斗比主閲子氏の『ふつうの会社員が投資の勉強をしてみたら資産が2億円になった話』を読みました。以前から氏のブログを拝見していたのですが、この本でも共感する内容があちこちに。たとえば「いっそのこと結婚したほうがダブルインカムで支出も抑えられて、早く資産形成できるのでは?」という部分など、かつての自分もまったく同じ考えでした*1。

ふつうの会社員が投資の勉強をしてみたら資産が2億円になった話
ただ、私の場合は、暮らしにも仕事にもこれまでかなりの紆余曲折があって、長期投資と無駄な出費を抑えることで資産形成という金融リテラシーの「王道」にたどり着くのがちょっと遅かった。じゅうぶんな時間を味方につけられなかったので、斗比主氏ほど理想的な結果には至っていません。もう少し早くからお金や投資のことを勉強していればよかったですね。その意味では、これからまだまだ長い人生があるお若い方々にはとてもおすすめの一冊です。
ただ、なにごともリアリスティックにお考えになる斗比主氏ならでは、といいますか、ふるさと納税の積極活用を勧めておきつつ、そのすぐ後段で、この制度は仕組みが「いびつ」であり、すぐに廃止すべきとおっしゃっている部分には違和感を覚えました。私は、ふるさと納税が「未来を食べて”今”の享楽にふける」行為だという指摘に賛同するもので、一度も利用したことはないからです。
ところが、こちらもいつも拝見している紙屋高雪氏のブログでこの本が紹介されており、そこにはこう書かれていました。
ふるさと納税の活用を勧めながら、この制度自体はおかしいのではないかとコラムで問題提起しているの好き。「歪と言うほかありません」(p.144)。
この使い分け感覚はけっこういいと思う。
この制度おかしくない? とか思いながら「まあせっかくあるんだから使うけどね」という感覚。そこは潔癖にならなくていい。
なるほど、そこは清濁併せ呑む大人の対応でいいのではないかと。たしかに、世の中のお金は、自分も信奉しているように「天下の周りもの」であって、自分ひとりで「太った豚より痩せたソクラテス」*2を気取っていても、あまり意味はないのかもしれません。
だから私は、なかなか資産形成ができないのかな。あの「最大20000円のマイナポイント付与」だって、「さもしくってイヤ」という理由で冷ややかな視線を送っていたような人間ですから。
*1:あと、内田樹氏がおっしゃっている「そもそも結婚は、幸せになるためにしているのではありません。夫婦という最小の社会組織を通じた『リスクヘッジ』であり、安全保障の仕組みなのです。病気になったり失業したり、思いがけない事態になったときに、1人では一気に生活の危機に追い詰められますが、2人なら何とか生き延びられる。お互いがサポートできる。それが結婚の第一の意味です」というのも、本当にそうだなあと思って。 blog.tatsuru.com
*2:巷間に流布しているこの言葉も、じつはかなり曲解されているんだそうですが。 www.co-media.jp