きのう野菜のビビンパを食べたあとに気がついたのですが、なぜだかお腹がもたれていないような感じがします。おばちゃんのご厚意でソングッシまでいただいてしまったというのに、これはどうしたことでしょうか。以前、韓国料理は食物繊維の摂取量が半端ではないので太らないのではないか、という説を聞いたことがあって、その方は「草の暴力」というやや不穏な表現をされていたのが妙に記憶に残っています。
「暴力」はもちろん高度な諧謔ですけど、ともあれ、あの野菜を「わしわし」とかき込む感覚は、たしかに腸内環境ととのいそう〜な感覚がいたします。というわけで、きょうは미나리(ミナリ:芹)のビビンパをこちらのお店で食べてきました。どっさりの芹(セリ)に加えて、真ん中にユッケも載っています。たまりません。しかもおかずにはさらに芹のサラダがついているという、まさに草づくし。

これがまた、前後左右の物音も聞こえなくなるほど(©内田百閒)おいしかったです。ビビンパをかき混ぜ、かき込むというのは、至福のひとときですね。そのあと、美術館などをはしごしていたら案の定お腹が空いたので(中高年としては珍しいことです)、韓国人の同僚に教えてもらった곤드레밥(コンドゥレご飯)を食べてみようと思いました。
コンドゥレというのは朝鮮アザミ(高麗アザミ)だそうです。朝鮮アザミといえば、あの茹でた蕾を歯でしごいて食べるアーティーチョークのことですよね。でもこのご飯は、山菜としての朝鮮アザミを炊き込んでいるようです。アーティーチョークとは別物の植物なのかもしれません。それはともかく、ネットで探したこちらのお店で食べたコンドゥレご飯は、ほのかな香りがとても繊細で、滋味深い味がしました。勝手に春の味だなあと感じていましたが、一年中あるものなのかしら。

コンドゥレご飯を食べていたら、目の前の道路で伝統的な装束のコスプレ(?)が始まりました。どうやらお隣りにある徳寿宮で行われている、観光客向けの王宮警備隊交代儀式の準備だったようです。

こうなったら「草づくし」で行きたいと思います。というわけで、夕刻にいたって、こちらのお店に行き、미나리전(ミナリジョン:芹のチヂミ)を食べました。マッコリもやかんで供してもらったので、なかなか雰囲気があります。上述した韓国人の同僚によれば、ジョン(チヂミ)を焼く音が雨降りの音に似ているというので、雨の日にジョンを焼きつつマッコリを飲むのが一種の風情なんだそうです。あいにく雨は降っていませんでしたが、その風情の一端を味わうことができました。
