台湾へ旅行したとき、よく利用するのが“素食”です。“素”は食事について使う場合「菜食」(反義語は“葷”)のことで、仏教などの宗教的な理由で、あるいは健康食として、あるいはエコロジカルな観点から、さらにはアニマルライツのような思想信条でこの食事を選ぶ人が多く、“素食”の食堂やレストランや弁当屋さんなどが台湾にはたくさんあるのです。

“素食”はよく「精進料理」と訳されますが、日本語の「精進料理」からはちょっと想像もできないくらいバラエティ豊かなのが中国語圏の“素食”です(だから日本語で言うところの「素食(そしょく)」でもありません)。台湾の“素食”はかの地における料理文化のひとつの大きなカテゴリーになっていて、Wikipediaにも独立した一項目「台湾素食」があります。
ja.wikipedia.org
この夏も台湾で“素食”のレストランや“自助餐”(ビュッフェ形式で好きなおかずを取って重さで精算するスタイル)を利用したので、留学生の通訳クラスでその話をしたら、台湾の留学生がこんなことを言っていました。でもセンセ、“素食”はかえって不健康だという人もいるんですよ。えええ、そうなの?
聞けば、料理にもよるものの“素食”の素材は全体的に味が淡白に傾きすぎるので(日本の精進料理はそういうイメージかも知れません)、食べごたえや満足感をプラスするために油分や塩分、糖分が通常よりも多く用いられている場合があるんだそうです。そういえば豆腐や湯葉を使った料理は揚げてあるものが多い気がしますし、野菜も煮浸しみたいなのがある一方で素揚げしたものも多いような(これがまたおいしいんだけど……でもそのおいしさの一半は油にあるのかもしれないですね)。
ネットで検索してみたら、“素食”にまつわる「落とし穴」について解説している記事がありました。
tw.news.yahoo.com
またこちらの記事では、“素食”における油の使われ方に着目しています。きちんと“素食”の利点を理解したうえで食べればさまざまな疾病の罹患率を下げることが期待できるものの、逆に間違えた食べ方をしていると動脈硬化や糖尿病、貧血などにも繋がりかねないと警鐘を鳴らしているのです。
health.ettoday.net
まあ上述したようなビュッフェ形式の“自助餐”ではこうした観点も考慮しながらおかずを選べばよいわけで、結局のところは何事も極端に傾きすぎないことが肝要ということになるんだろうと思います。ただ、“素食”だからといってすべてが健康的というわけでもないというのはひとつの気づきになりました。くだんの台湾留学生に感謝です。