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人生の最後に残るのはお金ではなく思い出

私は間もなく定年を迎えます。いま勤めている職場は還暦が雇い止めで、その後も再雇用などの道はありますが、いったんこれで宮仕えはおしまいになります。とはいえ、若い頃から就職したり就職し(でき)なかったり、転職したり失業したりフリーランスになったり……を何度も繰り返してきて、今の職場も正職員としては都合5〜6年ほどしか勤めていませんから、定年といっても大きな感慨や職場に対する未練みたいなものは、それほどありません。

ただ、定年に際して感慨や未練みたいなものはなくても、その後に対する不安は大いにあります。私自身はたいした資産も持っていませんし、自宅も賃貸です。体力も最近とみに衰えが目立ってきましたし、なにか腕一本で食べていけるだけのスキルや資格があるわけでもありません。かりに今の職場に再雇用されるとしても、手取り収入はおよそ半分ほどに減ります。若い頃はけっこう不摂生も重ねましたからそんなに長生きできるとも思いませんが、それでも平均寿命でいけばあと20年ほどは食べていかねばなりません。

それでもうずいぶん前からいろいろと考えたり本を読んだりしてきたのですが、なかでもいちばん私を勇気づけてくれたのは経済コラムニストである大江英樹氏の著作でした。私が氏を知ったのは比較的最近のことですが、昨年上梓された『90歳までに使い切る お金の賢い減らし方』はとても腑に落ちる内容でした。特にだれもが(私を含め)なんとなく曖昧にしておきがち(現実を見たくないという気持ちのせい?)な定年後のお金に関するあれこれを、きちんとロジカルに「見える化」しようと、そして「人生の最後に残るのはお金ではなく思い出」であるという主張に同意することしきりでした。


90歳までに使い切る お金の賢い減らし方

この「人生の最後に残るのはお金ではなく思い出」あるいは「人生で一番大切なのは思い出を作ること」というのは、私も以前読んで大いに目を開かされる思いがした『DIE WITH ZERO』と同じ主張で、かつ大江氏もこの本を引用して語られています。日本人はとかく貯蓄にばかり励んで、けっきょく死ぬ際にはたくさんの資産を残してしまう(まあ、美田を贈られた子孫にとっては福音かもしれませんが)とよく言われます。でも、ある程度の年齢になったら計画的に資産を取り崩していきつつ思い出を作る、つまり人生を楽しむことをきわめて意識的に考えていくべきではないかと。

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定年後に不安がないといえば嘘になりますが、少なくとも私は、自分の今とこれからのお金にまつわるあれこれを「思い込み」ではなく事実に基づいて見据えることで、カズオ・イシグロ氏の『日の名残り』で終章に登場する「おそらく六十代も後半と思われる太りぎみの男」のこのセリフを今から楽しみなものとして受け止められるようになりました。“We've all got to put our feet up at some point.(いつかは休むときが来るんだよ)”。悠々自適とはとてもいきそうにないですけど、そうやって脚を伸ばして少しはのんびりできるようになるのが楽しみです。

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ところで私は、大江英樹氏が今年の1月に急逝されていたことを、なんともうかつなことに最近知りました。急性白血病だったそうです。ご自身が提唱されていたように思い出はたくさん残されていたとは思いますが、急なことでご無念もあったのではとお察しいたします。たくさんのポジティブなメッセージを私たちに残してくださったことに感謝を申し上げます。

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