「エネルギー」は科学の重要な概念です.太陽から電磁波の形で地球に届くエネルギーは,様々な「もの,こと」にその姿を変えて私たちの住む世界を形作っています.私たち自身もご飯を食べたり,太陽の光を浴びたり,運動するなど,絶えず外界とエネルギーのやり取りをしながら,この世界に存在しています.もし,私たちが死んでしまったら,その肉体は微生物によって分解され,肉体が内包していたエネルギーはその微生物たちの身体に移ります.
このように,エネルギーの移り変わりを眺めてみると,仏教の言葉にある「諸行無常」と「諸法無我」というのは,エネルギーの概念とよくなじむものではないかと思います.
「諸行無常」とは「すべてのものがつねに変化し,とどまることがないこと」を指し,「諸法無我」とは「存在するものすべては永遠不変の実体ではなく,これを我がものとして固定的にとらえてはならないこと」を指します(いずれも,濱井修 監修,小寺聡 編,2009,倫理用語集 改訂版,山川出版社,ISBN978-4-634-05217-8,より引用).
エネルギーはつねに様々な形に姿を変え,そのエネルギーから作られている私たち自身も永遠不変の実体ではなく,つねに移り変わっていくものだと思います.
そう考えると,自分と,自分に関わるすべての物事が移り変わってゆくことは,自然なことだと思います.もちろん,そう思うだけで,物事の変化とエネルギーの変化の間に何か明確な因果関係があるかどうかはわからないですが.
- 作者: 小寺聡
- 出版社/メーカー: 山川出版社
- 発売日: 2009/03
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 28回
- この商品を含むブログ (6件) を見る