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2012年8月の読書ピックアップ

私小説とはなんだろう、みたいなことが気になって、kkkbestさんにオススメを訊ね、いくつか読んだ。

"「本物の試合にもいいところがあったからね。たとえば、観衆だけど、そこにいると、いわば教会にいるみたいに、自分がなにかに属しているような気分になるんだ。もっとも、どんな教会よりもずっと活き活きしていたけど。スコアをつけたり、大声で野次ったり、ホットドッグを食ったり、コークやビールを飲んだりして仲間に加わったもんだが、そのうち妙なことを思いついたんだ。ヨーロッパ風の教会じゃなく野球場こそが、ほんとのアメリカの神殿じゃないかって」 "

平岡正明いわく、"題名を見ただけで傑作とわかる作品がある。「夜よりほかに聴くものもなし」がそうだ。"

"「無がきみの顔を見つめている。完全で永久的な忘却。きみは存在することをやめるだろう。存在するんだ、ジャック。死者はこれを受け入れ、死んでいく。殺人者は、理論的には他人を殺すことによって自分の死を打ち破ろうとする。彼は時を買い、生を買う。他人がのたうちまわるのを見守る。死んで、血が滴り落ちるのを見る」
 私は彼を、驚いて見た。空洞の音を立てて、彼は満足そうにパイプを喫った。
「これは死をコントロールするひとつの方法だ。究極的に優位に立つ方法だ。代わって殺人者になれ。誰かほかの人を死者にするんだ。彼をきみの身代わりにするんだ。理論的にも、彼はその役割にふさわしい。きみは彼が死ねば、死なない。彼は死に、きみは生きる。なんとすばらしく単純なことかわかるよ」"


死が不安なら。




"「そうなのね。あなたは、自分が、自分だけが、この竜と戦えるのだと決めている。そして、次も、またその次も。身をよけてやりすごさないで。そしていつかは最後の竜に出会うんだわ。」"

そんなに読んでるわけでもないのだけど、冒険小説でなにか一冊選べといわれたらこれを取るかもしれない。色褪せない文体、凄烈な生き様、トリックの象徴性、どの要素も明晰さが伴っている。


"「家の中を片付けるという行為は、一種の権力欲の顕れかもしれない、ふだん、自分の権威の届かぬ、と、あえて意識するわけではないが、いちおう出だししかねていた妻や娘の領域に、自由に入りこむ、はじめは、誰がみたって散乱しているとしか思えぬ何やかやを、ふさわしく整えるうち、一種の狂躁状態となり、ビニールのゴミ袋を持ち出し、要るもの不要なものを、ぽく自身の判断でえり分け、ご連中の部屋は二階なのだが、その窓から外へ投げ捨てた。」"



シンボルの扱いが上手い。ユニークなわけではないけれど、漫画としての語りの技術があるんだろうか、なぜかみぞおちに重い。
そのままでも安楽とはいえないテーマに、これでもかと悲惨な設定をつけたしまくる。読む方としては空想的な虐待に加担しているようで、罪悪感あるんだけれども、しかしこの面白さは捨てがたくて、なやましいのです。


性差、という単語がポリティカリーに不当なのであれば、性別による絶対的な差異とでもいうんだろうか、男性にはけして届き得ない領域がある。


BDやアメコミはギャンブルだ。なにせ単価が日本のコミックの三〜六倍は平気でする。しかもシリーズものとなったら続刊はかならずしも保証されない。価値においてはド・クレシーはお墨付きなんだけど、『サルヴァトール』は本国ですら止まっているらしく、かなり先行き不透明。小さいおっさんと偏屈な犬ころが車で旅にでる米文的なおおらかさとフレンチの嫌みを伏せ持った漫画をちょっと読みたいと思わないないかぎりは、『天空のビバンドム』を買ったほうがセーファーだったりもする。




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