初めに
本書は風林火山について何も知らない初学者を対象に、わかりやすくこの理論の基本的な考えを紹介し、議論や研究の基礎を習得することを目標としています。現在の風林火山研究の状況を鑑みるに、この理論をすでに知っている人々は、1年以上この理論に親しみ議論を重ねている熟練者ばかりです。一方で今0からこの理論を学ぶことは簡単なことではないように思われます。風林火山の議論をしている人々は熟練者ばかりなので、彼らの議論についていくことは初学者にとっては容易ではなく、何の話をしているかわからないでしょう。本書はそのような状況を打開するために執筆されました。本書は奥深い風林火山の世界への第一歩となるでしょう。
風林火山とは
風林火山は簡単に言えば、何らかの特徴、およびその特徴を持つものを意味する用語です。これは基本的にはポケモンに対して使われる用語ですが、現在ではあらゆる物事に対して使われるようになっています。以下ではこれらの属性の特徴を簡単に紹介します。
4つの属性の中で最もよく使われるのは間違いなく林でしょう。林とは要は「苦しそうなやつら」のことです。これは上手くいかなくて苦しんでいる者だけでなく、そもそもそれがやろうとしていること自体が苦しいものも含みます。林はよくガリガリと形容されます。次に山は、「動かざる事山の如し」という言葉があるように重量感があり簡単にはやられないものの事です。要するにフィジカルギフテッドです。ムキムキです。そして火は凄まじい破壊力があるもののことです。山が攻守を共に含む肉体の強さだとすれば、火は破壊力特化というニュアンスがあります。最後に風ですがこれが一番よくわかりません。場合によってはほかの3つのどれでもない属性が風だと言われることもあります。ですが基本的にはスピードが高いものやスマートなものの事です。
ポケモン対戦における風林火山
風林火山はもともとはポケモンに対して用いられるようになった概念です。現在では持ち物、技、立ち回り、そして構築に対してもこの概念が適用されていますが、ここではポケモンについての風林火山について説明します。
林
林は前で書いたように苦しそうなやつです。例えばハッサムやアーマーガア、ロトムは受け出しをすることが多いポケモンですが数値不足なところがあるため林です。これらのように林には対面操作を役割とするものが多いです。またドヒドイデのように攻撃技をほとんど使用しない耐久ポケモンやチオンジェンのように残飯や宿り木に回復ソースを頼っている耐久ポケモンも林です。残飯を持っているポケモンは基本的に林と考えていいでしょう。

火
火はわかりやすいと思います。超高火力のポケモンが火です。こだわり鉢巻やこだわりメガネを持っているポケモンが基本的には火になります。ノマテラヌチゲモなどのように拘りアイテムを使わなくても火となるポケモンもいます。ただし剣舞のような積み技によって高火力となるポケモンは火とはあまり言われません。

山
山は高い耐久力を誇ります。ただしただ耐久力が高いだけではなく、多くの場合打ち合いで勝てる火力も備えています。ディンルーやチョッキヌチゲモ、チョッキカイナなどが山です。HBとAorCが高く、DとSが低くて、チョッキを持つことで山となるポケモンは多く、これらは山チョッカ―といいます。

風
風は諸説ありますが、ここでは素早さが高い対面駒とします。襷や特性による行動保証と相性がよく、ただ殴るだけでなく変化技も駆使します。ブエナカミやブエナツツミは典型的な風のポケモンです。スカーフサーフゴーも風に入ります。スカーフトリックを使うポケモンは基本的に風です。

読書案内
以下ではより深く学びたい人やある程度理論に習熟してきた人向けの記事を紹介します。
最もよく使われる林について、その本質を吟味した対話編。祖の言葉を手掛かりに林とは何かについて考える。前8話。
風林火山がポケモン対戦における必然的な概念であることを証明し、明確な定義を示した2本立ての論文。初学者には難解なのである程度理論に慣れた人向け。