おはようございます。今日はルパート・ホームズの「ターミナル」です。
I've come back this morning to where I first came alive
Here within this terminal where the buses arrive
I was a commuter on the 804
Worked for a computer on the 19th floor and
You came down the aisle of the bus and you sat by my side
Shoulder up to shoulder, we shared that 9 o'clock ride
Oh, my heart was screamin' as you left your seat
Followin' your movements, I was at your feet and
Oh, down into the terminal, both of us filed
So, we entered the terminal just as you smiled
"Won't you leave off work for the day?" you asked of me then
So I phoned in sick on the way to the home of a friend
We were all alone from 10 AM 'til 3
Really thought the fire had gone out of me but
You awoke the sleep of my life from gray into red
Made the weary wonder of Wall Street rise from the dead
Could have held her body my entire life
But I had to get home to the kids and the wife and
So, I left for the terminal where I began
Baby, no, I wouldn't have left if I'd been half a man
So here I am this morning where love had asked for the dance
Here within this terminal where I passed on a chance
Lord, I'll never find her though I've truly tried
Probably she's found another bus to ride and
I am now about to begin the last of my days
I'm within what others would call a terminal phase
I myself can only say it's livin' dead
Ridin' to the office with a song in my head that goes
La da da da, da da da, da da da
And you know it grows
La da da da, da da da, da da da
Oh, la da da da, da da da, da da da,,,
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今朝僕は戻ってきた
初めて生きていると感じられた場所へ
このターミナルにはそのバスが到着する
僕は804系統のバスに乗る通勤客だった
19階のオフィスでコンピューターの仕事さ
君がバスの通路を歩いてきて
僕の隣に腰を下ろした
肩と肩を寄せ合いながら
あの9時のバスで一緒に揺られていた
ああ 君が席を立ったとき
僕の心は叫んでいた
君の動きを目で追いながら
僕は君に夢中だった
そしてターミナルへと降りていく
二人は列になって歩いた
ターミナルに入る瞬間 君は微笑んだ
「今日 仕事を休まない?」
君はそう僕に尋ねた
だから僕は友人の家へ向かう途中で
会社に病欠の電話を入れた
午前10時から午後3時まで
僕たちは二人きりだった
自分の中の火は
もう消えてしまったと思っていたけれど
君は僕の眠っていた人生を呼び起こし
グレーから赤に変えてくれた
ウォール街で疲れて麻痺した心を
生き返らせてくれたんだ
一生 君の体を抱いていられたかもしれない
でも僕は子どもと妻のもとに帰らなければならなかった
だから僕は すべてが始まったあのターミナルへと戻った
ベイビー もし僕が少しでも男気があれば
あのとき立ち去りはしなかっただろう
だから今朝もここにいる
愛がダンスを求めたこの場所に
僕がチャンスを逃したこのターミナルに
神様、必死で探したけれどもう彼女には会えないだろう
たぶん彼女は別のバスに見つけてしまった、そして
僕は今 人生最後の日々を始めようとしている
いわゆる「終末期」にいるんだ
僕に言えるのは まるで生きる屍だってこと
頭の中であの歌を鳴らしながら今日もオフィスへ向かう
ラ・ダ・ダ・ダ ダ・ダ・ダ ダ・ダ・ダ
そしてそのメロディーは大きくなっていく
ラ・ダ・ダ・ダ ダ・ダ・ダ ダ・ダ・ダ (拙訳)
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通勤バスでたまたま一緒になった女性に一目惚れして、しかもその女性から誘われて、友人の家で関係を持っちゃう、そんな話あるか〜って思うんですけど。結末として、それ以降主人公は同じバスで通勤し続けたけど、女性に二度と会うことはなく、人生の”終末期”を迎えようとしているんですね。タイトルのターミナル(Terminal)という言葉は、バスのターミナル(終点)と、最後は人生の終末期(Terminal phase)をかけている、というオチなんですね。
これ、ルパート・ホームズのデビュー曲なんです。デビュー曲でこの歌詞というのはちょっとびっくりします。
ただ、彼は子供の頃からミステリー作家になりたかったようで、実際にその後ミステリー小説も出し、ブロードウェイの作家としても活動、ストーリーテラーとしての才能に長けた人だったんですね。
彼はアーティスト・デビューする前に、ニューヨークのスタジオ・ミュージシャンのグループ、カフ・リンクスのロン・ダンテとカフ・リンクス用に「ジェニファー・トムキンス」という曲をを共作していて、これが最初のヒットになっています。
ロン・ダンテと言えばアーチーズの「シュガー・シュガー」のボーカルとして有名です。「シュガー・シュガー」が大ヒットしたため、プロデューサーのドン・カーシュナーがダンテに他のプロジェクトを禁止したそうで、詳しい経緯は不明ですが、「ジェニファー・トムキンス」はカフ・リンクスの1970年に発売されたアルバムに収録されましたが、ホームズがボーカルを務めた”ストリート・ピープル”というグループ名義でもレコーディング、リリースされ、こちらのほうが全米36位のスマッシュヒットになっています。
ジェニファー・トンプキンスは日曜日に生まれた
父親は酔っぱらって月曜日に家を出て行った
母親はジェニーが七歳の時に若くして亡くなった
そしてジェニファー・トンプキンスは十一歳で働きに出た
ああ なんて不公平なんだ
トラブル トラブル あちこちで
おお 神様 降りてきてほしい
愛をほどこしてほしい
なんて不公平なんだ (拙訳)
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最初から彼はストーリーテラーなんですね。
その1年後、彼はザ・ブイズ(The Buoys)というグループに「ティモシー」という曲を提供し全米17位のヒットになっています。
これもかなり異質な歌詞です。事故で炭鉱に閉じ込められて生き残った男たちが何をしたのか?という話(ショッキングなことを匂わせている歌詞なので和訳はしません、、、)なんですよね。
こうした実績を受けて彼はアーティスト・デビューしたわけで、まわりからも歌詞の「面白いストーリー」を期待されていたんでしょう。
というわけでデビュー・アルバム「ワイド・スクリーン」には、ひねりの効いた曲が数多く入っています。ヒットしませんでしたが、アルバムを聴いて気に入ったバーブラ・ストライサンドからプロデュース、作曲、編曲の依頼が来て、彼は一層活躍していきます。
ちなみに、「ターミナル」は現在サブスクで彼の曲の中では「エスケイプ」とその次にヒットした「ヒム」に次ぐ人気曲になっています。
最後に「ワイド・スクリーン」からもう1曲。楽団の第2サックス奏者を主人公にした歌「セカンド・サクソフォン」を。
僕はアルトサックスを吹く
夢の中では、僕は一人ぼっち
そばに他のサックス奏者はいない
僕はセカンドサックスを吹く
ソロは回ってこない
カフェ・ルージュじゃ僕の演奏を聞いたことがない
僕が知りたいのは
いつになったらステージのまわりの女の子たちが
僕のモノになるかということだけ
彼女たちは「スターダスト」を即興で演奏する男たちが好きなんだ
