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「ヘルプ・ミー・メイク・イット・スルー・ザ・ナイト(Help Me Make It Through the Night)」クリス・クリストファーソン(Kris Kristofferson)(1970)

 おはようございます。今日はクリス・クリストファーソンの「Help Me Make It Through the Night」です。

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Take the ribbon from your hair
Shake it loose and let it fall
Layin' soft upon my skin
Like the shadows on the wall

Come and lay down by my side
'Til the early morning light
All I'm takin' is your time
Help me make it through the night

I don't care who's right or wrong
I don't try to understand
Let the devil take tomorrow
Lord, tonight I need a friend

Yesterday is dead and gone
And tomorrow's out of sight
And it's sad to be alone
Help me make it through the night

Lord, it's sad to be alone
Help me make it through the night
Lord, it's sad to be alone
Help me make it through the night

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リボンをほどいて
髪を軽く振って落として
俺の肌の上にそっと横たわってゆく
壁に映った影みたいに

さあ 俺の隣に横になって
朝の光が差し込むまで
俺が奪うのはおまえの時間だけ
どうかこの夜を乗り越えさせてくれ

誰が正しいとか間違ってるかなんてどうでもいい
理解したいとも思わない
明日なんて悪魔にくれてやればいい
神様、今夜俺は友だちがいなきゃダメなんだ

昨日は死んで行ってしまった
明日はまだ見えやしない
ひとりは寂しい
どうかこの夜を乗り越えさせてくれ

神様、ひとりは寂しいんだ
どうかこの夜を乗り越えさせてくれ
神様、ひとりは寂しいんだ
どうかこの夜を乗り越えさせてくれ (拙訳)

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 哀しくてやりきれない内容なんですけど、昔からなんかずっと心惹かれていた歌なんですよね。「ミー・アンド・ボギー・マギー」もそうですけど、クリス・クリストファーソンは、情景の描写がうまくて、そこに人間の心のひだに触れてくるようなキラーフレーズをまたタイミングよく忍ばせてくるんです。本当に心憎い歌詞を書く人だと思います。

 この「ヘルプ・ミー・メイク・イット・スルー・ザ・ナイト」は、クリストファーソンが作詞作曲し、昨日ご紹介した、ジャニス・ジョプリンのヴァージョンで名高い「ミー・アンド・ボギー・マギ」も収録された彼のデビュー・アルバム『Kristofferson』(1970)に収録されていました。

”「クリス・クリストファーソンは、『ヘルプ・ミー・メイク・イット・スルー・ザ・ナイト』の着想源はフランク・シナトラのインタビューだったと語っています。

 雑誌『エスクァイア』での対談中、何を信じているかと問われたシナトラは、現実主義な歌手らしくこう即答しました。「酒、女、あるいは聖書……夜を乗り越える助け(make it through the night)になるものなら何だっていい」

 この言葉はクリストファーソンの心に強く残ったようで、最終的に1970年にリリースされたこの曲を書き上げる出発点となりました。”(American Songwriter January 10, 2023)

 華々しいスーパースターが自分の孤独をドライに表現した言い回しを、クリストファーソンは一夜限りの関係を持つ名も知れぬ男女のやりきれない孤独を表現するのに使ったわけですね。

 クリストファーソンが最初にレコーディングしますが、リリースが一番早かったのが「男が女を愛する時」で有名なソウル・シンガー、パーシー・スレッジでした。ソウル・シンガーが?と思いますが、彼はクリストファーソンのいるテネシー州ナッシュビルと同様に、カントリーのメッカであるアラバマ州で生まれ育って歌手活動もやっていたので、カントリーに慣れ親しんでいたんですね。

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 そして、同じ1970年の9月にリリースされた女性シンガー、サミー・スミスのヴァージョンが全米で大ヒットします(全米8位、カントリー・チャート1位)。

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 これ、「ミー・アンド・ボビー・マギー」と同じ現象ですね。クリス・クリストファーソンは男を主人公にした設定で歌を書いたのに、女性シンガーが女性を主人公にしてカバーしたものが大ヒットしてしまうという。不思議なことに、この曲もまた歌詞を微調整するだけで主人公を女性に変えることが可能だったんです。

Take the ribbon from my hair
Shake it loose and let it fall
Lay it soft upon my skin
Like the shadows on the wall

私の髪からリボンを外して
軽く振ってほどくと
髪は私の肌に触れて広がってゆく
壁に映った影みたいに

 一夜限りの関係の”主導権”が女性に変わった、それだけで印象がグッと変わったように思います。

 僕が思うに、「ミー・アンド・ボギー・マギー」も「ヘルプ・ミー・メイク・イット・スルー・ザ・ナイト」も生きていくことの悲しみが歌に深く込められているわけですが、男が主人公にするとやるせなさ、というか”あきらめ”のようなニュアンスが出てくるのに対し、女性が主人公になると悲しみと同時に強い意志がストレートに聴き手に訴えかけてくるような感じがします。その辺りも女性のヴァージョンの方がヒットした理由になるんじゃないでしょうか。

 サミー・スミスのヒットの効果でしょうか、1971年にはこの曲のカバーは約70ヴァージョンも録音されていたようです。

 「ヘルプ・ミー・メイク・イット・スルー・ザ・ナイト」は元々はスーパースターの孤独を表現した言葉だったことを考えると、この人のカバーにはすごく説得力を感じてしまいます。1972年にリリースされたエルヴィス・プレスリーのヴァージョンです。

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 同じ、1972年にはグラディス・ナイト&ザ・ピップスのカバーがヒットしています。こちらは語りで始まります。こんな内容です。

 ”今、たくさんの幸せな人たちの姿を思い浮かべています。 きっと皆さんのほとんどは、愛する誰かと一緒に過ごしているのでしょうね。 ええ、あなたたちは本当にラッキーな人たち。でも、世界中には今夜、独りきりで過ごしている人たちがたくさんいます。 私たちの大半が、人生のどこかでそんな経験をしてきたはず。 もちろん、私だってそうです。最近、とても素晴らしい曲に出会いました。 孤独というこの感情を、本当にダイナミックな言葉で表現している歌です。 私個人にとっても、すごく意味のある大切な曲。 皆さんと分かち合いたいと思います。 聴けばきっと、私の言いたいことが分かってもらえるはず。”

 最後はそのヴァージョンをお聴きください。

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