おはようございます。今日は4ノン・ブロンズの「What's Up?」です。
Twenty-five years and my life is still
Tryin' to get up that great big hill of hope
For a destination
I realized quickly when I knew I should
That the world was made up of this brotherhood of man
For whatever that means
And so I cry sometimes when I'm lying in bed
Just to get it all out, what's in my head
And I, I am feeling a little peculiar
And so I wake in the morning and I step outside
And I take a deep breath and I get real high
And I scream from the top of my lungs
"What's going on?"
And I say, Hey-ey-ey Hey-ey-ey
I said "Hey, what's going on?"
And I say, Hey-ey-ey Hey-ey-ey
I said "Hey, what's going on?"
And I try ,Oh my God, do I try
I try all the time In this institution
And I pray Oh my God, do I pray
I pray every single day
For revolution
And so I cry sometimes when I'm lying in bed
Just to get it all out, what's in my head
And I, I am feeling a little peculiar
And so I wake in the morning and I step outside
And I take a deep breath and I get real high
And I scream from the top of my lungs
"What's going on?"
And I say, Hey-ey-ey Hey-ey-ey
I said "Hey, what's going on?"
And I say, Hey-ey-ey Hey-ey-ey
I said "Hey, what's going on?"
And I say, Hey-ey-ey Hey-ey-ey
I said "Hey, what's going on?"
And I say, hey-ey-ey Hey-ey, yeah yeah yeah
I said "Hey, a-what's going on?"
Twenty-five years and my life is still
Tryin' to get up that great big hill of hope
For a destination
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25年経って 私の人生はまだ
希望という バカでかい丘を
登ろうとしている
目的地を探して
私すぐに気づいたんだ
わかってなきゃいけないってことに
世界はこんな兄弟愛でできているんだって
それがどんな意味であれ
だから私は時々泣く
ベッドに横になりながら
全部外に追い出して
頭の中にあるものを
そして私は
少し変な気分になる
そして朝 目を覚まして外に出る
深く息を吸い込み
マジでハイな気分になる
そして、肺のてっぺんから叫ぶ
「何が起きてるの?」
そして私は言う
ヘイ ヘイ ヘイ
「ねえ、何が起きてるの?」
ヘイ ヘイ ヘイ
「ねえ、何が起きてるの?」
そして私は努力する
ああ神様 本当に努力してる
この制度の中で
私はいつも努力してる
そして私は祈る
ああ神様 本当に祈ってる
毎日 毎日
革命を求めて
だから私は時々泣く
ベッドに横になりながら
全部外に追い出して
頭の中にあるものを
そして私は
少し変な気分になる
そして朝 目を覚まして外に出る
深く息を吸い込み
マジでハイな気分になる
そして、肺のてっぺんから叫ぶ
「何が起きてるの?」
そして私は言う
ヘイ ヘイ ヘイ
「ねえ、何が起きてるの?」
ヘイ ヘイ ヘイ
「ねえ、何が起きてるの?」
ヘイ ヘイ ヘイ
「ねえ、何が起きてるの?」
ヘイ ヘイ イェー
「ねえ…何が起きてるの?」
25年経って 私の人生はまだ
希望という バカでかい丘を
登ろうとしている
目的地を探して (拙訳)
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1990年代の洋楽もいろんなヒット曲がありましたが、その中で今の時代も今の時代の方が人気がある曲があって、その筆頭に挙げられるのがこの「What's Up」なんです。人気があるくらいじゃなく、ある種のアンセム化、スタンダード化していると言っても過言じゃないです。
リアルタイムでは全米チャート最高14位、1999年には権威のあるロック雑誌”ローリングストーン”の<90年代の一発屋トップ10(Top Ten One-Hit Wonders of the Nineties)>に選ばれ(他にバニラ・アイスやライト・セッド・フレッド、チュンバワンバなどがセレクトされています)、その記事には
”「レボリューション」と「インスティテューション」で韻を踏んで、ドレッドヘアにシルクハットという(なぜか流行らなかった)スタイルをキメていても、大金持ちになれるという生きた証拠だね。思い出をありがとう!”
などとかなり辛辣なコメントが書かれていました。
1990年代まで「What's Up」は笑い飛ばされるような”一発屋”と見なされていたわけです。ところが、21世紀に入って状況が一変するんです。
今日2026年1月14日現在、1990年代の楽曲のミュージックビデオでYouTubeで最も再生されているのはガンズ・アンド・ローゼズの「Novemver Rain」(23億回)で、次がニルバーナの「Smells Like Teen Spirit」(21億回)、そして3位がこの「What's Up」なんです。20億回再生されています。
What's Up?って、まさにこの曲自体に何が起こったんだ?ってこっちが聞きたくなってしまいます。なので、今回調べてみました。
まずはバンドのプロフィールから。
4 Non Blondes(フォー・ノン・ブロンズ)は、1989年にサンフランシスコで結成されたアメリカのロックバンドです。バンド名の通り、メンバーに誰もブロンド(金髪)がいないんですね。のちに男性も加入しましたが、もともとは女性バンドで、レズビアンが集うバーを拠点に活動を始めています。中心人物は曲も作っているボーカルのリンダ・ペリー(Linda Perry)。彼女の存在感とソングライティングの能力がバンドの核でした。そのため「What's Up?」のヒットの後、バンド間の関係が悪くなり1994年にリンダが脱退しソロ活動を始めると、バンドは自然と解散してしまいました。
「What's Up?」やリンダ・ペリーの評価を変えるきっかけになったアーティストは実はP!NKでした。デビューしたばかりで、リンダの大ファンだった彼女は曲を書いてほしいとリクエストします。
それが「Get the Party Started」。2001年に全米4位の大ヒットになっています。もともとはマドンナに聴かせて却下された曲だったそうです。また、リンダはP!NKのセカンドアルバム「MIssundaztood」でも多くの曲にも参加しています。
そして、P!NKは自身のライヴで「What's Up」をカバーするようになります
P!NKの大ヒットにより、リンダはソングライターとして注目を集めるようになり、クリスティーナ・アギレラの「Beautiful」(2002年全米2位)、グウェン・ステファニー「What You Waiting For」(2004年)、アリシア・キーズ「Superwoman」(2008年)など大物女性シンガーに次々と楽曲を提供していきます。
「Beautiful」
他にもコートニー・ラブ、ジョーン・ジェット&ブラックハーツ、ブリトニー・スピアーズ、セリーヌ・ディオン、アデルなどに楽曲提供をしています。ちなみに彼女が一番最初に曲を提供(共作)したのはなんとジャニス・イアン。「Berlin」という曲でした。
リンダがソングライターの能力を存分に発揮していくのと並行して「What's Up?」もどんどんカバーされていくようになります。
そして、P!NKとともに、この曲が再評価される大きな起爆剤になったのがレディ・ガガでした。
2015年にリンダがソングライターの殿堂入りした際の授賞式でもレディ・ガガはこの曲を歌い、その後「今歌った歌は私の人生を百万倍も変えました」と語っていたそうです。
2023年にはカントリー界の超大御所ドリー・パートンがこの曲が大好きだということで、数々のロック・クラシックをカバーした新作「Rockstar」でリンダ・ペリーと共演しています。女性アーティストたちのリンダ・ペリーへの信頼は生半可なものではないと感じます。
レディ・ガガ、P!NK、そしてリンダが曲を提供した数多くの女性アーティストの顔ぶれを見て思うのは、男性社会である音楽業界で果敢に戦っている女性アーティストたちにとってリンダ・ペリーはアイコン的存在であり、精神的支柱でもあるのではないかということです。そして「What's Up?」はそれを象徴する歌なのだと思います。
ただ「What's Up?」の歌詞の中では、男性中心の社会を激しく糾弾しているわけではないです。遠回しに表現し、嘆いているんですね。
I realized quickly when I knew I should
That the world was made up of this brotherhood of man
For whatever that means
私すぐに気づいたんだ
わかってなきゃいけないってことに
世界はこんな兄弟愛でできているんだって
それがどんな意味であれ
this brotherhood of manは人類の連帯意識と訳すことができますが、男たちの兄弟愛とも読めるように僕は思います。manは男性と人類の両方を指し、brotherhoodも兄弟愛と同胞、連帯感の両方を示すことが可能です。男性中心社会をまさに象徴している名詞とも言えるでしょう。その後に、”それがどんな意味であれ”と言っていることからも推測できます。
男性中心の社会の理不尽さに苦しむ女性を中心にこの曲が再評価されるのと並行して、冒頭のローリング・ストーン誌の記事のように酷評する人もいました。史上最悪の曲だと言ったミュージシャンもいたそうで、ネットの書き込みを見ると、今でも”アンチ”もいるようです。
Aメロがボビー・マクファーリンの「ドント・ウォーリー・ビー・ハッピー」に似ているとか、🎵ヘイヘイヘイヘイ、What's Going on?🎵というサビはあまりに”何も意味がないじゃないか”とか、確かにツッコミどころはあると思います。
(ちなみに歌の中では「What's Going On?」と歌っていながら曲のタイトルを「What's Up?」にしたのはマーヴィン・ゲイの代表曲と被らないようにしたからなのだそうです)
また、この曲がヒットした翌年、ヨーロッパではこの曲を四つ打ちのダンスミュージックにしたものが大ヒットしていて、聴いてみるとダンス・ミュージックに妙にマッチしてしまっているんですよね。このあたりも、長年この曲が軽んじられる原因になった気もします。
でも、僕は、ヘイヘイヘイヘイ、だからこそ、この曲はいいのだろうと思います。歌詞を読んでいけば、ここは現実社会と自分とのギャップに苦しむ言葉にならない気持ちを表現してる箇所だとわかりますし、このメロディに無理やり言葉を当てはめたらかえってうるさくなりそうです。
しかも、ライブでは、ヘイヘイヘイヘイのところで誰でも合唱ができますから、連帯感が生まれます。この曲が”アンセム”になったのはそれも大きく貢献しているからでしょう)
大事なのは🎵ヘイヘイヘイヘイ、What's Going on?🎵をどんなアレンジで、どんな心情を込めて歌うのかなのだと思います。
この曲のカバーは今もどんどん増えていますが、この10年くらいはアコースティックで歌う若いアーティストが目立っています。この歌から”言葉にならない苦しみ”を汲み取っている人が増えているのかもしれません。
Bárbara Martínez
リンダ・ペリーはこの曲についてこう語っています。
「この曲は、当時世界で起きていたことに対するフラストレーションから生まれた。私にはお金もなかった。すべてが困難で、絶望的で、挑戦の連続のように思えた。だから、自分自身のためだけじゃなく、世界全体のムードにもフィットするような曲を書いたんだけど、まさかあんなことが起きるなんて思いもしないじゃない? 自分の曲が世界中で爆発的にヒットして、マレーシアのどこかの子供が窓からこの曲をガンガンに鳴らすようなことになるなんて、誰にも予想できないわよ。」(TapeOp)
「What's Up?」は男性社会への女性のフラストレーションを歌の”芯”にはしていながら、それをはっきりとは歌ってはいないので、現実の社会に疑問を感じている人間なら男女関係なく共感できる曲になってきているように思えます。
それを象徴しているのが2015年のNetflixのドラマ「Sense 8」のシーン。別の国に住みながらお互いの知識や言語、技術を共有できる主人公の8人が、同時に耳にして、歌うのがこの「What's Up?」なんですね。
