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「You Were Meant for Me」ダニー・ハサウェイ(Donny Hathaway)(1978)

おはようございます。今日はダニー・ハサウェイの「You Were Meant for Me」です。

www.youtube.com

You were meant for me
No one else could come between this love, I know
'Cause I'll never let you go
You and me it seems
Never have a problem we can't overcome
'Cause you'll always be the one

Never thought I'd be so happy
Loving you has made feel so fine
I can see my friends turn green with envy
Every time I tell them, I'm so glad you're mine

You were meant for me
No one else could come between this love, I know
'Cause I'll never let you go
You and me it seems
Never have a problem we can't overcome
'Cause you'll always be the one, yeah

Never did one thing to hurt me
You always understood my ways
If I could, I'd stay right here beside you
With your hand in mine, making love for days

You were meant for me
No one else could come between this love, I know
'Cause I'll never let you go
You were meant for me

*************************************

あなたは僕のために生まれてきた
誰もこの愛の間に入り込むことはできない
だって僕は、決してあなたを離さないから
あなたと僕なら
乗り越えられない問題なんてないだろう
いつだってあなたがただ一人の存在だから

こんなに幸せになれるなんて思ってもみなかった
あなたを愛することで、心が満たされていく
友だちが羨ましそうな顔をするのがわかるんだ
あなたが僕のもので、すごくうれしいって話すたびに

あなたは僕のために生まれてきた人
誰もこの愛の間に入り込むことはできない
だって僕は、決してあなたを離さないから
あなたと僕なら
乗り越えられない問題なんてないだろう
いつだってあなたがただ一人の存在だから

あなたは一度も僕を傷つけたことがない
いつも僕のすることをわかってくれた
もしできるなら、ずっとあなたのそばにいたい
君の手を取って、何日も愛を交わしながら

あなたは僕のために生まれてきた
誰もこの愛の間に入り込むことはできない
だって僕は、決してあなたを離さないから
あなたは僕のために生まれてきた人 (拙訳)

*****************************************

 ダニー・ハサウェイの生前最後のレコーディングはロバータ・フラックとのデュエットだったことは知られていますが、ソロとしての最後のシングルはこの「You Were Meant for Me」でした。そして、これは、ダニー・ハサウェイの曲の中で僕が一番好きな曲でもありまます。

 この曲がいつ頃、どこで、どんなミュージシャンと録音したのか調べることができませんでしたが、全盛期と比べてやや力なく感じてしまう彼の歌声を聴く限り、晩年の録音だったのではないかと思えます。

 

 ダニー・ハサウェイロバータ・フラックジョージ・ベンソンなど彼を知る人全て口を揃えて”天才”と評したほどの才能の持ち主でした。

 クインシー・ジョーンズはこう語っていたそうです。

「ダニーは理解が早く、本当に天才でした。しかし彼には、私が12歳の頃から知っていて敬愛してきたスティーヴィー・ワンダーのほうが、自分よりも人気がある理由が理解できなかったのです。彼は20万ドルから30万ドルもの現金を持って移動することがよくあって、それは、アメリカのほとんどすべての都市から、昼夜を問わず私に電話しても大丈夫なようにするためでした。最後に私に電話をかけてきたのは、セントルイスにある彼の祖母の家からでした。」(Sheldon Taylor's Souls of Black Notes)

 また、ダニーはクインシーにこう言ったのだそうです。

「やれることは全部ちゃんとやった。人々の心に触れる術(すべ)だってわかっている。でもスティーヴィーみたいにみんなから愛されるには、僕は一体何をしなくちゃいけないんだ?」(Sheldon Taylor's Souls of Black Notes)

 ダニーが音楽を手がけ、クインシー・ジョーンズがスーパーバイザーを務めた映画「Come Back, Charleston Blue」は1972年の作品なので、その頃のエピソードだと思います。

 ダニーはライヴで”もう一人の天才”スティーヴィーの「スーパーウーマン」をカバーしていますから、リスペクトもしていたと思いますが、同時に強く嫉妬もしていたんですね。スティーヴィーは彼より5歳年下です。

 

 スティーヴィーのほうは、認知心理学者、作家、レコード・プロデューサーであるダニエル・レヴィティンとのインタビューでこういう話をしています。

ダニー・ハサウェイが亡くなった時、面白いことが起きた。僕は彼の熱狂的なファンだったから、神に問いかけ続けたんだ。”神様、なぜ彼の命を奪ったのですか? なぜ私の命を代わりに奪ってくれなかったのですか?”と。それは本当に過酷な問いかけだよ。でも僕は本気だった。そしたら、あることが起きた……。」

ーそれはずいぶん前のことですよね、15年くらい前の……。

「ああ、そう、それで僕は問い続けていたんだ……。」

ー罪悪感のようなものを感じていたんですか?”なぜ自分はここにいるのか? なぜダニーは逝かなければならず、自分は生き残ったのか”というような。

「それもあったと思う。でも、よく考えてみれば、それは「わがまま(自己中心的な考え)」だったんだ。その頃、ある夢を見た。問いかけを続けていたら、神だと思える存在が見えたんだ。死ぬほど怖かったよ! その声はこう言った。”なぜ私を疑うのか。私はお前に与えたもの(才能や命)に対して、一度も疑問を持ったことはない。お前と誰かを天秤にかけたこともない。だから、お前に理由を問う権利はない。あれは私とダニーの間のことなのだから……」

ー神があなたにそう言ったのですか?

「本当だよ、誓って言うけれど、本当に怖かった。みんなが想像するように(太い声で)「炎が上がり、光が差して」という感じだったんだ。光があって、それを肌で感じ、そこに問いがあった。僕は答えが知りたかったんだ。その日以来、”なぜ?”と口にしないとは言わないけれど、”なぜ私じゃないんだ?”とは二度と言わなくなった。それは真理だったから。私が今ここにいるのは、ただ神の慈悲によるものだという事実は揺るがない。だから、誰かの代わりに自分が死ぬべきだったなんて、自分にはそんなことを要求する権利はないんだと、身に染みて理解したんだ。」

ーそれは、あなたにとって強烈な手痛い教訓のような経験だったんでしょうね。

「ああ、本当に。きつかったよ」 (prince.org)

 

 スティーヴィーもダニーのことをリスペクトし、彼の死は心理的にとても大きな影響を与えていたんですね。

 僕は両者ともに本当に大好きですが、二人の”天才”の才能の質は、とても対照的だったように思います。太陽と月のように。二人とも音楽について、創作、歌、演奏、アレンジ、全ての方向でマスターしていますが、スティーヴィーは自分のオリジナル作品での”創作力”が圧倒的でしたが、ダニーは他の人の作品をまるで自分のオリジナルのようにしてしまう、アレンジ力とボーカル力がずば抜けていたように思います。「ホワッツ・ゴーイン・オン」「きみの友だち(You've Got a Friend)」「ソング・フォー・ユー」など、オリジナルの出来が素晴らしい曲でも、それに比肩するようなクオリティでカバーできるんですよね。

 でも何より、二人の音楽を聴き手が”受け取る気持ち”が大きく違っているんじゃないかと僕は思います。

 スティーヴィーの音楽は”天からの恵み”のように、外からパワーをもらえるような気持ちになれます。それに対して、ダニーの音楽は、近い場所から心の繊細な部分を揺さぶってくるような気がします。

 今回、どうしてスティーヴィー・ワンダーの話を出したかというと、「You Were Meant for Me」の歌詞をあらためて読み直してみて、無条件に愛する喜びをストレートに歌う、ダニーにはめずらしい、かえってスティーヴィーが歌いそうな曲だと思ったのです。

 もし、スティーヴィーが歌っていたら、高揚感と至福感とポジティヴなエネルギーに満ちたものになっていた気がします。「サンシャイン(You Are the Sunshine of My Life)」のような。

 しかし、このダニーの歌からは、喜びと同時に”儚(はかな)さ”をすごく感じてしまうんですね。この幸福は束の間のものかもしれない、でもそれでもいいと言っているかのような。こういう気持ちにさせるアーティストは本当に稀だと思います。

 そういう”儚さ”を感じさせる彼の音楽が、彼の心の病と結びついているなどと言ったら、短絡的で、かなり無神経な推論なのかもしれません。

 ただ、僕にそういう”人生の儚さ”を感じさせてくれる音楽を作る人は、ブライアン・ウィルソンブルース・スプリングスティーンなど、同様な心の苦しみを経験した人が多いんですよね。

 心を病んでしまう気質というのは、生きていくには禍(わざわい)でしかないと思いますが、それと結びついた感性は、創作という点だけにおいては、何か特殊な働きかけがあるのかもしれないと僕は思うんです。

 

 この曲を書いたのは、ピート(ウィリアム)・ピターキンPete Peterkin)という人物。この人の素性はネットで調べてもよくわかりません。同名でYouTubeチャンネルがあったのですが、レイ・チャールズのモノマネでショーをやっていたり、同一人物なのかな?と疑ってしまうような雰囲気もありました。

 しかし動画の中に彼が「You Were Meant for Me」について語っているビデオがあったんです。それを観て僕はびっくりしました。

www.youtube.com

  1972年か73年頃、彼はバンドのヴォーカルを通してダニーの電話番号を知って、自分の書いた曲をプレゼンする機会を得たそうで、いくつか気に入ってもらえた曲はありましたが、ダニーから「ヒット曲」が欲しいと言われて、家に帰ってから作ったのがこの「You Were Meant for Me」だったそうです。そして、そのとき彼はスティーヴィーの「サンシャイン(You Are the Sunshine of My Life)」のような曲にしようと考えたと語っています。

 思いがけず僕の勘が当たったのでちょっと嬉しくなってしまいましたw。そして、この動画で紹介されていますが、当初この曲はもっと明るいテンポでアレンジされていました。しかも、当時の彼の最大のヒット曲だったロバータ・フラックとのデュエット「恋人は何処に(Where is the Love)」にそっくりなんですよね。そこまで彼はヒットを求められていたのかと、少し切なくなりました。しかし、そのヴァージョンはボツになり、どれくらい経ってからかはわかりませんが、録音し直されたのが今聴くことのできる「You Were Meant for Me」だったのだと思います。僕はこのアレンジで本当に良かったと思います。

 ちなみに、ピーターキンがダニーに聴かせた中にもう1曲レコーディングされて、ダニーの死後に発表されたものがありますので、そちらもご紹介します。

「Sunshine Over Showers」

僕らの愛の暮らしは
雨を越えて降り注ぐ陽射しの時間で満ちている

 こちらも愛の喜びに満ちた曲です。ピーターキンはいいソングライターですね(ダニーの他にはフォートップスに1曲書いているようです)。

www.youtube.com

 最後はダニーの娘、レイラ・ハサウェイが「You Were Meant for Me」をカバーしていますので、そちらをご紹介して今日はおしまいにしたいと思います。2011年に発売されたアルバムWhere It All Begins」に収録されています。

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「You Were Meant for Me」が収録されたダニーのベスト・アルバム

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