おはようございます。今日はロジャーの「ウォナ・ビー・ユア・マン(I Want to Be Your Man)」です。
Hey lady
Let me tell you why
I can't live my life
Without you
Every time I see you
Walkin' by, I get a thrill
You don't notice me
But in time, you will
I must make you understand
(I wanna be your man)
I wanna be your man
(I wanna be your man)
Yes I do, yeah, yeah
(I wanna be your man)
I wanna be your man
(I wanna be your man)
Wanna be your man
Better not pass me by
'Cause if you do
You'll lose a good thing
'Cause what I've got to say
Is sealed with a kiss
And a wedding ring
My mind is blind at times
I can't see anyone but you
Those other girls don't matter
No, they can't spoil my view
I must make you understand
(I wanna be your man)
I wanna be your man
(I wanna be your man)
Yes I do, yeah, yeah
(I wanna be your man)
I wanna be your man
(I wanna be your man)
Wanna be your man
Words can never say what I feel
It's too intense
I tried, I tried, I tried, I tried
To tell you how I feel
But I get mixed up
My mind is blind at times
I can't see anyone but you
Those other girls don't matter
No, they can't spoil my view
I must make you understand
(I wanna be your man)
I wanna be your man
(I wanna be your man)
Yes I do, yeah, yeah
(I wanna be your man)
I wanna be your man
(I wanna be your man)
Wanna be your man
*******************************************
ヘイ、レディ
ちょっと言わせて
どうして僕が君なしでは生きられないかを
君が通りを歩くのを見るたび
ゾクッとするよ
君は僕に気づかないけど
そのうち気づいてくれるさ
君にはわかってもらわなきゃいけない
(僕は君の男になりたい)
僕は君の男になりたい
(僕は君の男になりたい)
本当にそうさ
(僕は君の男になりたい)
僕は君の男になりたい
(僕は君の男になりたい)
君の男になりたいんだ
通り過ぎないでくれ
もし君がそうしたら
君はいいものを失うことになるよ
だって僕の言わなきゃいけないことは
キスと結婚指輪で封印されてるんだから
時々心は盲目になってしまう
君以外誰も見えないんだ
他の娘たちは関係ない
いや、彼女たちは僕の視界を曇らせられない
君にはわかってもらわなきゃいけない
(僕は君の男になりたい)
僕は君の男になりたい
(僕は君の男になりたい)
本当にそうさ
(僕は君の男になりたい)
僕は君の男になりたい
(僕は君の男になりたい)
君の男になりたいんだ
言葉じゃ僕の気持ちは言い表せない
強すぎるんだ
僕の気持ちを伝えようとした、何度も何度も
でも混乱してしまうんだ
時々心は盲目になってしまう
君以外誰も見えないんだ
他の娘たちは関係ない
いや、彼女たちは僕の視界を曇らせられない
君にはわかってもらわなきゃいけない
(僕は君の男になりたい)
僕は君の男になりたい
(僕は君の男になりたい)
本当にそうさ
(僕は君の男になりたい)
僕は君の男になりたい
(僕は君の男になりたい)
君の男になりたいんだ (拙訳)
*******************************************
「ロジャー」ことロジャー・トラウトマンは1980年代を代表するファンク・バンド、ザップ(Zapp)の中心メンバーでした。なんて言ってますけど、ファンク、って何?って聞かれたら、僕もいい加減な理解しかしてないので答えられないことに気づきました。
ちょっとネットを見ると、1960年代半ばくらいにアフリカ系アメリカ人が作りだしたダンスミュージックで、ベースとドラムを中心とした、反復する独特のタメ(シンコペーション)のあるグルーヴが特徴で、これが病みつきになるんですよね。それまでにあったさまざまな黒人音楽のエッセンスを取り入れて、ジェームス・ブラウンが”開発”したとされています。
巷ではあまり聴くことはなくなったジャンルですが、2014年にブルーノ・マーズがマーク・ロンソンと作った「アップタウン・ファンク」は世界的な大ヒットになりましたよね。
ジェームス・ブラウンがファンクを確立したのは、オハイオ州シンシナティに拠点を置くキング・レコード時代だったとされていますが、オハイオ州というのはファンクのメッカだったんです。数々のファンク・ナンバーを生み出したアイズレー・ブラザーズもオハイオ出身、そして地名をバンド名にまで入れた”オハイオ・プレイヤーズ”もいました。ザップもオハイオ州出身でした。自然とファンクに慣れ親しんでいたのかもしれません。
中心メンバーはロジャーと兄のラリー、レスター、テリーのトラウトマン4兄弟。音楽的にはロジャーが完全に仕切っていました。ちなみに”Zapp ”というのはテリーのあだ名だったそうです。
彼らの同郷の先輩にブーツィー・コリンズがいました。ファンクの超重要アーティストです。彼はジェームス・ブラウンのバンド、ザ・JBズに在籍したこともあり、あの「セックス・マシーン」のベースも弾いていた、史上最高のファンク・ベーシストです。
ブーツィーが彼らを気に入りレコード会社に売り込み、見事デビューにこぎつけます。その頃、ブーツィーが所属していたバンド”ファンカデリック(Funkadelic )”のリーダーであり、ジェームス・ブラウンに次ぐファンクの中心人物、ジョージ・クリントンも彼らを気に入り、曲の構成のアドバイスやレコード契約の後押しをしたそうです。
そして1980年にリリースされたデビュー曲「More Bounce to the Ounce」はいきなり全米R&Bチャート2位になるヒットになります。
Zappの特徴はなんといってもロジャーが操るトーキング・ボックス(ヴォコーダー)です。どんな楽器かは映像を観た方が早いですね。
ヴォコーダーはスティーヴィー・ワンダーもかなり早く使っていましたが、なんといってもピーター・フランプトンの「ショウ・ミー・ザ・ウェイ」の大ヒットで有名になりました。ザップもデビュー以前にナイトクラブでカバー・バンドをやっている時からヴォコーダーを使っていて、踊っていたお客さんがそのサウンドにびっくりしてステージに注目してきたそうです。
1980年代というのは音楽シーン全体がシンセサイザーやドラムマシーンを使ったサウンドに一気に変わっていった時期でファンクも生演奏から”シンセ・ファンク”に移行していたタイミングです。そこにZappのヴォコーダーのサウンドがピタッとハマったというのもあったような気がします。
Zappとして1980年にデビューしたばかりなのに1981年にロジャーはソロ・アルバム「The Many Facets of Roger」(ロジャーのいろんな側面、みたいな意味です)をリリース。そこからマーヴィン・ゲイの「悲しいうわさ」のカバーがR&Bチャート1位になるんですね。
このあと彼はソロでウィルソン・ピケットの「ミッドナイト・アワー」やジェームス・ブラウンの「Papa's Got a Brand New Bag」などのR&Bの有名曲を、得意のヴォコーダーを駆使してカバーしていきます。
で、お待たせしました、ようやく本題の「ウォナ・ビー・ユア・マン」の話になります。この曲は1987年の彼の3枚目のソロアルバム「Unlimited!」からのシングルとして全米3位、R&B1位の大ヒットになっています。
実はこの曲の雛形とも呼べる曲があって、それが前の年にリリースしたZappの「コンピューター・ラヴ」です。
ヴォコーダーがそろそろ世間から飽きられ始めたんじゃないかと危惧していたロジャーに相談された、キーボーディストのデイヴ・デグロートが、ヴォコーダーでラヴソングをやってみたら?と提案して、当時ロジャーとデイヴで制作していたオハイオ・プレイヤーズのリード・シンガー、シュガーフット(Sugarfoot)のために作ったトラックをベースに作られたのが「コンピューターラヴ」でした。それまでZappはスローな曲ではヴォコーダーをほとんど使っていなかったんですね。
そして、「コンピューター・ラヴ」の延長線上にこの「ウォナ・ビー・ユア・マン」が生まれました。
恋愛において責任ある関係を結べない男性と、それを求める女性、そんなテーマを思いついたロジャーは「コンピューター・ラヴ」のようなトラックを念頭に、兄のラリー・トラウトマンと共同でこの曲を作りました。
ちなみに「コンピューター・ラヴ」はコンピューターの画面に映った女性への愛を歌った、まるで現代を予言したかのような歌で、サンプリングもたくさんされ、今ではZappの曲の中で最もサブスクで再生されている曲になっています。
さて、ファンクを代表するアーティストがミッドテンポのラヴ・ソングを作ったわけですが、それは時流でもあったんですね。1983年ごろからR&Bシーンではミッド〜スローのラヴ・ソングがものすごく流行ったんです。スロウ・ジャム(Slow Jam)なんて呼び方もありました。男性シンガーではフレディ・ジャクソンって人がむちゃくちゃブレイクして、おかげでその後彼のようなスタイルのシンガーが雨後の筍のように次から次へと出てきたんです。当時僕もそういうのにハマってたくさんレコードを買いました(笑。
ロジャーもちゃっかり流れに乗ったわけですけど、そういう流行のスタイルを踏襲しながらも、ヴォコーダーを使うことで、ちょっとそういった音楽を皮肉るというか面白がるような客観的なスタンスも感じられます。
それから、ヴォコーダーの使い方も、今までよりもこだわって、生の声とミックスさせたり、ハーモニーも積み重ねるなど、骨の折れる作業をやったそうです。そしてその苦労が身を結んで、大ヒットになったわけです。
1999年にロジャーは47歳の若さで亡くなっています。兄で一緒にZappを支えてきた兄のラリー・トラウトマンによって射殺されたとされていて、ラリーも現場から数ブロック先に停めてあった車の中で自殺していたのが見つかっています。真偽は不明ですが金銭のトラブルがあったと言われています。大きな柱を失ったZappは一度解散しましたが、その後残った兄弟を中心に復活し現在もライブを行なっています。
最後は「Unlimited!」からもう1曲、より本格的にスロウ・ジャムにアプローチした曲を。「ウォナ・ビー・ユア・マン」の次のシングル「If You`re Serious」です。得意のヴォコーダーを駆使しなかったせいか、チャートアクションはイマイチでした。仕上がりは悪くないと思うんですが。

<PR>


