おはようございます。今日は前回ご紹介したレイヴェイの北米ツアーでオープニングアクトをつとめたというWasia Projectの「Petals on the Moon」です。
Feeling down
Orange juice
Cigarette
To get me through
As it rains
I conclude
I need help
From someone new
So take me in your spaceship
Throw me up into new places
Blast me into silence
Let your guidance get me through this
Gravity is pulling me
Along and I can't find a way
To understand
Why I'm here again and again, oh
I feel like everybody's singing out of tune
I feel like I can't help but always be so blue
But in the end I know I must keep pulling through
And brace myself for all the hell-likе petals on the moon
Feeling cold
Train delayеd
You've gone home
And I'm afraid
Helios
Sun divine
Hold me up
Into the sky
You take me in your spaceship
Throw me up to constellations
Blast me into silence
Let your guidance get me through this
Gravity is pulling me
Along and I can't find a way
To understand
Why I'm here again and again, oh
I feel like everybody's singing out of tune
I feel like I can't help but always be so blue
But in the end I know I must keep pulling through
And brace myself for all the hell-like petals on the moon
Born again, alone again, again
Home again, you're gone again, again, again
Will somebody be there for me when all my friends have left?
Even if I'm undone in the end, ooh
I feel like everybody's singing out of tune
I feel like I can't help but always be so blue
But in the end I know I must keep pulling through
And brace myself for all the hell-like petals on the moon
********************************************
落ち込んでる
オレンジジュース
タバコ
これで何とかやり過ごす
雨が降る中
私は思い至る
新しい誰かからの
助けが必要だって
だからあなたの宇宙船に乗せて
新しい場所へと私を打ち上げて
沈黙の中に吹っ飛ばして
あなたの導きでこの状況を乗り越えさせて
重力が私を引き寄せる
どうしてもわからないの
私はいつもいつもここにいるのか
みんなが音を外して歌っているみたいな感じ
どうしてもブルーな気分から抜け出せないみたい
でも最後には、乗り越えなきゃって分かってる
ひどい状況に備えるのよ 月に落ちた花びらみたいに
寒くって
電車は遅れてる
あなたはもう帰ってしまった
そして私は怯えてる
ヘリオス
聖なる太陽神
私を抱え上げて
空へ連れていって
あなたの宇宙船に乗せて
星座の中へと私を打ち上げて
沈黙の中に吹っ飛ばして
あなたの導きでこの状況を乗り越えさせて
重力が私を引き寄せる
どうしてもわからないの
私はいつもいつもここにいるのかって
みんなが音を外して歌っているみたいな感じ
どうしても沈んだ気分から抜け出せないみたい
でも最後には、乗り越えなきゃって分かってる
最悪の状況に備えるのよ 月に落ちた花びらみたいに
また一人で生まれ変わって
また帰ってきて、でもあなたはいない
友達がみんな離れていったとき、誰かそばにいてくれる?
たとえ最後に私が壊れてしまっても、お願いだから
みんなが音を外して歌っているみたいな感じ
どうしても沈んだ気分から抜け出せないみたい
でも最後には、前に進まなきゃって分かってる
ひどい状況を覚悟するのよ 月に落ちた花びらみたいに (拙訳)
*******************************************
エヴリシング・バット・ザ・ガールとかスウィング・アウト・シスターとかワークシャイとかをリアルタイムで聴いていたので、イギリスから洗練されたポップスをやる男女デュオが現れるとなんだか少し胸踊るような気持ちになってしまいます。
このワシア・プロジェクトは、ウィル・ガオ(Will Gao)とオリヴィア・ハーディ(Olivia Hardy)の兄妹からなるデュオです。ルックスからも分かりますが彼らはアジア系(母親が中国人のようです)なんですね。二人とも幼い頃からクラシックを学び、兄のウィルはピアノ、妹のオリヴィアは”鈴木メソッド”でバイオリンを学んでいます。自分たちの世代が聞くロックやポップミュージックも聴きながら、父親の好きな古いジャズや親のCD棚にあったABBA、エルトン・ジョン、ビートルズ、ELOなどにも慣れ親しんでいたようです。今の時代は親が聴いていた音楽に影響を受けているアーティストって国内外を問わずすごく多い気がします。
クラシックやジャズを取り入れた自分たちの音楽性について、彼らはこんな風にコメントしています。
「クラシックやジャズに触れることが、どんどん難しくなってきているんです。ある意味では、閉じた世界のようになりつつある」と、ウィリアム・ガオは認める。「だからこそ、ポップと混ぜたり、クラシックの影響を色濃く感じるパートを入れたりして、“そこに通じる道”を提示することで、もっとアクセスしやすくできるんじゃないかと思うんです。」
「要は、それらのジャンルを堅苦しいものから解き放ち、もっと『自分にも関係ある』と思ってもらえるようにすることなんです」と、オリビア・ハーディも付け加える。「クラシックやジャズって本当に広大なジャンルだから、『それは私には関係ない』って一方的にシャットアウトするのはもったいない**と思う。」 (Rolling Stone UK 4 August 2023)
彼らは2019年に「why don't u love me」という曲をSound Cloudにアップすることから活動をスタートさせています。
彼らは主にウィルのピアノに合わせてオリヴィアが歌うスタイルで、少しアンビエントで叙情的な作風が多いのですが、この「Petal on the Moon」はちょっと異色な曲のようです。
”「Petals on the moon」は、ライブでたくさんの人に踊ってもらいたいという思いから生まれた曲です。落ち込んでいる時でも、まるで自分は月に落ちた花びらみたいだと思って、奮い立たせて乗り越えるという内容なんです。” (wonderlandmagazine.com 2023/02/10)
”酸素も重力もない月”に上にいる一枚の”花びら。場違いで過酷な状況にありながらも、美しく咲いて生命を全うしよう、そんなメッセージだとらえたらいいのかもしれません。
”異色な”この曲が彼らの知名度をぐんとあげるきっかけになったようですが、それ以上に意外なきっかけが彼らを有名にします。ウィルが俳優として活動を始め、Netflixで大ヒットしているドラマ『Heartstopper』でタオ・シュー役を演じているんですね。そのドラマのサウンドトラックで彼らの「Ur So Pretty」という曲が収録され、サブスクでも人気を集めています。
「Ur So Pretty」
彼らは以前のインタビューで「最初から最後まで最高〜どの曲も前の曲に負けないくらい良いアルバムを作りたい」と語っていて、その見本としてウィルはピンク・フロイドの『狂気(The Dark Side of the Moon)』、オリヴィアはローリン・ヒルの『The Miseducation of Lauryn Hill』を挙げています。(EUPHORIA 2024/03)
”シングル重視”のサブスクの時代の若いアーティストが”捨て曲なしのトータル・アルバム”を目標にするというのはとても興味深いことです。ちょっと応援したくなります。最後に彼らには異色なアップテンポの曲をもう一つご紹介して今日は終わりにしたいと思います。
Somebody Come Through
Somebody Come Throughを収録したアナログ盤

<PR>