おはようございます。今日はナット・キング・コールの「Straighten up and fly right」です。
A buzzard took a monkey for a ride in the air
The monkey thought that everything was on the square
The buzzard tried to throw the monkey off his back
But the monkey grabbed his neck and said, "Now listen, Jack..."
Straighten up and fly right
Straighten up and fly right
Straighten up and fly right
Cool down, papa
Don't you blow your top
Ain't no use in diving
What's the use in jiving?
Straighten up and fly right
Cool down, papa
Don't you blow your top
The buzzard told the monkey you are choking me
Release your hold and I'll set you free
The monkey looked the buzzard right dead in the eye and said
"Your story's so touching, but it sounds just like a lie."
Straighten up and fly right
Straighten up and stay right
Straighten up and fly right
Cool down, papa
Don't you blow your top
Straighten up and fly right
Straighten up and stay right
Straighten up and fly right
Cool down, papa
Don't you blow your top
Fly right!
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ハゲタカがサルを連れて空を飛んでいた
サルはすべてうまくいってると思ってた
だけど、ハゲタカはサルを背中から振り落とそうとした
するとサルはハゲタカの首を掴んでこう言ったんだ
「なあ、聞けよ、おまえ…」
そのままちゃんと飛んでろよ
姿勢を正して、まっすぐ飛べ
そのままちゃんと飛んでろよ
落ち着けよ、オヤジ、カッカしなさんな
急降下したってしょうがない
調子のいいこと言ってだまして何になる
姿勢を正して、まっすぐ飛べ
落ち着けよ、オヤジ、カッカしなさんな
ハゲタカはサルに言った「お前のせいで息が詰まる!
掴むのをやめてくれ、そしたら自由にしてやるから」
でもサルはハゲタカの目をじっと見つめてこう言った
「その話、グッとくるけどウソにしか聞こえないよ」
姿勢を正して、まっすぐ飛べ
そのままちゃんと飛んでろよ
姿勢を正して、まっすぐ飛べ
落ち着けよ、オヤジ
カッカするなよ
まっすぐ飛びな (拙訳)
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かなりおもしろい歌詞ですが、これはナット・キング・コールの父親が牧師で、彼が説教に使っていた黒人の民話の一つだったそうです。
ハゲタカは動物たちを楽しませるために空中散歩に連れて行きますが、空腹になると急降下して彼らを落とし夕食として食べてしまう、そんな設定らしいです。
彼の父親がどんなメッセージをこの話からくみとって説教に使ったのかは分かりませんが、人種的な比喩だと考える人もいるようです。ハゲタカは白人、猿は黒人を象徴していると。アメリカの黒人が文字通り「乗せられている」様子を描写しているという。白人をうかつに信用しちゃいけない、そんな解釈になるでしょうか。
ナット・キング・コールはアーティストとして人種の壁を超えて大きく支持された、偉大なパイオニアの一人です。
父の教会でオルガンを演奏し、合唱団で歌うことで彼の音楽性は培われました。プロとしてのキャリアはジャズ・ピアニストとしてスタートし、”キング・コール・トリオ”というバンドを組んで活動していました。
しかし、その歌声も評判を呼び、彼がボーカルも務めたこの曲だ大ヒットすることで彼は成功の階段を登っていくことになりました。
曲の作者はコールの他にアーヴィング・ミルズという人物もクレジットされていますが、実はコール一人で書いたものだったそうです。
「1959年のインタビューで、コールは次のように語っています。「1943年、かなり苦しい時期でした。それで自分が書いた曲を音楽出版社に持って行き、売れるかどうか試してみました。『Straighten Up and Fly Right』を50ドルで売り切り、印税も放棄しました。」さらに、コールは買い手のミルズが共作者としてクレジットされることにも同意しました。これは、彼が滞在していたホテルの宿泊費を払うための50ドルを必要としていたからです。」(”The Desert Sun ” April 9 2021)
お金に困っていた彼は、この曲を書くとすぐに権利を売ってしまったんですね。
ミルズはデューク・エリントンを見出し、成功させたという実績のあるビジネスマンでしたから、コールとしてはこの曲を売り出してほしいという気持ちもあったのでしょう。
ミルズはビング・クロスビーが司会を務め、当時最も人気があったラジオ番組「Kraft Music Hall」でオンエアさせたほか、映画『Here Comes Elmer』でもこの曲を使わせ、キング・コール・トリオも出演させました。というわけで、この曲はレコード化される前から大きな話題になっていったんです。
そして、この曲をレコーディングしたときにプロデュースしたのが、「ムーン・リバー」などで知られる、アメリカ音楽史上屈指の作詞家のジョニー・マーサーだったんです。
また当時、この曲を広めるのに貢献したカバーがあります。いち早くこの曲を取り上げると、全米チャートの8位まで上がったそうです。歌ったのは女性3人組アンドリュー・シスターズでした。
またこの曲は、第2次世界大戦で闘った黒人のみで編成された航空部隊”タスキーギ・エアメン”の兵士たちを象徴する曲としても知られているそうです。
軍のパイロット訓練の「実験」を行う場所として、当時、米政府は南アラバマ州にあるタスキーギ研究所に陸軍飛行場に建設し、黒人パイロットに高度で非常に厳しい訓練を行ったそうですが、兵士たちは”Straighten Up and Fly Right”とお互い言って励まし合ったそうです。
パイロットだった一人は「ただ飛行することではなく、士官としての在り方を学んでいたのです」と語っていました。
”Straighten Up and Fly Right”という言葉を英単語訳のサイトで調べると、”考えを改めて正しい行動をする、襟を正してまっとうに生きる”と出てきます。
実に軽快な曲ですが、タイトルからは芯の通ったメッセージを感じ取ることもできるんですね。
今の時代は、誤りを犯しながらうやむやにして続いてきたさまざまな”組織”の問題が明るみになってきていますが、”Straighten Up and Fly Right”という言葉がいっそうリアルに感じられる気がします。
この曲のカバーはいいものが多いのですが、その中から僕が個人的に親交があり、大変な親日家でもあるフランク・ウェバーのヴァージョンをぜひ。
ニューヨーク系AORの隠れた大名盤「...As The Time Flies」に収録。
www.youtube.com そして、ナット・キング・コールと娘のナタリー・コールのヴァーチャル・デュエットを最後にお聴きください。
2009年のアルバム「Re:Generations」に収録されています

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