おはようございます。今日はジャクソン・ブラウンの「プリテンダー」です。
I'm gonna rent myself a house
In the shade of the freeway
Gonna pack my lunch in the morning
And go to work each day
And when the evening rolls around
I'll go on home and lay my body down
And when the morning light comes streaming in
I'll get up and do it again
Amen
Say it again
Amen
I want to know what became of the changes
We waited for love to bring
Were they only the fitful dreams
Of some greater awakening?
I've been aware of the time going by
They say in the end it's the wink of an eye
And when the morning light comes streaming in
You'll get up and do it again
Amen
Caught between the longing for love
And the struggle for the legal tender
Where the sirens sing
And the church bells ring
And the junkman pounds his fender
Where the veterans dream of the fight
Fast asleep at the traffic light
And the children solemnly wait
For the ice cream vendor
Out into the cool of the evening
Strolls the pretender
He knows that all his hopes and dreams
Begin and end there
Ah the laughter of the lovers
As they run through the night
Leaving nothing for the others
But to choose off and fight
And tear at the world with all their might
While the ships bearing their dreams
Sail out of sight
I'm going to find myself a girl
Who can show me what laughter means
And we'll fill in the missing colors
In each other's paint-by-number dreams
And then we'll put our dark glasses on
And we'll make love until our strength is gone
And when the morning light comes streaming in
We'll get up and do it again
Get it up again
I'm gonna be a happy idiot
And struggle for the legal tender
Where the ads take aim and lay their claim
To the heart and the soul of the spender
And believe in whatever may lie
In those things that money can buy
Though true love could have been a contender
Are you there?
Say a prayer for the pretender
Who started out so young and strong
Only to surrender
Say a prayer for the pretender
Are you there for the pretender?
Say a prayer for the pretender
Oh, are you there for the pretender?
Are you prepared for the pretender?
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自分の家を借りるつもりさ
フリーウェイの陰にある場所に
朝になると弁当を詰めて
毎日仕事に行くんだ
そして夕方になったら
家に帰って体を横たえる
そして朝の光が差し込んできたら
また起き上がって同じことをするのだろう
アーメン
もう一度言うよ
アーメン
”変革”がどうなったのか僕は知りたいんだ
僕たちは愛がもたらしてくれるのを待っていた
それは何かもっと素晴らしい目覚めのための
ただの気まぐれな夢だったのか?
時が過ぎてゆくことはわかってるさ
結局のところ、それは一瞬のまばたきみたいなものだと人は言う
そして朝の光が差し込んできたら
起き上がってまた同じことをするのだろう
アーメン
愛を待ち焦がれる気持ちと
金を得るためのあがきとの板挟みさ
サイレンが鳴り響き
教会の鐘が鳴り渡り
廃品業者がフェンダーを叩きつぶす音がする場所で
退役軍人たちは信号待ちしながら
眠りに落ちて戦闘の夢を見る
子どもたちはひたすらじっと
アイスクリーム屋を待っている
涼しい夕暮れの中を
普通を装う男が歩いていく
彼は知っているのさ、自分のすべての希望と夢が
そこで始まり、終わることを
恋人たちの笑い声が聞こえる
夜を駆け抜けてゆく
残された人々に何も残さず
でも、結局ケンカ別れするんだ
全力でこの世界に立ち向かいながら
彼らの夢を乗せた船は
視界の彼方へと消えていく
僕は笑いが何なのか教えてくれる
そんな女性を見つけたいんだ
そしてお互いの「塗り絵の夢」の足りない色を
埋めていくんだ
それからサングラスをかけて
力尽きるまで愛し合う
そして朝の光が差し込んできたら
また起き上がって同じことをする
また起き上がって
僕は幸せな愚か者になるつもりさ
金銭を得るためにもがきながら
広告が狙いを定め
消費者の心と魂に向けて主張する場所で
それがなんであれお金で買えるものを信じていく
たとえ本当の愛が競争相手になり得るとしても
主よそこにいらっしゃいますか?
心を偽って生きる者のために祈りを
初めはとても若くて強かったのに
結局降参してしまいました
心を偽る者のために祈りを
主よそこにいらっしゃっいますか
心を偽る者のために祈りを
ああ、あなたはそこにいてくださいますか
心を偽る者を 受け入れてくださいますか (拙訳)
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「『ザ・プリテンダー』は、60年代の理想主義、人生についての考え方、つまり愛とか友情、正義、社会変革、啓発といった、私たちの世代が勢いづく中で一気に押し寄せてきた概念についての曲なんだ。そして、どのようにして、その後、私たちがそれとは全く違うものに妥協してしまったかということ。だから『心を偽る者のために祈りを』と言うとき、僕はその理想主義に何の価値もなかったと自分を納得させようとしている人たちのことを話しているんだ。」(FULCRUM Nov 23 2021)
ジャクソン・ブラウンが青春期を送った1960年代後半のアメリカは、ベトナム戦争に対する反戦運動やアフリカ系アメリカ人への差別に抗議するする公民権運動などがあり、若者たちは”愛”や”自由”や”平和”をという理想を掲げ、大人たちの社会にNOを突きつけた時代でした。若者たちがこれほどの社会への影響力を持ったことはそれまではなかったんですね。しかし、そのムーヴメントが終わってしまうと、その若者たちはみな社会に取り込まれてしまい、商業主義のシステムに合わせて生きていくしかなかったのです。
そういう自分の矛盾する気持ち、葛藤を歌にしたのがこの「プリテンダー」でした。
この歌詞には、少し”引っかかり”のある言葉が出てきます。
例えば"Legal Tender"(法定通貨)。Pretenderと韻を踏む言葉の一つですが、ネイティヴな人が聴くとちょっと強引な言葉選びのようですが、耳には残りますよね。
僕が気になったのは"paint-by-number dreams"という言葉でした。
paint-by-numberとは”1950年代初頭にアメリカで流行した、数字が書かれた絵の各部分に同じ数字の油絵の具を塗っていくだけでアマチュアがプロ並みの油絵が描けることを売り物にした絵画キット”とのことだそうです。誰でも同じような完成品を作れるわけです。そういう”夢”ということは、会社で出世を争い、家族を持って立派な家や車を買って、という資本主義社会の中での成功、誰も彼も似たような夢を追っている、ということを皮肉っているんですね。
同じ時代には日本でも学生運動がありましたから、そこに参加した人たちにも、この歌はリアルに響くのではないかと思います。
僕はその世代より十数年後に生まれているので、特別なムーヴメントと重ね合わせてこの曲を聴くことはできないですが、若い頃に思い描いた未来と、今現在の自分とのギャップに葛藤を感じて、そんな心情をのせてこの曲を聴いたことがありました。きっと、この曲を好む人はジャクソン・ブラウンと同時代を生きた人だけではないでしょう。それより、その人の気質とか思考の傾向の影響が大きい気がします。ぶっちゃけ、真面目な人が多いです。彼のファンは。僕も含めて(苦笑。
ジャクソン・ブラウンはこうも語っていたそうです。
「自分が生きている人生は、自分が向かっていると思っていた人生なのかという疑問と格闘しているんだ。「プリテンダー」は未解決の問題(オープン・クエスチョン)なんだ。子供や仕事を持つことで、人生の最良の資質を見出すのか、それともそれらを取り壊してしまうのかという」(Mojo Magazine 2015 by Songfacts)
この曲は同タイトルのアルバム「プリテンダー」(1976)のラストに収録されていました。このアルバムで彼は、それまでのフォークのスタイルから、ロックのバンド・サウンドにシフトをしました。彼は前年(1975)に大ヒットしたブルース・スプリングスティーンの「明日なき暴走」に感銘を受け、そのアルバムのプロデューサー、ジョン・ランドー(ランダウ)にプロデュースを依頼した、それが影響しているんですね。
歌詞のテーマは内省的で悲観的なものが多いですが、バンドのサウンドにエネルギーが感じられて、それによって不思議な救済感があるように、長年このアルバムを聴いてきた僕は感じています。この曲もドラムのジェフ・ポーカロとベースのリーランド・スカラーの確かなリズム、そして、クレイグ・ダーギーのリリカルでかつドラマティックなピアノが、シニカルに思い詰めながら救済を求める歌詞と相まって、気持ちを昇華させてくれるような感覚になります。
最後に2009年に行われた”25th ANNIVERSARY ROCK AND ROLL HALL OF FAME CONCERT”での演奏を。クロスビー、スティルス&ナッシュと共演しています。オリジナル・レコーディングでは、実際にデヴィッド・クロスビーとグラハム・ナッシュがコーラスを務めていましたから、なかなか感慨深い共演です
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