おはようございます。今日も今年亡くなった作詞家、ウィル・ジェニングスの作品を。エリック・クラプトンの「ティアーズ・イン・ヘヴン(Tears in Heaven)」です。
Would you know my name
If I saw you in Heaven?
Would it be the same
If I saw you in Heaven?
I must be strong
And carry on
‘Cause I know I don't belong
Here in Heaven
Would you hold my hand
If I saw you in Heaven?
Would you help me stand
If I saw you in Heaven?
I'll find my way
Through night and day
‘Cause I know I just can't stay
Here in Heaven
Time can bring you down
Time can bend your knees
Time can break your heart
Have you begging please
Begging please
Beyond the door
There's peace, I'm sure
And I know there'll be no more
Tears in Heaven
Would you know my name
If I saw you in Heaven?
Would you be the same
If I saw you in Heaven?
I must be strong
And carry on
'Cause I know I don't belong
Here in Heaven
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僕の名前がわかるだろうか?
もし君に天国で会えたら
変わらずにいるだろうか?
もし君に天国で会えたら
僕は強くなきゃいけない
そして生き続けなくちゃ
だって僕はいちゃいけないってわかっているから
ここ、天国に
君は僕の手を握ってくれるだろうか?
もし君に天国で会えたら
君は僕を支えてくれるだろうか?
もし君に天国で会えたら
僕は自分の道を見つけるよ
夜も昼も越えて
だって僕は居続けるわけにはいかないから
ここ、天国に
時は君を打ちのめし
時は跪かせることもある
時は心を壊すこともできる
「どうか…」と君に懇願させるのさ
どうかお願い、と
その扉の向こうには
きっと平穏があるはず
そしてもう二度と
天国で涙を流すこともないだろう
僕の名前がわかるだろうか?
もし君に天国で会えたら
変わらずにいるだろうか?
もし君に天国で会えたら
僕は強くなきゃいけない
そして生き続けなくちゃ
だって僕はいちゃいけないってわかっているから
ここ、天国に (拙訳)
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この曲は当時まだ4歳だった息子のコナーを不慮の事故で亡くしたクラプトンが、追悼の想いで書かれたことで知られています。
彼の深い悲しみが込められたとてもパーソナルな曲の歌詞を書くことになったのがウィル・ジェニングスで、彼はこう語っています。
「エリックと僕は、映画『ラッシュ』のための曲を書く仕事に取り組んでいました。エンディング用に『Help Me Up』という曲を書いたのですが、エリックが映画の中でもう他に1曲を入れる場所を見つけて、『息子についての歌を書きたいんだ』と僕に言いました。彼は一番のバース(Aメロ)をすでに書いていて、それは、僕にしてみたら、その曲の全てと言ってもいいものだったのですが、彼は残りのバースや大サビ(Time can bring you down, time can bend your knees..)も書くことを望んでいました。僕は、この曲はあまりに個人的なものなので、全て自分で書いたほうがいいと言ったのですが、エリックは僕がスティーブ・ウィンウッドと一緒に作った作品を高く評価してくれていて、最終的には彼の依頼通りに書くしかありませんでした。このテーマがどれほどセンシティヴであっても。この曲は私の作詞の経験の中でもとてもパーソナルでとても悲しい、唯一無二の作品になっています」 (Songfacts)
僕の名前がわかるだろうか?
もし君に天国で会えたら
変わらずにいるだろうか?
もし君に天国で会えたら
という歌詞はクラプトンが書いていて、そこからジェニングスが続きを書いていったんですね。
ジェニングスの言葉を引用させてもらった”Songfacts"というサイトでは、クラプトンの自伝の中で彼がこの曲についてこう語っていたと記載されています。
「新しい曲の中で最も人を動かしたのは『Tears in Heaven』だった。音楽的には、ジミー・クリフの『Many Rivers to Cross』という曲のコード進行にずっと魅了されていて、それを参考にしたかった。でも本質的には、自分が祖父を亡くして以来ずっと問い続けてきた疑問を表現するために書いた曲なんだ。僕たちは本当にまた会えるのか?こうした歌について深く語るのは難しい。それが歌であるということなんだ。こういう曲の誕生と発展が、人生の最も暗い時期を生き抜かせてくれた。その時期を思い返し、あの恐ろしい麻痺したような感覚を思い出そうとすると、身震いするほど恐ろしくなる。もう二度とあんなことは経験したくないんだ。本来、これらの曲は発表したり売ることを目的にしたものではなかった。ただ狂わずにいるためにやっていたことで、何度も何度も自分だけに演奏し、変えたり磨き上げたりしているうちに、それが自分の一部になっていったんだ」
人生の最も暗い時期に狂わずに生き抜くための歌、それほどパーソナルでシリアスな作品の歌詞を託したわけですから、クラプトンのジェニングスへの信頼はそれほど確かなものだったのでしょう。
ちなみにクラプトンがコード進行の参考にしたというジミー・クリフの「Many Rivers to Cross」とはこんな曲です。
Many rivers to cross
But I can't seem to find my way over
Wandering, I am lost
As I travel along White Cliffs of Dover
Many rivers to cross
And it's only my will that keeps me alive
I've been licked, washed up for years
And I merely survive because of my pride
渡るべき川がたくさんある
だけど、向こう岸が見えてこない
さまよって、迷っている
ドーバーの白い崖を進みながら
たくさん川を渡らなければならない
そして意志だけが僕を生かしている
長い間、打ちのめされ 疲れ果てた
ただ誇りがあるから、なんとか生き延びているだけさ
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ただ、コード進行だけじゃなく、先の見えない状況でもなんとか生き延びていこうとする歌詞にも、彼の気持ちが重なる部分もあったのでないか、とも思えます。
ゴールも希望もなくても、今自分のいる世界でなんとか生きていかなくちゃいけない、そういう切実なテーマがこの2曲に共通して感じられると思います。
この曲の大ヒットの後に彼はMTVのライヴシリーズ”Unplegged"の出演、そしてその模様をアルバムにした『アンプラグド~アコースティック・クラプトン(Unplugged)』は彼のキャリアで最大のヒット作、そしてライヴ・アルバムとしても史上最大のヒットになりました。
最後はそこに収められていたヴァージョンを。
スティーヴ・ウィンウッドとウィル・ジェニングスの作品。
